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ハッブルの5倍鮮明! ジェームズ・ウェッブをも凌駕する宇宙望遠鏡が発表

2015年08月13日 | 宇宙 space
ハッブル宇宙望遠鏡の5倍鮮明で、
次世代宇宙望遠鏡ジェームズ・ウェッブも凌駕するという、
新しい宇宙望遠鏡が発表されたんですねー
高解像度望遠鏡“HDST”で見たと仮定した画像(右)。
ハッブル宇宙望遠鏡(左)に比べて、100億光年先にある銀河が、
おどろくほど詳細に見える。

この新しい望遠鏡は高解像度宇宙望遠鏡“HDST”と呼ばれ、
2030年代初頭には実用化されるそうです。

地球から160万キロの距離に設置され、
54個の独立した鏡が組み合わさった鏡の面積は、
なんと、ハッブル宇宙望遠鏡の25倍。

この大きさは、
  地球に似た太陽系外惑星で生命の痕跡探し
  銀河誕生の謎の究明
  太陽系の秘密をより詳細に研究
といった観測に十分に貢献できる大きさだそうです。

さらに、この望遠鏡は、
圧倒的な美しさを誇るハッブル宇宙望遠鏡の画像をはるかに越える、
驚愕の高解像度画像を提供してくれるそうです。
ハッブル宇宙望遠鏡ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡


地球外生命の探査も簡単になる?

生命が存在する可能性のある地球型惑星を探す望遠鏡には、
ごく弱い光しか出さない目当ての惑星を、
その付近にある星々と、きちんと区別して認識できる性能が必要になります。

でも、ハッブルやジェームズ・ウェッブ望遠鏡では、
こうした光は互いに融合して見えてしまいます。

これは、遠くから近づいてくる車のヘッドライトが、
ひとつの光源から出ているように見えるのと同じことなんですねー

ただ、大きい鏡があれば、それだけ解像度も高くなり、
画像をぼやけさせる大気のない宇宙空間では、
特に鮮明な画像が得られることになります。

また、目当ての惑星の主星(地球における太陽のような存在)の光を、
さえぎることも重要になります。

主星の明るさは、付近の惑星の弱い光を圧倒してしまうからです。

この問題を解決するため、
“HDST”には、主星の光をさえぎる装置“コロナグラフ”が装備されます。

飛行機を見上げるときに、
手で太陽光をさえぎるのと同様の役割を果たすそうです。

こうした性能をすべて備えれば、
おそらく地球から100光年以内に、何十という数の地球型惑星を発見できそうです。

そして“HDST”は地球型惑星の大気をスキャンして、
生物活動の痕跡を探ることになります。

たとえば、酸素は非常に反応しやすい分子で、
生物活動によって絶えず補充され続けない限り、
ほかの分子とすばやく結合してしまいます。

なので、大気中に酸素が存在すれば、大いに期待が持てる兆候になるんですねー


銀河の進化や太陽系外延部の観測

銀河の形成や進化を研究するには、
紫外線に対して、感度が高いことも重要になります。

それは、紫外線画像を見ることができれば、
銀河の間に宇宙のクモの巣のように存在するガスが観測できるからです。

そのガスの観測が、
近傍の何百という銀河の進化過程の研究に貢献できるかもしれません。

また“HDST”は、
こうした銀河に含まれる太陽程度の大きさの星を個々に観測できます。

なので、ガスと星の両方のデータがあれば、
様々なタイプの銀河における完璧な進化のシナリオを、
手に入れることができそうです。

いっぽうで“HDS”は、太陽系外延部の観測にも活躍してくれそうです。

さらに、天王星や海王星といった太陽系惑星の連続写真も撮影可能になります。

また、海王星軌道の外側にある天体が多い領域であるカイパーベルト内の、
エリス、ハウメア、マケマケ、クアオアといった大きな天体についても、
詳細な画像が得られるようになるそうです。

ただ、望遠鏡の開発には莫大なお金がかかるんですねー

ジェームズ・ウェッブ望遠鏡の場合、
当初5億ドルの予算で建設が始められたのですが、
最終的な費用は10倍以上に膨れ上がっています。

予算オーバーの原因は、主に新技術開発にともなうもので、
このとき生み出された技術の多くは“HDST”にも引き継げるのですが、
今回“HDST”の具体的な見積もりは出していないそうです。


こちらの記事もどうぞ ⇒ 宇宙の過去を探る史上最強の望遠鏡!


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