凡凡「趣味の玉手箱」

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食指が動く

2006-01-25 21:49:18 | 中国のことわざ
中国のことわざ-102 食指が動く
「欲しがる」「その気になる」ことを「食指が動く」「食指を動かす」という。

鄭の霊公に楚から大きなスッポンが贈られてきた。たまたまその日、重臣の子家と子公が出仕しようとしたが、子公の食指(人差し指のことです)がぴくりと動いた。子公は「いつも、この食指が動くと必ず珍味が口にはいるのだ」と言った。

二人が霊公に拝謁すると、スッポンの吸い物をすすめられた。子公は笑って言った。「やはりそうだった」

霊公に問われるままに、子公はそのわけを話した。霊公は子公にだけ吸い物を与えなかった。怒った子公は吸い物の入った鼎に指を突っ込み、その指を嘗めて退出した。

霊公は怒って子公を殺そうとした。これを察知した子公は先手を打って霊公を弑殺した。

*食べ物の怨みは恐ろしい。スッポン料理って春秋時代に既にあったのですね。

出展:司馬遷、史記[別巻]史記小辞典、徳間書店、1988年11月30日第二版第一刷、鄭世家


緑林という言葉

2006-01-25 21:48:21 | 中国のことわざ
中国のことわざ-101 緑林という言葉

盗賊や山賊のことを緑林という。前漢と後漢のつかの間の王朝新の皇帝、王莽の失政を咎めて西暦18年に立ち上がった反乱軍である赤眉軍が、緑林山にたてこもったことに基づく。その主体は王莽の失政で生業を離れた流亡の農民であった。

なお、赤眉軍は王莽の軍と味方を区別するために、眉を赤く染めたため軍の名前を赤眉といった。

出典:「十八史略 Ⅲ 梟雄の系譜 :徳間書店、奥平卓、和田武司訳、1987年7月七刷」、広辞苑


王朝の簒奪(さんだつ)者-王莽

2006-01-25 21:47:03 | 十八史略を読む Ⅲ
十八史略を読む Ⅲ-1 王朝の簒奪(さんだつ)者-王莽(おうもう)

「十八史略 Ⅲ 梟雄の系譜 :徳間書店、奥平卓、和田武司訳、1987年7月七刷」から

高祖劉邦によって創設された漢王朝は、のちに魏王朝にとって代わられるまで、ほぼ400年間存続する。この大帝国は前漢と後漢とにとに分けられる。なぜかと言えば、その半ばほぼ200年を過ぎたところで、一時、国号を新と称する王朝が存在したからである。この、王朝の期間は僅か15年であったが、その創始者が王莽である。

彼はドラスティックな政治理論にもとづいて、理想的な政治支配をもくろんだ、狂信的な政治家であった。外戚の一員として、「平帝」の時代に儒教イデオロギーによる一大改革を行いその功あって、諸侯王よりも上位のランクに位置づけられる宰衡の称号を得た。彼の制定した礼制、官制、学制などの諸制度はのちの中国王朝に受け継がれたと評価されている。

こうして権勢を得た王莽は、その後次第に「自分が皇帝になるべきだ」という妄想を抱くに至った。当時、陰陽五行思想に基づく、讖緯説(しんいせつ:天文、暦数などにより未来を予言する説)が広く信じられていたが、彼はこの説を儒教イデオロギーに取り入れた。

「地上の主宰者である皇帝権を神秘化し、漢王朝は滅亡し、新しい王朝が出現するであろう」と予言したのである。その巧妙な手口に引っかかって、48万人が王莽の徳業を褒め称える上書を行った。彼の皇帝即位は当然のことと受け入れられた。

王莽の評判は王朝の簒奪者として、また、儒教イデオロギーや讖緯説を作為的に利用した人物として、後世の王莽に対する評価は極めて良くない。





中国2005年に9.9%成長

2006-01-25 21:43:19 | 中国関連ニュース
中国国家統計局は2005年の国内総生産GDPの前年比の伸び率が物価変動の影響を除いた実質ベースで9.9%になったと発表。1000億ドル(約11兆5千億円)を超える巨額の貿易黒字と投資が牽引し、三年連続で10%前後の高成長となった。

名目GDPは18兆2321億元(約259兆円)、米日独英仏に次ぐ世界6位(フランスを抜いたという情報もある?)高成長の要因は1019億ドルに達した貿易黒字。今年は欧米との通商摩擦回避のため、黒字が減る公算が高い。民間の設備投資や公共投資を合わせた固定資産投資は前年比25.7%の高い伸び。地域別では都市部の伸びが農村より9.2ポイント高く27.2%。消費者物価の上昇率は前年比1.8%。高成長にも関わらず物価が殆ど上がらないのはガソリンなどのエネルギー価格を政策的に低く抑えていることに加え、家電製品や自動車の価格が供給過剰で落ちているため。

一方、昨年11月に起こった吉林省の化学工場爆発による汚染物質の河川への流出や、湖南省や重慶市でも工場から有害物質が流出、一連の流出事故は高成長の追求が環境対策を二の次にしている事を暗示している。

中国の農村では1億5千万人の余剰労働力があるとされる厳しい雇用情勢がある。成長の鈍化が農村中心に社会不安を招来、中央政府批判がおこり、政権の基盤を揺るがす事態に陥らぬよう高成長路線を取らざるを得なかったという見方もできる。これからも綱渡りの政策運営を強いられよう。

(日本経済新聞25日夕刊から)