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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

信州に春を告げる花。堂平大塚古墳の福寿草が開花しました。つれないルリビタキ(妻女山里山通信)

2024-01-30 | アウトドア・ネイチャーフォト
 最高気温が9度とか。前日に続いて寒風もなく快晴の暖かな日です。温泉の帰りにもしやと妻女山奥の陣場平と堂平大塚古墳へ登ってみました。北側の林道の残雪も全部溶けました。そしてなんと福寿草が咲き始めていました。昨年も暖冬で2月4日に開花を確認していますが、今年はさらに5日も早く咲き始めました。ということで2日続けてのブログ更新となりました。前の記事の北アルプスの望遠ドアップもぜひご覧ください。

フクジュソウ(福寿草、献歳菊、学名:Adonis ramosa)は、キンポウゲ科の多年草。現在4種に分類されていますが、死亡例もある毒草です。春の水仙とともに要注意の植物です。福寿草や水仙、タンポポ、ロウバイにダンコウバイと春の花には黄色が多い。啓蟄を過ぎても昆虫はまだ少なく、その虫たちは黄色い花に集まりやすいという習性があります。

 パラボラアンテナの様に熱を集めます。蜜はないのですが、多量の花粉で昆虫を集めます。花言葉は「幸せを招く・永久の幸福」など。啓蟄もまだなので花粉を集めに来るハナアブやミツバチはいません。福寿草は3月上旬までと花期が長いので一面が満開になるのはまだまだ先です。

 堂平大塚古墳から見る北アルプスの爺ヶ岳。手前はヌルデ(白膠木)の木。10年前は眼下の集落や千曲川が見えたのですが。藪にすると野生動物の隠れ場所になるので伐採を考えています。紅梅の蕾はまだ固く閉じています。オオイヌノフグリの緑の葉があちこちに。

 陣場平入り口。下界は9度ですが、ここは4度。ただ無風なので寒くはありません。

 陣場平へ入っていくと目の前の灌木にルリビタキ。私の気配で飛び去ってしまいました。ただ木を切っていると寄って来ます。虫が出てくるかも知れないと分かっているのです。鳥は餌となる樹の実がほとんどないのであまり見られません。

 陣場平へ。さすがにまだ貝母(ばいも・編笠百合)は芽吹いていません。しかし、昨年は2月15日頃に芽吹いているので今春もその頃に芽吹くでしょう。昨年の満開は4月6日でしたが、今年は少し早まるかも知れません。開花情報はこのブログで逐一お知らせします。

 陣場平の南側から北を見たところ。この更に手前から向こうの端まで貝母の群生地です。かなり広いことが分かると思います。北の端の菱形基線測点のところまで球根を移植したので、今年は見ごたえがあると思います。4月の5日から20日頃までが見頃になるでしょう。周りにヤマザクラ、カスミザクラ、オオヤマザクラも咲いてそれは見事です。

 陣場平の片隅にセリバオウレンの葉。3月下旬に小さな白い花を咲かせます。

 下る途中で。赤い矢印のクヌギは木材腐朽菌に侵されていてすでに立ち枯れています。倒れるかも知れないので春に伐倒しようと思います。

 樹間から善光寺平と飯縄山。明日は10度を超えそうです。

 樹冠に木の実はありません。低い灌木にも。この時期が里山の動物にとってもっとも餌が少ないのです。ニホンカモシカは緑のロゼットやシダ類、枯れ葉も食べます。3月上旬にはツキノワグマも活動を始めます。その頃に蕗の薹が出始めるのです。

 千曲川の水位がいまだかつてないほど低いのです。右の三角のさざ波の場所は底が見えています。歩いて渡れます。昨年は梅雨の豪雨も台風の洪水もありませんでした。雪も少ないので必ず水不足になります。流れ込む小川には水が流れていません。地下水が下がってあちこちの温泉で湯量が激減しています。
 スペインは1000年に一度の大旱魃。アマゾンとアンデスも渇水。なのにリビア、ブラジルや中国などで大洪水。アラスカは大雪。この激しい気象現象を世界のある気象学者は2022年1月のトンガの海底火山大噴火で大気中の水蒸気の5%(5000万トン)にあたる量が排出されたのが原因と言っています。その影響は、熱圏や電離圏といった大気圏の最上部まで及んでいたことがこれまでの観測データの解析で明らかになっています。数週間で記録的な寒さから記録的な暑さまで気温が乱高下する原因にもなるそうで、今後数年間は続くと専門家は警鐘を鳴らしています。この冬、北米やシベリアではマイナス40度以下とすでに影響は出ています。
 春が早く杏やリンゴの開花も早いため遅霜にやられてしまいます。昨年がそうでした。果樹農家の方は今年もかと心配しています。水不足で稲作も心配です。都会に住む人は今から食料備蓄を考えた方がいいかも知れません。「トンガ海底火山噴火 影響」で検索してください。

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本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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コメント (2)
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