十八史略を読む-Ⅲ-67 劉備臨終の場で
「十八史略 Ⅲ 梟雄の系譜 :徳間書店、奥平卓、和田武司訳、1987年7月七刷」から
劉備臨終の際、劉備は諸葛亮を呼んで後事を託した。
「君の才能は魏の曹丕などよりは10倍優れている。きっと国を安泰にして、天下統一の悲願を達成することができよう。太子の禅が見込みがあるならば、補佐してやってくれ。だがその器量がないとわかったら、君自身が天下を取ったらよい」
諸葛亮は、はらはらと落涙して、
「何をおっしゃいますか。私は股肱の臣として尽くす所存。臣下として忠節をつくし、一命を投げ出しても、太子をお守りしますぞ」
帝の死後、諸葛亮は、行政機構を簡素化し、法制を厳しくして、群臣に訓示した。
「参署の官とは、衆知を集めて国益を増進するための制度である。上役や同僚に気兼ねして、問題を徹底的に検討しようとしないならば、事なかれ主義に陥って、国益が損なわれるであろう」
対外面では、使者を呉に派遣して、新たに修好関係を結ぶことにした。その使者に立った“とうし”は呉王にまみえてこう説いた。
「蜀には、二重の要害があり、呉には三江の険があります。もし両国が唇と歯の関係になれば、進んでは天下を併合できますし、退いては鼎の足のように三国が並び立つことができます」
呉は魏と断交して、蜀との関係を深めた。
*劉備が臨終にのぞんで諸葛亮を呼んで後事を託したこの場面は有名ですね。
「十八史略 Ⅲ 梟雄の系譜 :徳間書店、奥平卓、和田武司訳、1987年7月七刷」から
劉備臨終の際、劉備は諸葛亮を呼んで後事を託した。
「君の才能は魏の曹丕などよりは10倍優れている。きっと国を安泰にして、天下統一の悲願を達成することができよう。太子の禅が見込みがあるならば、補佐してやってくれ。だがその器量がないとわかったら、君自身が天下を取ったらよい」
諸葛亮は、はらはらと落涙して、
「何をおっしゃいますか。私は股肱の臣として尽くす所存。臣下として忠節をつくし、一命を投げ出しても、太子をお守りしますぞ」
帝の死後、諸葛亮は、行政機構を簡素化し、法制を厳しくして、群臣に訓示した。
「参署の官とは、衆知を集めて国益を増進するための制度である。上役や同僚に気兼ねして、問題を徹底的に検討しようとしないならば、事なかれ主義に陥って、国益が損なわれるであろう」
対外面では、使者を呉に派遣して、新たに修好関係を結ぶことにした。その使者に立った“とうし”は呉王にまみえてこう説いた。
「蜀には、二重の要害があり、呉には三江の険があります。もし両国が唇と歯の関係になれば、進んでは天下を併合できますし、退いては鼎の足のように三国が並び立つことができます」
呉は魏と断交して、蜀との関係を深めた。
*劉備が臨終にのぞんで諸葛亮を呼んで後事を託したこの場面は有名ですね。