凡凡「趣味の玉手箱」

キーワードは中国です。中国以外のテーマは”趣味の玉手箱にようこそ”で扱っております。

中国人が海鮮を食べ始めた

2006-01-23 21:38:51 | 中国知っ得情報
我が家の食卓には魚が上がることが多い。連れも私も肉は殆どとらず、魚が主体で、刺身はもちろん、煮魚、塩焼きなど好んで食べている。

これまでのように豊富で安い値段の魚を食べることが、この先できるのか、怪しくなってきた。

NHKのクローズアップ現代を見た感想である。

中国では経済成長で人々の生活が豊かになったことと、道路整備などが進み内地への運送インフラが整ってきた等の理由から、このところ海鮮の消費が急拡大しているそうだ。今や中国は世界一の海鮮消費国でシェアは3分の一を占める勢い。もともと、海鮮は高価なもので少し昔はごく一握りの金持ちが食べる食材であったようだ。そのため。中国で海鮮はまだ沿岸部の人が主体で食べているのだが(沿岸部にすむ4億人の人が中国の海鮮市場の70%を占める)、経済成長の進展とともに、これからは9億人の内陸部の人も好んで口にするようになる可能性がある。瀋陽では最近は、川魚の売り場が海の幸で溢れているそうである。

水産業者も抜け目ない。これからますます海鮮市場が拡大してゆくことを見越して、水産工場を建設するとともに、オーストラリアなどから鮑やエビなどを高値で購入し始めている。そして漁獲専用船を多数所有して、東シナ海での操業を始めたという。東シナ海には日中双方が自由に漁獲できる水域があるそうだが、そこに中国船がどっと押し寄せてきた。

日本船が長年培った感とノウハウにより有望な魚域を探し当てると、その日本船を目指して中国船が駆けつけるという構図。日本船は多勢に無勢で、最近では思うように漁獲高が上がらないという。放送では触れなかったがある限度を超えて漁獲すれば将来にわたって漁獲量が減少する懸念も出てくるだろう。(獲りすぎの弊害)

大連にある大連海鮮漁業という中国の会社幹部は、最近、さばの漁獲量が日本一の長崎県の○○(町の名前を忘れました)を訪れて、我が国では規格外で餌用として安くしか取引できない小さな鯖(大きな鯖の単価の約8分の1)に目を付けて、これを大量に、日本の相場の値段よりもはるかに高い値段で買っていったという。長崎県の○○としては、日本人の魚離れの直撃を受けて売上が伸び悩んでいたところにこの話であるから、渡りに船である。

中国が豊かになるのは結構なことであるが、急激な成長が様々なマイナスの影響をもたらす事も事実である。日本は日中間でまた一つ、頭の痛い問題を抱えた。