goo blog サービス終了のお知らせ 

みゆみゆの徒然日記

日本の伝統芸能から映画や本などの感想、
心に留まった風景など
私の好きなことを綴っているブログです♪

四月歌舞伎座・勘三郎襲名(夜の部)

2005年04月23日 | 歌舞伎
画像は歌舞伎座玄関前に飾られているパネルと幕です。(ちょっと変なアングルかも?!)ブルックリン橋を背景のこの写真は合成っぽいけど、違うんですよね(笑)篠山紀信撮影です。しかも「合成ではありません。」と筋書に撮影風景の写真まで載せて説明していたところが、ちょっと笑えた。
夜は、観劇指南役(?)でもあるお友達と一緒に観劇しました。


歌舞伎十八番の内『毛抜』

しょっちゅう上演しているようで、初めて見た演目です。團十郎さんはやっぱり荒事が似合いますね。時蔵さんがちょい役で出ていました。結構好きなので、今月はこれだけで残念だなー・・・。
お友達とも話していたのですが、マグネットなら分かるけど、コンパスであんなになるか?と・・・まあ、そんなところが面白いのですが。團蔵さんの眉間の青い筋が妙に似合っていました。勘太郎さんはこれも颯爽とした役。弾正に言い寄られるところ、素でも照れて笑ってませんか?!


『口上』

やっぱりなんだかんだいっても、中央に親子三人がしっかりいることは嬉しいですね。しかし、凄い拍手です!!先月は口上は見なかったので・・・。
仁左さまの挨拶もかなり拍手ありましたが、結構噛んでますよね。「えー」とか「うー」とか。やっぱり話すのは苦手なのかな・・・(^^;。左團次さんの「出物腫れ物所嫌わず」ネタも面白かったです。がいつもより毒はないかな?!七之助も舞台に復帰。そして、勘太郎それ以上に嬉しいだろうなと感じました。
勘三郎さんも自分の挨拶で、團十郎さんの復帰を祝ったりとちょっと感激・・・。病気発覚からちょうど一年くらい経ちますもんね。。。勘三郎さんは、皆に愛されている役者さんだなーと改めて感じました。


『籠釣瓶花街酔醒』

 ずっと見たかった演目だし(玉さまの八ッ橋で)、今回の襲名演目で一番見たかったのです。
 いきなり暗くなり、パッと明かるくなると、そこは桜が満開の吉原。吉原に感激している次郎左衛門の気持ちが。よーーーーーーく分かります。玉さまの花魁姿は、かなり綺麗です。あれじゃ、惚れます!入れあげてしまいます!花道の微笑みもばっちりでした。なんか妖艶・・・。
 勘三郎さんの次郎左衛門は、純だから八ッ橋に入れあげてしまうし、本当に好きになってしまう。なまじお金があるから、お茶屋さんにもちやほや(?!)されちゃうし・・・。疱瘡の跡のあばたがひどい顔だけど、そういうコンプレックスもあるのか・・・。だから、八ッ橋をよくしようと思う気持ちが痛い程伝わってくるのです。
 お友達に「八ッ橋を最初に見た時の勘三郎の目が凄いよ!」と言われたので観察しました。本当に目がぱっちり開いてしまって、心奪われたって感じで見つめています。とにかく、私が見てきた勘三郎のお芝居では、一番好きな役です。

 で、間夫(まあ、ヒモだな。)の仁左さまは格好良すぎ!!!!八ッ橋が見請けされると知り、お茶屋に話しをつけにいくのですが、座敷の柱に寄りかかる姿・・・・格好良すぎ!!なんで、寄りかかっているだけで様になるのか・・・・。次郎左衛門をあんな風にふってしまうには、やっぱり栄之丞は良い男じゃないとね!
私もあんなのがいたら、貢ぎます(笑)
 玉さまの八ッ橋も苦悩が伝わってくるなーー・・・。でも、あんな風に、みんなの前で縁切りされるのは、恥辱ですよね・・・・。それから、九重の魁春さんも良かった〜!七之助も綺麗です。段四郎さんも良い味です。そして、秀太郎さんの女将って似合いすぎ!(吉田屋もしかり。)

そして、縁切りから四ヶ月後、籠釣瓶という妖刀を隠し持ち八ッ橋を切る場面、勘三郎さんの目がギラリという目になった。切られて倒れる八ッ橋・・・・・・
美しすぎる
海老反りになって、そのままぱたりと・・・・。
 残虐なシーンなのに、観客を惚れ惚れさせてしまうのは、歌舞伎独自の美意識でしょう・・・。
 そして刀を見て笑い、八ッ橋の顔を見て、幕。

 幕が閉まり、何とも言えない気持ちになった。
そして、このような話は現在でもあり得るし、古今東西共通でしょう。純だから、花魁を本気で好きになり、入れあげ、本気だからこそ、あのような仕打ちに我慢できずに、殺してしまう・・・・。
 でも八ッ橋だって苦悩の人です。「間夫がいなければ、女郎は闇」という揚巻の言葉を思い出しました・・・・。どちらが悪いのではないけど、やはり悲劇になってしまったのは一人の男が恋した場所と相手が「吉原」だったからでしょうか?

とにかく、本当に良いものを見ました。
ちなみに玉さま八ッ橋が花道で微笑む写真を買いました!

四月歌舞伎座・勘三郎襲名(昼の部)

2005年04月23日 | 歌舞伎
 後援会に入っていてもチケット取りが難しかった四月・・・・。今月は久々に(ほぼ2年ぶり)の昼夜通し観劇。あの頃は学生だったのですが、今はそれはかなり疲れると思った・・・行きもケチって鈍行にしてしまった(笑)電車で小田原〜川崎間はずっと寝ていたのですが、その影響?夜に風邪気味となる・・・

 画像は四月の祝幕です。品の良い柄で、着物にしたら良さそうな色使いです。私の席は3階Aでしたが、一階に下りて撮影しました。


『ひらかな盛衰記 源太勘当』
 
 源太の勘太郎君、颯爽としています。千鳥の芝のぶちゃんも可愛らしいです。二人は相思相愛なのですが、源太の弟の平次が横恋慕します。平次は海老蔵ですが、男前なだけに、アホっぽさが気の毒だったな。でも似合う(笑)仮病をしているので月代が伸びて病鉢巻もして、最初は「松王丸みたい!」と思いましたが、千鳥に言い寄るところなんぞ「よいではないか、よいではないか・・・」って(笑)私の頭の中には由美かおるが出てきた・・・・。(水戸黄門の)


『京鹿子娘道成寺』道行きから押し戻しまで

 勘三郎さんの道成寺は初めて見ます。可愛い花子です。踊りもうまいですね!所化も襲名だけに凄い豪華!!岳父芝翫さんも気合い入っているのかな?海老蔵はかなり美しい坊主だただ、皆思っていると思うけど、海老は坊主の鬘いらない、そのままでいける!と(笑)私の日は、舞まいづくしは勘太郎くんでした。

 乱拍子は玉三郎さんのと違いかなりあっさりめ。時間の関係か、急の舞も省略。私はお能でもそうだけど、乱拍子の静から、激しい急の舞にうつるところが好きなので残念。
 でも、やっぱり娘道成寺は良い曲ですよね。あとちょっと気になったのが、鞨鼓をかなり激しく打っていると思いました(^^;「バンッ!!バンッ!!」って破れてしまうんじゃないかっていう・・・・。鈴太鼓もかなり激しい音したし、ちょっとびっくり。
 そして、珍しい“押し戻し”付きです。團十郎さんが元気に歌舞伎座復帰です!いつもは、花子は鐘の上に昇って、見得で終わりなのですが、今回は鐘の中に入ります。でもお能みたいに中では着替えないのですよね。さすがにメイクとかもあるしね(^^;。でも中から蛇身が現れたのには迫力!でも押し戻しは竹槍(?!)持って、退治しようというのが、かなりほのぼのですよね。そんなのが荒事らしくって好きなんだけど。
 最後の見得で、それまで蛇身と戦っていた四天たちが蛇の形になっていまいしたね。だから彼らの衣装が鱗柄なんだ!!
と、なかなか面白かったこれぞ襲名!というべき娘道成寺でした!


『与話情浮名横櫛』
 3度目の仁左玉コンビのお富与三郎です。一昨年の通しでは赤間別荘もついていたので、見染から源氏店がすんなり繋がりました。しかし、この時の仁左さまは咳を何度もされ本調子ではなかったのもあり(翌月は休演)今回の方が、大変ノリにのっていらっしゃったと思いました。
 最初の木更津見染の場では、ぼんぼんな与三郎です。やっぱり仁左さまはぼんぼんが似合う玉さまも、粋なお富さんで、二人なら納得の一目惚れですね。客席歩きは、勘三郎さんだから、盛り上がることでしょう。今回は、その様子は3階ですのでお預けです。(その代わり脳内補完。)

 源氏店では、おなじみの名台詞が決まりますね!その前に、蝙蝠安が中にいて、与三郎が外で石を蹴ったり、そういう仕草も様になる!頬かぶりもあんなにかっこよい人はいない。(私がやったら、間抜けな盗人だ・・・・)お富だとはっと気づくところも、傷がいっぱいあっても、かっこよい!!!
つまり仁左さまは何をやっても様になる!
ということなんですね(笑)でも、前よりお痩せになったと思います。(心配・・・)玉さまも、藤八におしろいを塗ったりするところが、面白かったなー。お風呂帰りに糠袋をくわえて、傘をさす姿が色っぽいです