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建築を旅する

柚木沙弥郎先生

2014-04-25 13:32:10 | Weblog
染織家の柚木沙弥郎氏は、御年92歳。

1922年画家の家に生まれ、1942東京大学に入る。
戦後は大原美術館に勤務し、そこで民藝(芹沢銈介の作品)に出会う。

その後、芹沢銈介のもとに弟子入り。
染色にとどまらず、かわいい絵本の挿絵や、人形づくりなどなど素敵な作品多数。
女子美術大学で教鞭をとり、現在まで作品を作り続けている‥…。



先月オープンしたコレド日本橋のIDEEショップにて、柚木沙弥郎展を行うと聞いて、3月末にプレオープンに行って来た。



今までも折に触れ、かみさんが学生時代に染色を教えてもらっていたのもあり、
何度かお会いしお話させて頂いたことがある。

ご高齢にも関わらず非常にエネルギッシュで、パリでの個展のお話など様々知的で興味深いお話をされていた。

昨年は世田谷美術館での展示会【柚木沙弥郎 いのちの旗じるし展】も開催されて、拝見したのだけれど、新作が沢山あり、その創作意欲に感動した。


今回も是非お会いしたいと、来場の日程をお店に確認をして行った次第。

昼過ぎに行ったのだけれど、ちょうど先生がお帰りになりそうなタイミングで、間一髪ご挨拶。
御年92歳ということで、数年前にお会いした時よりお身体が小さくなられた様な感じで、
ちょっと心配になってしまった。

しかし、作品制作はいまだに衰えず、今回も様々な新作が展示されていた。

しかも、売っている!

今までもギャラリーなどで販売されていたけれど、買おうという発想が無く、今回はIDEEっていうこともあって、あ!買えるのか!とちょっと新鮮に感じた。

まだプレオープンだったので、売約もそれほど付いていない、うーーーーんん。

ここはひとつ家宝に求めさせてもらおう!


で、鋏のモチーフのタペストリーを購入する事に。


それが、展示期間が終わり、先日ようやく仕事場に届いた。



長さは150センチ程度、幅は55センチくらいの紺色に染め上げた逸品。
中央のぷりっとした鋏は、上を向き、いいバランスで開いている。
その部分は、生地の色そのままで、その上下に黒い丸い形の染め抜きがある。

『昔と違って、もういい布を作る職人も居なくなり、手元にある分だけ』と以前おっしゃっており。
これは大事にせねば。

いい買い物をした。

仕事場のデスクの正面に掲げる。

背筋が伸びます。頑張ろう。