4月5日にオスバチの蓋が出たので、今週半ばにはオスバチが見られることと思います。
オスバチが登場する前にその誕生の不思議について、書きます。
1 女王バチはもちろん、ハタラキバチもみんなメスです。
女王バチ(真ん中の大きなハチ・写真は友人からの提供) ハタラキバチ
2 種の保存のためには、当然オスバチが必要です。
この真っ黒なデカイいハチがみんなオスバチ ↓
3 そのため、分蜂の時期だけオスバチが生産されます。
そこで、オスバチ誕生の不思議なメカニズムについて・・・・
4 女王バチは、交尾の結果得た精子を一生蓄えておきます。
卵を産むときに、筋肉をゆるめて精子を輸卵管に出します。
すると受精卵となって、ハタラキバチ(メス)が誕生します。
5 一方、精子が下ってこないように筋肉を締めておいて、
卵を産むと無精卵となり、これがオスバチとなります。
(ニワトリの無精卵はひよこにはならないのに、ミツバチは不思議ですね????)
だから、普通、動物は父、母から1組ずつの遺伝子をもらうのですが、
ミツバチのオスは、母から1組を受け取るだけということになります。
さらに不思議なことがあります。
6 受精卵を産むか、無精卵を産むかを決めるのは、女王バチではないのです。
つまり、筋肉をゆるめて精子を出して受精卵を産むか、筋肉を締めて無精卵を産むかを
女王バチが決めているのではありません。
では、誰が、どうやって決めているのでしょうか?
7 無精卵(オスバチ)を産みる付ける巣房は、受精卵(メスバチ)を産み付ける巣房より
0.7ミリ(15%)大きいのですが、女王バチはその違いを読み取って、
それぞれに、大きい巣房には無精卵、小さい巣房には受精卵を産んでいきます。
8 と、いうことは、オスバチを産むか、メスバチを産むかを決めているのは、
巣房をつくるハタラキバチだと思えます。
しかし、本当に、産み分けを決定しているのは、個々のハタラキバチではなく、
ミツバチの営みのすべてを司る、大きな、自然の意思のようなものです。
メーテルリンクは「蜜蜂の生活」とい本を書いていますが、
この中で、こうした不思議な力を「巣の精神」と呼んでいます。
ミツバチの不思議は深まるばかりです。
今日は、桜の満開宣言。お花見日和の一日でした。