雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

狩衣は香染の淡き

2014-05-13 11:00:13 | 『枕草子』 清少納言さまからの贈り物
          枕草子 第二百六十四段  狩衣は香染の淡き

狩衣は、
香染の淡き。
白き袱紗。
赤色。
松の葉色。青葉。
桜。柳。また、青き藤。
男は、何の色の衣をも着たれ。


狩衣は、
香染の薄い色のものが良い。
白い袱紗(フクサ・表・裏とも白絹)も。
赤色(表が赤・裏が二藍)も。
松の葉色(表が萌黄・裏が紫、らしい)も。青葉も。
桜(表が白・裏が二藍)。柳(表が白・裏が青)。また、青き藤(表が経糸が青、緯糸が黄・裏が萌黄)も良い。
男性は、どの色の狩衣でも着れますね。



狩衣とは、もともとは鷹狩などに用いられたものですが、この頃は常用されていました。
香染は、丁子を煎じた汁で染めたもので、黄色がかった薄赤色。
青葉は、「青朽葉」が欠落して伝えられたものらしく、そうだとすれば、「表が経糸青緯糸黄・裏が青」

この時代、狩衣は貴族たちの常用服になっていたようです。当然、布地も色彩もいろいろなものが登場してきていたようです。さて、少納言さまお気に入りの色彩はどのようなものだったのでしょうか。
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