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モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

春の兆し、日本羚羊と山蕗(妻女山里山通信)

2010-01-27 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 暖冬なのか例年なら2月の下旬以降に出る山蕗がなんと1月の下旬に出てしまいました。いくらなんでもこれは異常です。日本羚羊も暖かい日は穏やかな顔つきをしています。今年は芽吹きも早く、餌の確保も容易かもしれません。月の輪熊も例年より早めに冬ごもりから出てきそうです。

 この日本羚羊は、鞍骨城跡の主で去年も遇いました。一応こちらを警戒するのですが、話しかけながら近づくと逃げません。それでも限界距離を超えると逃げるのですが、同じ個体でも季節や状況でその距離が違います。経験上、冬はその距離が長く、初夏以降は短くなりますが、理由は不明です。また、餌を探して動き回っているときよりも、座って反芻している時の方が近くまで寄れます。

 ウシ科のせいか好奇心が強く、こちらが木の陰に隠れると覗き込んだりします。それが災いして狩りの獲物になり絶滅しかかったのです。ニクバカ、オドリジシなどという地方名は、それを端的に表現したものでしょう。縄文時代の遺跡からも骨が出るそうですから、昔から食糧としていたようです。基本的に単独で行動しますが、母子の場合は1~2年は、共に行動するようです。ただ、少しずつ別に行動するようになるらしく、単独で見かけることが多くなります。それでもたまに一緒にいることもあり、必ずしも子離れしたら絶対に会わないということでもないようです。単独で行動し始めたなと思っていた二年目の母子が、森の中で再び一緒にいるところを見たことがあります。

 今年はたぶんその子供は自分の縄張りを持つだろうと思います。一頭につき約10haの縄張りが必要だそうですから、恐らく向かいの尾根に移るのではないかと思われます。その向こうの尾根には既に別の個体がいるから無理でしょう。日本羚羊の一日はパターンがあり、朝は決まった糞場で糞をします。そして朝と夕方に餌を探し、日中はお気に入りの場所で食べたものを反芻しています。

 日本羚羊の地方名は60以上あるそうです。それだけ身近な動物だったのでしょう。それが銃による乱獲で絶滅が危惧され、特別天然記念物に指定されました。そして今では増えすぎて農林業に被害が出て困っているところもあります。そもそも自然を管理するということが不遜なんでしょうが、それでも微妙なバランスを見ながら共生の道を探っていかなければならないのでしょうね。

★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、地衣類、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、特殊な技法で作るパノラマ写真など。日本羚羊も。
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