MOBU'S MUSIC MAZE

音楽のこと好きなことなどよしなにほどほどに・・・

篠崎靖男指揮ケープタウン・フィルハーモニック管弦楽団演奏会

2020-11-01 21:23:17 | 音楽夜話(クラシック)


篠崎靖男指揮ケープタウン・フィルハーモニック管弦楽団演奏会




03:00-05:00 20.00-22.00 FineMusicRadio


ニールセン:歌劇「仮面舞踏会」 FS.129~序曲
サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番 ト短調 op.22
ホルスト:組曲「惑星」 op.32
ジョナサン・オシュリー Jonathan Oshry(ピアノ)


ジョナサン・オシュリーHP
http://www.joshry.com/ 


篠崎靖男指揮ケープタウン・フィルハーモニック管弦楽団
2004年5月29日 ケープタウン、シティ・ホール


Business Journal > 連載 > 篠崎靖男「世界を渡り歩いた指揮者の目」
https://biz-journal.jp/category/series/cat285
2016年から、ブログ記事を連載で掲載されている。
世界を客演で飛び回りながら仕入れた話題を書く。


渡邊一正氏は2つ上1966年まれ。下野竜也氏は1つ年下1969年生まれ。


篠崎氏は現在53歳。指揮者のポストは少ない。近い年齢の国内の指揮者を探すのは
ちょっと面倒。海外だとオリ・ムストネン、アラン・ギルバートあたりが、1つ上。


楽団の数だけといっても、プロで全世界にいくつのオケがあるかわからないけれど
メジャーでなおかつ常任もしくは音楽監督などの位置を得ている指揮者は
それ程いるわけではない。後は、客演などで、国内や、世界を飛び回り、仕事をしながら
経験を積み、そこの楽団から信頼を得て腰が据えられればいいが、それも終生と
いう雇用ではない。ミツバチのように飛び回らなければならない。
その意味では、ブロムシュテット氏などは強靭な生命力と共に、すごいの一言に
尽きてしまう。




昔、60代で指揮者は新人みたいなこと言われ、巨匠と呼ばれるためにはそれから
幾多の経験を積み、晩年になって言われるかどうかという世界。
健康に陰りがでて、次のポストをとなってやっとその次の候補者が出るという世界。
人余りが出る。しかしながら、指揮者と呼ばれる方は多いと思う。
国内だけでなく、海外にも日本人指揮者が活動している。
篠崎氏もその一人だ。


今回のコンサートは、2004年と収録は古い。36歳の時のもの。
ニールセンの仮面舞踏会序曲は、彼の作品の中ではよく演奏される1曲
のようで、晴れやかな一曲。
途中で、舞踏会を想起させる3拍子の部分があったり最後は盛り上がって
終わり、幕が開くワクワク感を持たせてくれる曲。つかみはOKというところか。


サン・サーンスのピアノ協奏曲は5曲あるけれど、2番は初めて聴く。
ピアノ・ソロから入っていく曲。何やら難しそう。


途中、木管とピアノとか、ピアノのきらきらした部分はショパンを思い起こさせる。
ピアノソロの部分も多く、協奏的というより、ピアノと管弦楽のためのという感じもする。


ピアニストのオシュリーは、この曲を完全に手の内にしているようで、安定した演奏を
展開しています。3楽章になって協奏感が増して、テンションも上がります。
卓越した技術と音楽観でこの曲をまとめています。オケも指揮者もこの曲に集中して
ピアニストをサポートしています。終楽章はプレストで演奏されます。
最後は、ト短調の和音を叩きつけるように激しく終わり、会場も盛り上がりました。


ホルスト「惑星」
火星、戦争(戦い)をもたらす者
テンポも少し遅く重量感を持たせて、ブラスも鳴らしている。
ダイナミックな演奏にもっていっている。会場がライブなのか、残響も多め。
それもプラスの効果か。最後はゆっくり重く和音を打ち付け印象的に終わる。


金星、平和をもたらす者
うって変わって、おだやかに進む金星。刺激がなく、ホルストのイメージした
「平和」とはこんな感じだったのかと改めて思った。


水星、翼のある使者
木管が細かく動き、揺らぐようなイメージがある。
繰り返し演奏されるイメージは確定していく。


木星、快楽をもたらす者
表情の変化もしっかりあり、愛国的な賛歌の旋律もしっかり把握しており、
私的には満足です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
このコンサートの収録について。


海王星 神秘主義者
なぜか木星の後に演奏されていた。無音になって短いポーズがあって、
拍手が来ているところから、もしかすると編集して曲順変えたかも。
なぜその必要があったか。?
だれの指示だったのだろう・・・。


ホルスト自体曲のことについてはかなり厳しい規制をかけてたと聞く。
拍手はフェードアウトされ、一呼吸おいて次の曲が始まる。


天王星、魔術師
全体的にカロリー高く演奏されている。デュカスの「魔法使いの弟子」に
インスパイアされたという。確かに言われてみればそうかなとも思う。
その意味では、よく魔術師のイメージは沸きやすいかも。
緩急つけていて面白い。


土星
決め所は渋い演奏だった。これをラストにもっていく
必然はわからないけれど、渋い演奏だったことは確かで、
何か伝わるものはあった。


ホルストは規制は緩くなったものの、こういうシンメトリカルな
手法はOKしただろうか。
普段聴きなれた曲順というのは必然があるからそうしているわけで、
演奏がいいだけにある意味残念な部分ではある。
このような演奏は長い間色々聴いてきたが初めての体験。




「押し出しのある熱気を持つ棒」(音楽現代)評。
篠崎靖男HP http://www.yasuoshinozaki.com/



コメントを投稿