「夕立つ」という用語には「夕立の雨が降る。」という語釈があり、日本国語大辞典・第二版では、『今昔物語』(1120年頃か)の例が早いのですが、100年以上さかのぼる用例があります。
ゆふだちて夏はいぬめりそほちつつ秋のさかひにいつかいるらん
(4・古今和歌六帖、第一、ゆふだち、509)
『新編国歌大観 第二巻 私撰集編 歌集』角川書店、1984年、202ページ
「夕立つ」という用語には「夕立の雨が降る。」という語釈があり、日本国語大辞典・第二版では、『今昔物語』(1120年頃か)の例が早いのですが、100年以上さかのぼる用例があります。
ゆふだちて夏はいぬめりそほちつつ秋のさかひにいつかいるらん
(4・古今和歌六帖、第一、ゆふだち、509)
『新編国歌大観 第二巻 私撰集編 歌集』角川書店、1984年、202ページ
「夢の手枕(たまくら)」という用語の用例は、日本国語大辞典・第2版では、大観本謡曲『絵馬』(室町末)からの例が添えられていますが、さかのぼる例があります。
歎わひさてふるほとの思出にむすひもはてぬ夢の手枕
夢の手枕。妖艶之由各申。
(巻第百八十九・光明峯、寄枕恋、四十八番・右・忠俊寺摂政家歌合)
塙保己一編『群書類従・第十二輯(訂正三版)』続群書類従完成会、1993年、519ページ
逢恋
よひよひにいらて明つるねやの中は我も習はぬ夢の手まくら
(巻第四百八十八・春夢草)
塙保己一編『続群書類従・第十七輯下(訂正三版)』続群書類従完成会、1958年、911ページ
「夢の中(うち)」という用語は、日本国語大辞典・第2版では、『成尋母集』(1073年頃)からの例が早いのですが、さらに、159年さかのぼる用例があります。
やどりして春の山辺にねたる夜は夢の内にも花ぞちりける(巻第二・春歌下、117)46ページ
夢のうちにあひ見ん事を頼みつゝくらせるよひは寝んかたもなし(巻第十一・恋歌一、525)134ページ
佐伯梅友校注『古今和歌集(岩波文庫)』岩波書店、1981年
「山たず」の語釈は日本国語大辞典・第二版では、「②山で木を伐るのに用いる手斧。」とありますが、用例が記載されていません。和歌に用例があったので、以下にあげます。
樵路早蕨
薪樵るこのもかのもの初蕨折々たゆる山たづの音
(「うけらが花」巻一・春歌)
『校註国歌大系 第十六巻(近代諸家集2)』国民図書編、講談社、1976年、198ページ
枕詞「山鳥の」という用語には「②山鳥の尾の意で、「尾」と同音を含む「尾上」や、類音を含む「おのづから」「おのれ」や、地名「すゑを」にかかる。」という語釈があります。日本国語大辞典・第二版用例よりも100年ほどさかのぼる用例があるので、以下に挙げます。
やまどりのをのへのはなをことならばかけしかがみにうつしとめばや
(29・為忠家後度百首、桜廿首・嶺上桜・13)
『新編国歌大観 第四巻 私家集編2 定数歌編 歌集』角川書店、1986年、272ページ