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大器晩成:刻苦勉励する若者への励まし

2006-01-09 09:58:21 | 中国のことわざ
中国のことわざ-92 大器晩成:刻苦勉励する若者への励まし

今日は、成人の日。成人式を迎えられた方おめでとうございます。今は、芽が出なくて苦労されている方もいると思いますが、「“大器晩成”はそんな境遇の方を鼓舞する言葉でもある」と、興膳宏さんは1月8日の日本経済新聞漢字コトバ散策で書かれています。

広辞苑によれば大器晩成は“鐘や鼎(かなえ:食物を煮るのに用いる金属製または土製の容器で普通は3足でできている)のような大きな器は簡単にはできあがらない。人も、大人物は才能の表れるのは遅いが、徐々に大成するものである”とある。

この“大器晩成”は「老子」にあり、その元の言葉は、「大器は晩成し、大音(たいおん)は声希(まれ)に、大象(たいしょう)は形無し」である。“大きな器は完成に時間がかかり、大きな音は聞き取れぬほどかすかで、大きな象(かたち)はその姿が目に映らない”という意味である。

「大器」、「大音」、「大象」は、本来「老子」の説く「道」をたとえているのだという。

「俺は大器晩成型なのだから、今は大いに遊ぶんだ。明日があるさ」では大器晩成もあったものではないと興膳さんは結んでいる。

昔の楚の荘王が即位してから3年間何もしなくて君主たちが心配して忠告した話を聞いておられる方もいるだろう。いわゆる“鳴かず飛ばず”の故事で有名な話である。実は荘王は3年間全く何もしなかったわけではなく、密かに内外の情勢を観察して、自己の方針を模索していたのだという。やがて荘王は楚国を覇者にまで押し上げた。彼もまた大器晩成型の人間といえるのではないでしょうか。

出典:広辞苑、日本経済新聞1月8日漢字コトバ散策
http://blogs.yahoo.co.jp/moguma1338/9001975.html