みゆみゆの徒然日記

日本の伝統芸能から映画や本などの感想、
心に留まった風景など
私の好きなことを綴っているブログです♪

熊野の長藤

2010年05月05日 | 雑感~ひとりごと
 ご縁あって毎年GWにお邪魔している磐田市(旧豊田町)池田の行興寺さんにある熊野(ゆや)の長藤を見物してきました。例年桜が早いと、いつも5月に伺う時には藤の房が寂しい状況(それでもすごいですが)になってしまうことが多く、今年も満開には当たらないかな・・・と思っていました。が!!!4月に入ってから寒い日が続いたことの好影響(?)でしょうか。今年は久しぶりに見ごろの長藤を楽しめることができました。多分、このブログを始めてからは初めてかな。ということで、以前にも少しだけ紹介したことはありましたが、画像をペタペタと(笑)




 こちらには、能の人気曲『熊野』の主人公である熊野御前と熊野のお母さんのお墓があります。そのお墓の横には、熊野御前お手植えの長藤が。樹齢800年以上ということになります。『熊野』のあらすじは、熊野御前は大変美しかったために平宗盛(平清盛の三男)の寵愛を受けています。しかし、池田にいる母が病気だという知らせを受け、宗盛に暇を乞うも、許してもらえません。熊野の心を慰めようとした宗盛に清水寺への花見にも連れて行かれますが、熊野の心は晴れません。母親の命と重ねてしまいます。花見の席で舞を舞っていると途中で、村雨が降ってきます。散る花に母の命を重ねた熊野は、そこで熊野は「いかにせん 都の花も惜しけれど 馴れし東の花や散るらん」という歌を詠みます。その歌に心を動かされた宗盛は熊野を故郷に返してやります・・・。というところでお能は終わります。私もお稽古をした曲でもあります。





 宗盛が返したくないと思うくらいの才色兼備だったであろう熊野御前。熊野御前が亡くなってから何百年も経った今では、熊野御前お手植えの長藤に大勢の人たちがうっとりしています。そう思うと、なんだかとてもロマンがありますよね。私も思いを馳せながらお花見。



 長いもので1メートル以上にもなる花の房。藤の木が5~6本あるので、辺り一面藤の花のカーテンのよう。前を進むのにも、花をかきわけて歩かないといけません。そして、香りもとても素敵です。花の色合いもとても可愛くて素敵ですよね。
 今年は本当に久しぶりに長藤を楽しめることができて良かったです。こちらの長藤は本当オススメですよ~。また来年も見ごろに行けるといいな~・・・。こればかりは運もありますが(^^;