映画「島の女」
テーマミュージック「いるかに乗った少年」の物憂げな曲をバックに、デロス島、ミコノス島、ポロス島、イドラ島のギリシャの美しい島々が次々に紹介される。
舞台はイドラ島。
ソフィア・ローレン演じるフェドラは弟のニコを進学させるため、海女で生活を営む貧しい娘である。（ヒマワリ主演時より１２年若い）
ある日彼女は海に潜っていて、古代ギリシャの難破船と思われる船とブロンズ像を見つける。像は「いるかに乗った少年」であった。
彼女は恋人のリフに像のことを話し、一儲けしようとアテネに向かう。
アテネでアランラッド扮する考古学者のジム博士に見たことを少し話し、さらに詳しく説明しようとホテルで待ち合わせの約束をする。
ところが、ジム博士が現れないうちに、偶然、美術愛好家にして様々な国で古代遺跡物の不法取引で稼いでいる億万長者のパーマリーに会った。
パーマリーはフェドラに「ジム博士は２時間遅れると電話があった」とだまし、彼女をパーマリーのヨットに誘った。
彼女はパーマリーに誘われるまま、彼のヨットで見たことをすべて話してしまい、ベルギーのレースや高価な腕時計を前金代わりに受け取る。
一方、フェドラに会えなかったジム博士は仕方なくメテオラ修道院の図書館で古代文書を調べる。
古代文書には「少年はワイン色の海に潜った。海神の友の背に乗って、それはブロンズのイルカだった。ペロポネソス半島の沖に我らの宝は沈んだ」とあった。約２０００年前の記録文書である。
ジム博士はフェドラの話しは信憑性があると確信した。
ジム博士を欺くため彼女はパーマリーに言われるまま、彼女がブロンズ像を見つけたのとは異なる場所にジム博士と一緒に何回も潜る。もちろん何も見つけることは出来ない。
しかし、二人は知らず知らずのうちに恋に落ちていた。
ジム博士はニコが“キャビア”を食べているのを不思議に思い、ニコに聞いてみると、ジム博士が潜っていた湾の反対側の湾にヨットがとまっていて、そこにいるおじさんからもらったという。
ジム博士が場所を知ったと察したパーマリーはブロンズ像を洞窟に隠すようにフェドラの恋人のニフに指示し、祭りの日の翌日の夜にリフの船とヨット上でブロンズ像とお金の取引をすることにした。
祭りの夜にブロンズ像を湾に移すことにしたが、ジム博士にさとられぬよう、リフはフェドラにジム博士と一緒に祭りを楽しむよう指示する。
この時フェドラは像を移動する計画についてはリフから知らされていなかった。
リフは祭りが行われている晩にブロンズ像を湾に移動した。
祭りの翌日、恋に落ちたフェドラはジム博士を彼女がブロンズ像を見つけた場所に案内して潜るが、像は祭りの夜に移動されたのであるはずがない。
ジム博士は謀られたと彼女に疑いの眼を向ける。フェドラはニコからリフが呼んでいると聞かされ、彼の船に向かう。彼の船のロープの下にはブロンズ像が縛り付けられていた。
リフはフェドラが変な行動をしないように、フェドラを彼の船に縛り付けて、パーマリーのヨットに向かい、夜にブロンズ像を引き上げパーマリーに手渡す手はずであった。
その夜、ジム博士と政府の役人が乗った監視船はパーマリーのヨットとリフの船を見つけた。
ジム博士はリフの船のロープにブロンズ像が縛られているものと確信し引き上げた。
ところがロープは途中でナイフで切られていた。
実はニコがジム博士からもらった小さなナイフで、姉のフェドラが船に縛られたとき遠くから彼女から目で合図され、そっとニフに気づかれないようにロープを切っておいたのだ。
政府の役人は現行犯としてパーマリーを逮捕しようとしたが拍子抜け、パーマリーを逮捕することは出来なかった。パーマリーはモンテカルロに向かい、フェドラ、ジム博士は島に戻る。
島は誰もいないかのように静寂であった。
そのとき大砲の音がとどろき、「いるかに乗った少年」のブロンズ像を載せた船を少年ニコが先導して、凱旋してきた。
フェドラとジム博士は抱き合いハッピーエンドの幕切れである。
（感想）夏に見るお薦めの映画の一本だ。イドラ島の美しい白い町並み、風光明媚な海の景色、珊瑚礁や熱帯魚の泳ぐ海が印象的だ。ギリシャの島に行ったような開放的気分にさせてくれる映画だ。もちろんソフィア・ローレンの健康なまぶしい肢体や踊りも楽しめる。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=10170
データ
「島の女」
アメリカ １９５８年作品
監督 ジーン・ネグレスコ
女優 ソフィア・ローレン
男優 アランラッド、クリフトン・ウエブ
音楽 「いるかに乗った少年」
ビデオ分類番号：０００３－１