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福岡県宗像市在住、井上正文のブログです。

Back to Basics(基本に返ろう)

2008年02月16日 | 大会・対談・取材・講演・研修など
2月9日(土)、福岡市電気ビルで開催されたロータリークラブの会議「2007~2008年度 RI 第2700地区 第4グループ インターシティ・ミーティング」(写真下)に出席。

 

ロータリークラブ(RC)はJC(青年会議所)と同じように、単年度組織制(厳密には違うのかもしれませんが、会長職の任期は1年間です)で、年度は7月から代わります。それで本年度は“2007~2008年度”となります。

RIはRotary Internationalの略で日本語では「国際ロータリー」と称します。
その国際ロータリーの第2700地区というのが福岡全域・鳥栖・壱岐/対馬のエリアで、この2700地区の第4グループに宗像ロータリークラブ(宗像RC)は属しています。

第4グループは福岡RC・福岡南RC・福岡東RC・太宰府RC・福岡城南RC・宗像RC・対馬RC・福岡平成RC・福岡東南RCの9クラブで構成されており、今回の「インターシティ・ミーティング(IM:都市連合会)」は9クラブ合同の会議でした。

 

今回のIMの基調講演、2700地区パストガバナーの廣畑富雄氏(写真上)による『ロータリーの魅力と将来への展望』はとても興味深い内容でした。
以下は廣畑氏の講演からの引用です。
ロータリーの考え方は、自分勝手な生き方の正反対です。
ロータリーは基本にサーヴィスをおきました。
“サーヴィス”は邦訳の“奉仕”より概念が広く、人のためになる行為全体を指しています。
例えば電車で不自由な人に席を譲る、これもサーヴィスです。
家庭でご夫人方にサーヴィスの精神(これは思いやりの精神とも言える)で接するのは大切だが、これをご夫人方への奉仕と言ったのでは意味が通りません。
広辞苑では奉仕の意味として第一に“仕えまつること”と述べています。
奉仕という言葉は縦社会での意味合いが強いのです。
また、廣畑氏は講演の中で井坂 孝氏(RI日本の第2代ガバナー、当時は日本全体と満州・台湾・朝鮮・大連、それらを全部あわせて一つの地区だった)の次の言葉を紹介されました。
人間は、孤独の生活の出来ない、群居の動物であります。
群居しておりますから、人と人との関係が起こります。
人と人との関係が起これば、自分の都合ばかりを考えているわけには参りません。
群居の状態を良くするためには、各自が人のために役立つということを考えなければなりません。
人のため役立つという事は、英語で言うサーヴィスでありましょう(注釈:サーヴィスは、奉仕と訳されているが概念は違う。戦前のガバナーは、奉仕という言葉を敢えて使わない)。
ロータリーは、サーヴィスを以って、人間活動の根本観念にしたいという運動です。

ロータリーの目的は、サーヴィスでありますが、ただサーヴィスと言っただけでは漠然としていますので、具体的に次ぎのように表しています。

1、 サーヴィスの観念を、一切の企業の基調とする事。

2、 各業務の道徳的標準を高める事。

3、 私生活や、業務の遂行や、社会生活などにおいて、サーヴィスの観念を適用する事。

4、 サーヴィスをする機会を増やすため、交友を広める事。

5、 一切の業務の価値を認識し、社会にサーヴィスする機会を与える自分の業務を尊重する事。

6、 サーヴィスを基本と考える実業人の世界的友好により、国際間の理解と友好を深め、国際平和を促進する事。

出典「ロータリーの心と原点/廣畑富雄著」(株)エムケイスペース
日本のRCの綱領には“奉仕”という言葉が使われていますが、ロータリー運動の「基本」となる“サーヴィス”の精神とは、狭い意味での“奉仕”ではなく、広く人のためになる行為全体のことを指すのだそうです。
RCとは“奉仕”活動を行う団体ではなく、人をつくる組織である。

RCのみならず、社会・企業・家庭など“人と人との関係すべて”において“サーヴィス”という言葉本来の意味を考え直すべきではないか。
それが、基本に返る(Back to Basics)ということなのでしょう。

さて、商売においてのサーヴィスとは何でしょう?

サーヴィス=単に“値引き”することではありません。

サーヴィスとは永続的なお客様を得る最良の道なのだから。
He profits most who serves best.
最もよく奉仕する者、最も多く報いられる。
  アーサー・フレデリック・シェルドン