今月に入ってからチケットを取ろうと思ったのですが、なかなか席がなく、夜の部を予約し、『信濃路紅葉鬼揃』は幕見で鑑賞。
玉三郎さん、最近能取りものに凝っていらっしゃいますよね。通常の歌舞伎の『紅葉狩』とは違って、能っぽくなっているということで見てみようと思いました。『紅葉狩』は能で見る機会がなく、見てません(苦笑)が、前半のサシ・クセ・中之舞はお稽古しました。この中之舞のお稽古の時に師匠に何度も言われたことは「この中之舞は、まだ鬼になる前の妙なる女性なんだから、そんなに元気よく打たない!ゆっくりと!!」と(^^;。そう、元気よく打っていましたよ、最初(苦笑)結構難しいのですよね・・・。そんなことを思い出したりもしました。お稽古してある部分は、この謡は同じだ・・とか思いながら見ることができました。
さて、お能の方の舞台は見ておりませんので、比較はできませんが、それでもシテは赤姫ではなく、台詞も装束も動きも「お能」ぽい舞台でした。幕見でしたので、オペラグラスで装束の模様をチェックしなくてはいけませんでしたが、全体の動きが見られました。動きもお能っぽいですが、歌舞伎役者と能楽師の体の使い方の違いというものを感じました。ツレのみなさんも綺麗でしたが、私は中でも春猿さんの構えなども、しっかり指先まで神経が行き届いていたのが印象的でした。
中之舞から急之舞にテンポが変わり、「鬼」モードに突入。後シテの玉三郎さんも印象的でした。動きがないようでいて、ある。存在感もありました。また、ツレの毛振りなどもあり、見た目的にも楽しかったです。
あと、山神の勘太郎さんの踊りはとても清清しく、良かったです!!平維茂の海老蔵もなかなか良かったです。この日は歌舞伎2度目の友人を連れて行ったのですが、初めて見た海老蔵やっぱりかっこいい!と言っていたし、楽しんでくれてよかったです。
歌舞伎風お能という感じがした今回の紅葉狩。見る人によって、好き嫌いに分かれそうですが、私はこういう風に謡などがアレンジされているんだなぁと、私にしてはクールに楽しんでいました(笑)賛否両論、どちらの意見も分かるような・・・。けど、私はこれはこれで楽しめましたが・・・。前場の限りなくお能に近い動きだと、やっぱりお能の人たちとの動き方と比較してしまいますし、お能の方を見たくなります・・・。けど、こちらはこちらで後半の動きなど楽しめましたし。能の『紅葉狩』も見たいですが、公演形態が違く、1日しかチャンスがないから、なかなかめぐり合いが難しいのだけれど(^^;。
あと最近私がよくみている「能.com」の
『紅葉狩』演目事典をリンクしておきます。