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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

森の中で人知れず咲く編笠百合(貝母) (妻女山里山通信)

2012-04-22 | アウトドア・ネイチャーフォト
 この編笠百合(天蓋百合)の群生地は、昔薬草畑だったところが放置され野生化したものですが、私が3年前に発見した時は薮に埋もれて絶滅寸前でした。それを切り払って日当りをよくしたところ、3年でものの見事に復活しました。しかし、いわゆるスプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)、春の妖精、春の儚い命のため、花期が終わり6月になるとなにもなかったように消えてしまいます。貝母は、バイモと読みます。

 編笠百合は、享保(1716-1736)年間に中国から薬用植物として入ってきた花です。貝母と書くのは、球根が二枚貝に似ているからとか。咳止め、解熱、去痰の効能があるそうです。その可愛らしく丸まった葉先と俯いて咲く地味な吊り花が茶花としても愛されています。観賞用の園芸種には派手な色のものもありますが、やはりこの控えめで自然な色合いが一番美しいと思います。

その丸まった葉先ですが、可愛らしいというのは人間の勝手な感想で、実際なんのためにそうなったのだろうと不思議に思っていました。それが、ある風の強い日に訪れて分かりました。春は爆弾低気圧が発生したり、東風(こち)などの強風が吹き荒れることがあります。編笠百合の茎は柔らかく強靭ではありません。そこで丸まった葉先で互いに絡み合って倒れるのを防いでいるのです。

 この場所は、陣場平といって第四次川中島合戦の時に上杉謙信が陣小屋を七棟建てたといわれる山上の平地です。林道から数十メートル森の中で見えないため、この群生地を知っている人は地元でもほとんどいません。といっても帰化植物なので保護の対象にもならず、放置されて薮になり灌木が覆って森が暗くなれば絶滅するでしょう。実際増えるといっても日当りの悪い森の中までは広がりません。

 山を下りる時に、キジバト(雉鳩)の羽が散乱していました。恐らくノスリに襲われたのでしょう。妻女山にはつがいのノスリが棲息していて、この間子供を挟んで三羽で旋回していました。うちの山にあったニホンカモシカの糞場が最近使われていません。きっと二頭の兄妹は自立して縄張りを移ったのでしょう。いずれまた、どちらかが子供を連れて戻って来るかもしれません。時の移ろいを感じる春です。


「俯いて 知らぬ間に消ゆ 貝母哉」 林風

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★この所海外では、大地震が多発しています。しかし、日本では3/27岩手沖M6.4が最後で、その後は不気味なほど静かです。前の記事最後に紹介した「歴史は繰り返す」にもあるように、引き続き注意が必要です。次は日本かも知れません。
4/11 スマトラM8.6,M8.2
4/12 メキシコM6.9 カリフォルニアM6.9,M6.2
4/14 南 極 海M6.2
4/15 バヌアツM6.5 スマトラM6.2
4/17 南米チリM6.7 パ プ アM6.8
4/18 南 極 海M6.2
4/21 スマトラM6.1 パ プ アM6.6
衝撃のデータ: 3月11日の地震の前に観測された日本上空の赤外線と電子量の急激な変化 :それを測れば地震予知できる!


★GWに山登りに行かれる方は、「測ってガイガー!」や「奥多摩、中央アルプス、北アルプスの放射線量」などを参考にしてください。山によっては、かなり汚染されているところもあります。「測ってガイガー!」を見ると、山の計測箇所が少ない。ガイガーカウンタ持っているハイカーは、ぜひ計測を。これから花粉の季節。風で再浮遊での内部被曝は、10倍といいます。充分注意を!
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