凡凡「趣味の玉手箱」

キーワードは中国です。中国以外のテーマは”趣味の玉手箱にようこそ”で扱っております。

背水の陣

2005-09-30 09:16:46 | 中国のことわざ
中国のことわざ-56 背水の陣

一歩も退く事のできない絶体絶命の立場。失敗すれば再起はできないことを覚悟して全力を尽くして事に当たること。

川を背にして戦うことは、逃げ道を絶つことになり、兵は必死の覚悟で戦う。漢の韓信が兵力で上回る敵である趙を前にして選んだ戦術である。「背水の陣をしく」という言葉は、以来、この故事を元に生まれたもの。

もっとも、この考えは韓信の独創ではない。兵を死地、窮地に置けとは、『孫子』『呉子』の説くところであり、「背水の陣」については『尉繚子』にもふれている。


出典:「十八史略Ⅱ 権力の構図:徳間書店、市川宏、竹内良雄訳、1986年12月七刷」、広辞苑、

背水の陣

2005-09-30 09:15:38 | 十八史略を読む Ⅱ
十八史略を読むⅡ-50 楚漢の戦い-項羽と劉邦-22 背水の陣

「十八史略Ⅱ 権力の構図:徳間書店、市川宏、竹内良雄訳、1986年12月七刷」から

韓信・張耳の漢軍はまず対趙作戦を開始、全兵力を井(せい)けい口(こう)に向け進めようとした。迎え撃つ趙軍の指揮者は趙王と西安君陳余である。

陳余の軍師李左車が、迎撃作戦を陳余に進言した。「井けい口からの道は戦車1台しか通れない隘路(あいろ)で,騎馬も隊列が組めないところです。是非奇襲隊を与えていただきたい。間道から撃って出て敵の本体をバラバラにすることができます。あなたは城の守りを固め撃って出ては行けません」と。

ところが、陳余は儒者であって、かねて義にかなった戦い方を主張している人物なのでこのような策は用いようとはしなかった。

韓信は間者からこの顛末を知らされると、内心ほくそ笑んだ。早速、全軍が大いばりで井けい口の隘路を通り、井けい口の手前まで来て宿営する。そして真夜中、韓信は騎兵2鮮明にそれぞれ漢の赤旗を持たせて、間道づたいに出発させ、これを趙軍の目と鼻の先に待機させ、次のように命令した。

「夜が明けて、わが本隊を発見すれば、趙軍はきっと城を空にして出てくるだろう。その際に乗じて、すばやく城に入って趙の旗を抜き、漢の赤旗を立てるのだぞ」
一方、本隊は河を背にして陣をしいた。

翌朝、韓信は、大将の旗、太鼓を先頭に、井けい口の陣から太鼓を鳴らして撃って出た。趙軍は城門を開いてこれを迎え撃つ。暫く互角に戦ったあと、韓信、長耳はわざと太鼓、旗を捨て、河岸の陣めざして退却した。

趙軍はそれとばかり、全軍が追撃に移った。河を背にした漢軍は、全員が決死の覚悟で防戦する。趙軍は敵の大将を取り損ない、ひとまず矛を収めて城に戻ろうとした。

ところが、見れば、城壁には漢軍の赤旗が立っているではないか。驚いた趙軍は、列を乱して逃げまどう。そこへ、前後から漢軍が襲いかかって挟み撃ち、さんざんに趙軍を蹴散らし、陳余を血祭りにあげ、趙王を生け捕りにするという大勝利を博した。

戦いが終わり、祝賀の席上、諸将は韓信に口々にたずねた。「兵法には、布陣の要諦として、山や丘は右または後ろにし、河や湖沼は左または前にするとあります。にもかかわらず、今回の戦いは河を背にして勝利を得ました。これはどうしてでしょうか」

「ごもっとも。しかし、兵法はこうも教えています。質に陥り窮地に身を置いてこそ、生存の道が開けると」

一同、なるほどと感心した。

さて韓信は、趙の名軍師李左車を賞金付きで捜した。捕まえるとその縄をほどいて、燕攻略について教えを乞うた。彼の策を用い、弁舌巧みなものを選んで、燕に降伏勧告の手紙を持たせたところ、燕は漢を恐れ、草がかぜになびくように降伏勧告を受け入れた。


胡錦濤主席の9月3日の演説

2005-09-29 17:21:22 | 中国知っ得情報
漫画中国入門で南京大虐殺の部分を読んだが、これに関連すると思われる興味深い記事が目に留まった。毎日新聞9月29日夕刊の金子秀敏論説委員が執筆されている「早い話が」の記事である。

「抗日戦勝60周年記念」の演説で「抗日戦争の主役が国民党軍、脇役が共産党軍」という新しい歴史解釈を述べ、さらに「日本が台湾を侵略占拠していた50年間、台湾同胞は絶えず反抗し、65万人が犠牲になった」と演説した。

ここで金子氏が疑問視しているのは65万人という数字である。大江志乃夫氏は「日本植民地探訪」(新潮選書)で初期の「台湾征服戦争」による台湾側の死者を1万7千人、その後の「匪賊討伐」などで死刑を含み1万1946人と推定している。また、先住民の反乱「霧社(むしゃ)事件」では644人が死亡したという。

しかし、植民統治を通じた犠牲者の総数は見あたらないという。台湾の知人に聞かれても「学校で習った記憶がない」のだという。どうも台湾の公式数字ではなさそうである。

しかし中国では国家主席の演説を疑う人はいないだろう。65万人は定説となるに違いないと結んでいる。

これからは私の意見だが、歴史を専門とする方は南京大虐殺の30万人(中国の公式数字)といい、台湾での日本軍による犠牲者数などこのような数字が出たときにきちんと反論できるようにもっとデータを取りそろえておく必要があるのではないか。日本の国益を守るためにも。



マンガ中国入門から南京大虐殺

2005-09-29 17:19:27 | 読書備忘録
漫画:ジョージ秋山、監修:黄文雄、マンガ中国入門 やっかいな隣人の研究、飛鳥新書(2005年8月15日発行)から

第3章中国政府反日の歴史は第1章日中文化摩擦と文明衝突,第2章中国人民反日の狂奔と比べると文字が多く、1,2章を読み、漫画になれた私には少し読みづらかった。ここでは南京虐殺に関するところだけピックアップしてみた。著者らが主張することが正しいのかは南京を訪れたことのない自分にはわからないが、靖国参拝などを論じる上で重要なポイントであることには間違いなかろう。

15 戦後中国最大のヒット作「南京大虐殺」:この南京大虐殺に関しては、日本人が100万人とも言われる中国人を南京で殺したと言うくらいのことしか知らなかった。南京には「大虐殺歴史記念館」が作られ、日本の高校生が修学旅行で訪れる際にははずせない観光スポットだそうだ。日本の歴史教科書にも必ず「大虐殺」の記述がある。では、南京大虐殺は本当にあったのかというと、肯定する人と否定する人とがいて、確証はまだないのだという。肯定派の中に「百万人大虐殺」説があるそうだ。しかし本著では当時の南京の人口が20万人で、日本人が南京に入城したあとはなぜか人口が30万人に増加していた。この虐殺の数の矛盾を巡り中国共産党は協議の結果「30万人以上」と決めた。2005年8月15日には終戦60周年を迎え「大虐殺歴史記念館」ではさらなる内容の充実を図ったという。そして、ユネスコに世界遺産の申請をしようとする動きまであるという。

16 南京大虐殺はでっちあげ(説もある):南京大虐殺の歴史(①梁の武帝の晩年百万人いた市民が6万人しか残らなかった②1851-1864の太平天国崩壊時の虐殺・暴行・略奪)2005年のベストセラー「東中野修道他南京事件『証拠写真を検証する』(集英社)」には3万枚余りの写真を3年がかりで分析した結果南京事件のものとして使用されている143枚の写真はすべて合成や捏造された偽物と判明。なお東中野修道氏は南京学会会長。中国では歴代王朝が交代するたびに都での兵士による城民の大虐殺と市民による共食いが繰り返されてきた。中国では大量の人骨が出土した場合万人坑(塚)として騒がれる。万人坑についての記述は「春秋左氏伝」「呂氏春秋」など多くの中国古典にある。万人坑が発掘されるたびになぜか日本人大虐殺の証拠だとして大々的に報道されるそして日本糾弾のため記念館が建設されるがその証拠はないと著者ら(ジョージ秋山氏と黄文雄氏)は言う。

17 細菌兵器(BC兵器)の被害者は中国人ではなく日本軍だった:「731部隊」は日本軍の残虐性を示すシンボルとなり、そのイメージは一人歩き。この部隊は1936年から45年にかけて毒ガス爆弾やペストコレラチフス炭疽菌などの細菌兵器を研究・製造し3000人以上もの中国人ロシア人朝鮮人モンゴル人などを施設に連行し生体実験を行って殺した。また細菌を散布して何百万人の中国人の命を奪った、そして敗戦時には研究データや資料を焼却して証拠を隠滅したと言われている。しかし「731部隊」によるBC攻撃は本当にあったのだろうかと著者らはいぶかる。もともと化学兵器や細菌兵器は中国の宮廷内での闘争によく使われていた政敵を毒殺する中国伝統文化の一つ。中国は日中戦争時もコレラ菌炭疽菌腸チフス菌パラチフス菌などを使用し日本軍は細菌感染者が続出。これに対する日本軍は中国軍のBC兵器工場や研究所を攻撃しこれを没収、同時に細菌研究を始める。1981年森村誠一著「悪魔の飽食」(カッパノヴェルズ)発売、確たる証拠がないにも関わらずこの本によって幻の悪行が一人歩きしたのだという。

(つづく)


中国ネット管理規定を公布

2005-09-29 11:41:52 | 中国知っ得情報
毎日新聞9月29日朝刊から。中国国務院(政府)新聞弁公室はインターネット上でニュースを提供する企業の設立条件や審査・法的責任などを定めた「ネットニュースサービス管理規定」を公布し、施行した。

今春、中国各地で起きた反日デモへの参加呼びかけがネットを中心に行われたことも踏まえ法律化した。ネットが社会不安を増幅する可能性があるとする当局の警戒感の表れと言える。

この法律には「非合法の集会、結社、デモ」に関する情報を流すことを禁じている。因みに中国のネット利用者は今年6月末の統計で、前年同期比の18%増の1億30万人となったという。


乳臭いやつ

2005-09-29 06:01:36 | 十八史略を読む Ⅱ

十八史略を読むⅡ-49 楚漢の戦い-項羽と劉邦-21 乳臭いやつ

安邑近辺の地図は学習研究社刊の「項羽と劉邦下巻」(1993年発行)からとったものです。
「十八史略Ⅱ 権力の構図:徳間書店、市川宏、竹内良雄訳、1986年12月七刷」から

彭城攻撃に加わった五諸侯の一人である魏王豹は、漢側が不利と見て漢を裏切り、兵を引き上げた。

漢王は韓信に魏攻撃を命じた。豹は柏直(はくちょく)を総大将にして、韓信の軍を迎え撃った。

これを聞いて漢王は「柏直ごときこわっぱ、まだ口に乳のにおいが残っておろうぞ。韓信にとってものの数ではない」

韓信は隠密裏に兵を移動させ、夏陽県(かようけん)から魏に向け進撃した。瓶を使い、浮橋を作って河を渡り、対岸の安邑(あんゆう)を奇襲、またたく間に豹を捕虜にしてしまった。

韓信は魏平定後、使者を漢王に送って、新たな作戦計画を提案した。「私に兵3万をお任せ下さい。この兵で、北は燕、趙を平らげ、東は斉を攻略し、南は楚の補給路を遮断し、さらに西に向かって、けい陽で大王と再会したいと存じます」

漢王は張耳(ちょうじ)を派遣し、二人で攻略するよう命じた。



マンガ中国入門 やっかいな隣人の研究-その1

2005-09-28 17:20:14 | 読書備忘録
マンガ中国入門 やっかいな隣人の研究-その1

漫画:ジョージ秋山、監修:黄文雄、飛鳥新書(2005年8月15日発行)

漫画ですが中国を手っ取り早く知りたいという方にお勧めの書と思います。漫画家の秋山ジョージ氏が難しいテーマを非常にわかりやすく描いています。

全部で65の日本に関連する事項を取り上げ一つ一つについてわかりやすく解説を入れています。それらの事項のいくつかを何回かに分けて紹介しましょう。

1 日本最南端の沖の鳥島での中国違法調査船出没(2002年2月、03年10月、04年7月):中国が台湾に軍事侵攻する際のアメリカの軍事介入に備えて行ったのではないか?

2 尖閣諸島の次は沖縄も中国の領土だと主張:尖閣諸島は東シナ海に浮かぶ八つの島の総称で最大の島が魚釣り島。現在は無人島だ昔はそこに鰹節工場などがあり、日本人が200人余り住んでいた。1965年の海洋調査で周辺海域には豊富な油田が埋蔵されている可能性が大となった。中国は魚釣島が中国の領土だと何の歴史的根拠もないことを言いだした。中国の根拠は「ほらほれみろここに記録があるではないか」と古代の記録を持ってくる。その論理を振りかざし、南シナ海、台湾、琉球もいにしえの中国に属すると主張する。だが、中国は伝統的な大陸国家であり、海は古代から暗黒の世界と考えられてきた。大陸から外海にでたものは自ら皇民を放棄した民と見なされ、一族誅殺の場合もあったという。

3 中国が台湾の李昇輝を決して許さないわけ:尖閣諸島の領土は沖縄に帰属していると発言したこと。台湾の次は琉球返還だとの主張は年々強まっている。

4 海禁の国、中国がついに海洋に進出:理由は①食糧確保(漁業)②エネルギー不足③台湾への侵攻に備える④アメリカと世界覇権を競争するための四つの理由から

5日本の海底資源が危ない:04年11月10日青島にある中国原子力潜水艦が日本領海に侵入、04年だけで日本の排他的経済水域で中国による違法な海洋調査が34件もあった。中国は日本の排他的経済水域に眠る海底資源をストロー方式で吸い取ろうとしている。

6 日本の主権を侵害した北朝鮮からの脱北者家族五人が日本総領事館に駆け込み中国の警察に強行連行された瀋陽総領事館事件:外交規範を踏みにじった非人道的行為を認めてしまった日本外務省の情けなさ。中国からの謝罪はなく五人の脱北者を第3国に出国させることで事件はうやむやに。

7 広東省珠海市を慰安旅行で訪れていた日本人団体客による集団売春。:このニュースは中国人の格好のネタとなり、中国で再び反日の気運が高まった。インターネットでは淫践的日本人(淫乱で賤しい日本人)はくたばれ等の書き込みがあった。珠海市は海外にも名高い売春の名所。そして中国は売春超大国として知られる。売春婦が600万人~3000万人とも。売春による収入は中国GDPの10%に相当すると推測(本当??)この事件は中国国内での日本人客を巡るライバル旅行会社等が結託して暴露したとの見方も。

8 西安市西北大学で開かれた文学の夕べという学芸会で日本人教師一人と留学生3人が「これが中国人だ」と書かれた札を首からかけて、赤いブラジャーを着けて踊り、ブラジャーの中に仕込んだ紙くずをまき散らした卑猥な寸劇事件:留学生らが中国人を侮辱したと一夜明けてデモが起こり、暴徒化し、寸劇とは関係のない日本人留学生が負傷。札には「日本」「中国」「友好」の文字とハートマーク書かれ、日本人当事者に因れば日中友好の気持ちを示そうとしたそうだ。事実西北大学の学長も留学生に中国人を侮辱する意図はなかったと述べた。中国政府は事件の裏で反日騒ぎをあおったのは中国共産党青年団であると知っていたようだが何のコメントもしなかった。中国では都市と地方の生活格差が開いており中央政府に民の不満がぶつけられることを嫌がっている。不満の矛先を日本に向けさせようと言う意図は否定できない。

9 トヨタ自動車の受難:「プラド」に路傍の石造りの獅子増が右手を挙げて敬礼するという広告デザイン。獅子は中国の象徴出丸で日本人に敬礼しているように見える:日本製品の不買運動につながった。トヨタは公式に謝罪。だが、広告の代理店もデザイナーも中国人だった。日本企業が経営活動を中国で行うことの難しさを象徴する事件であった。

10 会社名変更まで強要する中国:「大日本インキ」は「大日本帝国」を「昭和製紙」は昭和時代の日本の侵略を、西安で開店した「武蔵丸」という店は戦艦「武蔵」を思い起こさせると中国のマスコミから避難され、群衆から抗議殺到。店は閉店に追い込まれた。店名は横綱の「武蔵丸」からとったものだった。

11 サッカーアジアカップでの反日騒動:04年7月31日日本対ヨルダン戦が重慶で開催された。観客席では反日分子による場外戦が繰り広げられた。試合とは全く関係ない怒号が響いた:日本のマスコミはこの騒動の原因は「過去の中国侵略」だけでなく小泉主将の靖国参拝だと主張した。中国人観衆によるブーイングはスポーツ精神を著しく損なうものと世界的に避難された。極めつけは試合後に駐北京公使の車を群衆が襲い後部ガラスを叩き割り公使を危険な目に遭わせたこと

12 すでに「反日」でなく「仇日」に:ジーコ監督が記者会見を開いたとき、中国側報道陣が「台湾問題をどう思うか」と質問、ジーコさん唖然。実は日本サッカー協会発行の小冊子で地図に中国と台湾の色が同じに塗られてなかった。中国はこれに激しく抗議、「日本の安全は保証できない」と日本を脅した。中国は中国人が騒ぐのは日本人がその原因を作るからだと。08年の北京オリンピックは大丈夫だろうか?

13 インターネット世代の反日:それはもう辛辣、日本人は劣等民族、日本民族を消滅させよ、日本列島を占拠せよ、大和民族を殺せなどなど

14 「日本人は残酷」というイメージを抱く中国の若者:中国の青少年は殆ど日本に来たことがない上に日本のことも何も知らないのになぜ、こういうイメージを持つのか?それは、すべて政府の反日教育、仇日教育が根本にある。

第二章の部分までです(つづく)


覆水盆に返らず

2005-09-28 13:34:49 | 中国のことわざ
中国のことわざ-55 覆水盆に返らず

毎日新聞9月28日朝刊に郵政民営化法案を巡り分裂した自民党伊吹派が初会合を郵政民営化に反対した造反組にも参加を呼びかけて、初会合を開いたそうである。

かつての同志にも伊吹派への衣替えについて理解を得る目的であったが、造反組を先導して党を追われた亀井静香元政調会長(現国民新党)への同情論が噴出するなど前途多難な新体制を印象づけたという。この日は平沢赳夫前経済産業大臣ら造反組十数人も出席し、意見交換したが、島村宣伸前農林大臣が衣替えに激しく異を唱えた。

この記事の見出しが覆水盆に返らずである。昔同じ派閥で苦労を共にしたものの郵政民営化法案への対応を巡り分裂した関係の修復は難しいようである。

この「覆水盆に返らず」を広辞苑で調べてみた。

周の呂尚(太公望)が読書に耽ったので、妻が離縁を求めて去った。後に呂尚が斉に封ぜられると妻が再婚を求めてきたが、呂尚は盆を傾けて水をこぼし、その水をもとのように返せばその請いを受け入れようと言ったという故事から出た成語である。

その意味は以下の通りである。
① いったん離別した夫婦の仲は元通りにならないことに言う
② 転じて、一度してしまったことは取り返しがつかないことに言う。

(出典)広辞苑、毎日新聞9月28日朝刊


命も脅かす偽物天国

2005-09-28 08:23:49 | 中国知っ得情報
読売新聞9月28日朝刊の記事である。中国ではCD、映像ソフト、食品そして自動車用部品など広範囲に偽物が出回っている。中国政府機関の調べでは中国の偽物市場は01年1500億元日本円にして約2兆2400億円~2兆8千億円に上るという。この数字は中国の01年のGDPの約2%にあたるという。

偽物がこれだけ横行する背景として北京の消息筋は権力と企業が密着し、地元利益が優先される地方では偽物が黙認されやすいという。

この記事で驚いたのは昨年鳥インフルエンザが流行った際に飛ぶように売れたワクチンに偽物が混じり鳥がばたばた死んだ、工業用メタノールで作った「酒」による落命、薬害が後を絶たないこと、タンパク質成分が僅か3~4%の粉ミルクを飲のんで中国各地で頭だけが異常に発達し、手足がやせ細った重度栄養不良総合症に次々に現れたことなど。

偽札の横行も後を絶たない。中国政府も罰則を強化するなど取り締まりに躍起だがなかなか効果が出ないようである。

中国での買い物、特に常識的な値段と比べて相当廉価なものには十分に注意した方がよいだろう。