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フランス国立管弦楽団演奏会2018

2019-12-13 09:27:44 | 音楽夜話(クラシック)
Orchestre National de France
Leitung: Emmanuel Krivine
Solist: Evgeny Kissin, Klavier

1Richard Strauss: "Don Juan", op. 20;
「ドン・ファン」リヒャルト・シュトラウスはほとんど聴かないなぁ。
ツァラトゥストラの冒頭とか・・・。これもさらさら流れてしまい、
あまり耳に残らなかった。
音響的には上手いところついているのかもしれない。
きっとクリヴィヌはそういう指揮者なのかもしれない。
フランスのオーケストラということもあり、音色も長けているようだし。

2Franz Liszt: Klavierkonzert Nr. 1 Es-Dur;
ブーニンがコンクール優勝後、破竹の人気でブームを作り
その後停滞したけれど、ロシアの後進は別格で育って行った。
現在48歳。名教師の師事もなく、コンクール歴もまた。
それでいて、録音数は多く、コンサートもこなし、活発に
活動を行っている。ある意味キーシンはブーニンの後発だったが
足を地に付けて伸びていった感がある。
リストの協奏曲も全く不安なところなく弾き切っている。

リストの協奏曲はほとんど聴いたことがなかったけれど、
キーシンにとっては、レパートリーの一つなのだろうけれど、
ある意味逸材。説得力があり、この様な華やかなフィナーレを
持つ曲だと、指揮者オーケストラとの相性もいいようで、
聴いていてある種の爽快感さえある。

アンコール
1キーシン「タンゴ・ドデカフォニック」
2ショパン「三つのワルツから変ニ長調(仔犬のワルツ)」
3スクリャービン「エチュード作品2第1番嬰ハ短調」

自分の演奏会ではないけれど、アンコールサービスも充実している。
キーシンの自作でタンゴのリズムに乗って、不協和音を含む旋律が
展開される。このように、アドリブというか、クラシック曲のアンコール
だけでない自作の幅を持っているというのも音楽の深みがありそう。
そこで耳を掴んで、盛り上がって終わるものの、2曲目の子犬のワルツで、
くすぐりを入れ3曲目のスクリャービンで〆る。
まるでミニ・コンサートを展開している様で、序論本論結論みたいな
展開が仕組まれている感じさえする。大したもの。
たぶん、キーシンの株はここでも上がっている。

3Johannes Brahms: Symphonie Nr. 1 c-Moll
流麗なブラームス。さらさらと流れてしまう。行きつ戻りつでなく常に前進というような。
ブラームス的な影はあまり見られず、音響的な魅力で聴かせてしまうというか、
精神性とかいう世界の演奏でない。これはいい悪いではなく、音楽表現の上では
正解はないのかも。フランス本国の演奏会で、フランスの指揮者と楽団では、
これでよかったのかもしれない。

Aufnahme vom 22. September 2018 im Theatre des Champs-Elysees, Paris
パリ、シャンゼリゼ劇場2018年9月22日

バイエルン放送協会ネットラジオ  Panorama 12・12






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