ゴールデンウィークに京都の実家に帰省した。
最近、父親から地元に昔からある、砥石産業について話をきいた。
小さい頃から、近所には砥石山と呼ぶ山があちこちにあり、そこで採掘されているのは知ってた。
近所のおじいさんやおじさん達が、加工業を営んでいて、日常の風景であった。
なので、それほど深く考えた事は無かったのだけど、実は、京都のこの辺りの天然砥石は全国的にも質がいいものが採れるらしい。土自体もいいようで、陶芸家の方も多い。
帰省する前に、ネットで調べたら、現在、神前という実家の辺りの天然青砥はもう閉山してしまっているけれど、隣村の大内というところでは、今でも仕上げ砥石を採掘しているらしいことが判った。
なので、帰省がてら車で大内に見学に行ってきた。
大内は、大内神社が有名で、そこに立つ、大杉は里の杉では、京都府内で最大級を誇る。
大内神社の大杉
幹周/8.03m。樹高/36m。
1980年に落雷があり、途中から折れて、炎上したので、昔はもっと大きかったと思われる。
落雷があったのは、小学校時代だったから、ぼんやり覚えている。
大内の砥石やさんに行く。
『ととりや』さん。
http://www.toishi.jp/
普通のお宅の軒先で商売をされていて、たどり着くのが難しい。
ここの砥石は、丹波系本口成り丸尾山というところで採れる、天然仕上砥石。
下地を中砥、仕上げを仕上砥と使い分ける。いわゆるカミソリ砥。
やはり、大工さんや、中には刀鍛冶の様な方もみえるらしい。
海外からもお客さんがあり、全国、また全世界からも注目されている様子。
『削ろう会』の昨年度全国優勝を成し遂げた方が、こちらの砥石を使ったらしい。
『削ろう会』とは、大工さんの腕試しというか、鉋で如何に薄く削れるか?を競う大会。
1/1000mmという、向こうが透けて見えるような、ミクロの世界。
『砥石研ぎ体験』!もやっている。
砥石の原石がごろごろと無造作に置いてあった。
店主の方が、実演して下さった。包丁で産毛をそってみせてくれた。凄い。
いろいろと親切にレクチャーして下さり、とても勉強になった。
たまたま、常連の大工さんも来ていて、木造住宅などについて、話はおおいに盛り上がる。
自分は、園芸用の鋏なども研ぎたかったので、鋏や鎌を研ぎやすい様に、エッジを丸めたタイプを購入した。
包丁を研ぐ実演。
結構、研ぐのにハマる方が多いみたいで、ある実業家の方は、趣味で毎日研いでいるらしい。
仕事から帰ってきて、研いでいると、心が非常に休まるらしく、癒し効果もあるみたい。
大内は、天然仕上砥石がメインだけれど、実家のある神前あたりでは、『岡花の青砥』と呼ばれる、天然砥石が採れた。
いわゆる中砥と呼ばれる、仕上げの前の段階に使う砥石で、全国的に見ても、非常に良質のものらしく、包丁などにとてもいいらしい。
その昔、『岡花の青砥』は、盛んに出荷され、掘りに行けば、一日で、サラリーマンの一ヶ月分の金額になったという。
しかし、需要の減った今は、隣町の『宮川の青砥』が少しある程度で、室町時代から採掘されてきた『岡花』は閉山しており、既に無くなって久しい。
ところが、最近になって、『岡花の青砥』を半世紀ぶりに復活させようと、自分の親なども中心となって活動をし出したそうだ。それで、砥石の話をしてくれたんだろう。いい話を聞けてよかった。
以下、京都新聞に掲載された記事。
http://news.nifty.com/cs/headline/detail/kyoto-20100507-P20100507000057/1.htm
少し残る原石を掘り起こし、『青砥復活プロジェクト』と称し、限定360個を復活させた。
そのうちのいくつかを譲ってもらった。
さっそく、実際に、実家の包丁や、妻の実家の包丁、自宅の自分の包丁などを軒並み研いでみた。
岡花の青砥で研ぎ、天上戸前うぐいすって仕上砥で仕上げる。
贅沢な最強コンビ。
本当に、驚くほど良く切れる様になった!びっくり。
トマトを切ったら、エッジが立って、サクサク切れる。
皆、とても喜んでくれ、いい母の日の親孝行になったなと満足。
写真の左が、大内の仕上砥。右が、岡花の青砥。
すべすべで、気持ちいい。
砥石、ちょっと魅惑的な存在。
最近、父親から地元に昔からある、砥石産業について話をきいた。
小さい頃から、近所には砥石山と呼ぶ山があちこちにあり、そこで採掘されているのは知ってた。
近所のおじいさんやおじさん達が、加工業を営んでいて、日常の風景であった。
なので、それほど深く考えた事は無かったのだけど、実は、京都のこの辺りの天然砥石は全国的にも質がいいものが採れるらしい。土自体もいいようで、陶芸家の方も多い。
帰省する前に、ネットで調べたら、現在、神前という実家の辺りの天然青砥はもう閉山してしまっているけれど、隣村の大内というところでは、今でも仕上げ砥石を採掘しているらしいことが判った。
なので、帰省がてら車で大内に見学に行ってきた。
大内は、大内神社が有名で、そこに立つ、大杉は里の杉では、京都府内で最大級を誇る。
大内神社の大杉
幹周/8.03m。樹高/36m。
1980年に落雷があり、途中から折れて、炎上したので、昔はもっと大きかったと思われる。
落雷があったのは、小学校時代だったから、ぼんやり覚えている。
大内の砥石やさんに行く。
『ととりや』さん。
http://www.toishi.jp/
普通のお宅の軒先で商売をされていて、たどり着くのが難しい。
ここの砥石は、丹波系本口成り丸尾山というところで採れる、天然仕上砥石。
下地を中砥、仕上げを仕上砥と使い分ける。いわゆるカミソリ砥。
やはり、大工さんや、中には刀鍛冶の様な方もみえるらしい。
海外からもお客さんがあり、全国、また全世界からも注目されている様子。
『削ろう会』の昨年度全国優勝を成し遂げた方が、こちらの砥石を使ったらしい。
『削ろう会』とは、大工さんの腕試しというか、鉋で如何に薄く削れるか?を競う大会。
1/1000mmという、向こうが透けて見えるような、ミクロの世界。
『砥石研ぎ体験』!もやっている。
砥石の原石がごろごろと無造作に置いてあった。
店主の方が、実演して下さった。包丁で産毛をそってみせてくれた。凄い。
いろいろと親切にレクチャーして下さり、とても勉強になった。
たまたま、常連の大工さんも来ていて、木造住宅などについて、話はおおいに盛り上がる。
自分は、園芸用の鋏なども研ぎたかったので、鋏や鎌を研ぎやすい様に、エッジを丸めたタイプを購入した。
包丁を研ぐ実演。
結構、研ぐのにハマる方が多いみたいで、ある実業家の方は、趣味で毎日研いでいるらしい。
仕事から帰ってきて、研いでいると、心が非常に休まるらしく、癒し効果もあるみたい。
大内は、天然仕上砥石がメインだけれど、実家のある神前あたりでは、『岡花の青砥』と呼ばれる、天然砥石が採れた。
いわゆる中砥と呼ばれる、仕上げの前の段階に使う砥石で、全国的に見ても、非常に良質のものらしく、包丁などにとてもいいらしい。
その昔、『岡花の青砥』は、盛んに出荷され、掘りに行けば、一日で、サラリーマンの一ヶ月分の金額になったという。
しかし、需要の減った今は、隣町の『宮川の青砥』が少しある程度で、室町時代から採掘されてきた『岡花』は閉山しており、既に無くなって久しい。
ところが、最近になって、『岡花の青砥』を半世紀ぶりに復活させようと、自分の親なども中心となって活動をし出したそうだ。それで、砥石の話をしてくれたんだろう。いい話を聞けてよかった。
以下、京都新聞に掲載された記事。
http://news.nifty.com/cs/headline/detail/kyoto-20100507-P20100507000057/1.htm
少し残る原石を掘り起こし、『青砥復活プロジェクト』と称し、限定360個を復活させた。
そのうちのいくつかを譲ってもらった。
さっそく、実際に、実家の包丁や、妻の実家の包丁、自宅の自分の包丁などを軒並み研いでみた。
岡花の青砥で研ぎ、天上戸前うぐいすって仕上砥で仕上げる。
贅沢な最強コンビ。
本当に、驚くほど良く切れる様になった!びっくり。
トマトを切ったら、エッジが立って、サクサク切れる。
皆、とても喜んでくれ、いい母の日の親孝行になったなと満足。
写真の左が、大内の仕上砥。右が、岡花の青砥。
すべすべで、気持ちいい。
砥石、ちょっと魅惑的な存在。