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建築を旅する

ノマディック美術館

2007-06-02 09:41:07 | Weblog
The Nomadic Museum ノマディックミュージアム。
ノマディックという、他に類を見ない、世界を旅する美術館。

東京お台場のAshesa and Showグレゴリー・コルベール展に行って来た。
ノマディック美術館の設計は坂茂氏。
先日のニコラス・G・ハイエックセンターしかり、彼の建築は抜きん出てる。
まずは、写真で見てた外観。NYの埠頭に出現した写真しか観ていなかったけれど、実際でかい。

NYのピア54からスタートし、サンタモニカを経て、東京お台場へ。



エコロジー建築の坂茂氏らしい、リサイクルな素材。
コンテナは、その土地土地でレンタル、返却される(画期的)らしく、これは東京湾で入手したコンテナだろうか。




2.4×6メートルのコンテナは10メートルに達し、壁面を構成。
17メートルに達する内部空間をつくる構造体は、もちろん紙管。
直径は74センチの柱と30センチのトラス組みで回廊を構築。







コンテナは市松で、間はテントを斜めに張っている。

エントランスは、抜けの良い光溢れる、気持ちのいい空間。
天井もテント張り。一部、不燃カーテンだろうか、壁面自体が大きなカーテンになっており、これも坂茂氏らしい。







チケット(1900円!前売りは900円らしい)を買って中に。

おーー、中は一転、暗闇に浮かぶ巨大な柱の回廊。
感動的。
おーーー。
ローマ人がこぞって作った神殿は、やはり柱が象徴的だけど、人間、高い柱、感動します。
おーーーー。

すっと伸びる柱は、上空に、また列柱のリズムが前方に気持ちを引き連れて行くように、静かに高揚していく。
宗教的建築、まさに神殿。

回廊の中央は、ちょうどカーペットが敷かれるようにウッドが敷かれ、柱を飲み込みつつ、周りには荒く白い石が敷かれる。
ちょっと、川面のようにも見える。
展示は、大きな写真と、映像。
回廊部には、柱間に一つづつ、大きな和紙に刷られた、ゼピア色の写真が浮かぶ。
象や、チーターなどと瞑想にふけり、交わり、静かに無言の対話をするかの様な、少年、少女の写真がある。

照明は印象的で、ドラマチック。指向性の高い光は、写真の輪郭を、石の河に落とす。

映像も、セピア。肌触りや、温度を感じる、暖かな気持ちになる作品。
愛が溢れているような、セクシーで、陶酔的な動物達と人。凛とした動物の自然の美しさがものすごく出ている。
フォルムが綺麗。存在が美しい。
人間も、自然の一部になれるような、実際自然の一部だと再確認するような、許しの映像があった。



映像に照らされた、またたく柱の間に、コンテナが強い固まり感と、不思議な秘技で空中で止まった様にたたずむ。
なんだか、石が浮かんで止まった様な。
エジプトなんかの大きな石が浮かんだ様な、それが、ぬうっと柱の向こう側に存在するような、そんな感じもした。

神殿にあてられたのか。

はあああ。
坂茂、すごし。
映像も良いし、もう一回、今度は夜に行ってみよう。