ニホンミツバチの四季

2010年5月から、ニホンミツバチの飼育開始
そのふしぎな生活を記録します

オスバチ誕生の不思議

2012-04-08 23:19:58 | オスバチ

4月5日にオスバチの蓋が出たので、今週半ばにはオスバチが見られることと思います。

オスバチが登場する前にその誕生の不思議について、書きます。

 1  女王バチはもちろん、ハタラキバチもみんなメスです。

   女王バチ(真ん中の大きなハチ・写真は友人からの提供)      ハタラキバチ

        

 2  種の保存のためには、当然オスバチが必要です。

      この真っ黒なデカイいハチがみんなオスバチ ↓

          

 3  そのため、分蜂の時期だけオスバチが生産されます。

 

そこで、オスバチ誕生の不思議なメカニズムについて・・・・

 4   女王バチは、交尾の結果得た精子を一生蓄えておきます。

       卵を産むときに、筋肉をゆるめて精子を輸卵管に出します。

       すると受精卵となって、ハタラキバチ(メス)が誕生します。

 5  一方、精子が下ってこないように筋肉を締めておいて、

       卵を産むと無精卵となり、これがオスバチとなります。

      (ニワトリの無精卵はひよこにはならないのに、ミツバチは不思議ですね????)

       だから、普通、動物は父、母から1組ずつの遺伝子をもらうのですが、

       ミツバチのオスは、母から1組を受け取るだけということになります。

 

さらに不思議なことがあります。

 6 受精卵を産むか、無精卵を産むかを決めるのは、女王バチではないのです。 

      つまり、筋肉をゆるめて精子を出して受精卵を産むか、筋肉を締めて無精卵を産むかを

      女王バチが決めているのではありません。

 

では、誰が、どうやって決めているのでしょうか?      

 7 無精卵(オスバチ)を産みる付ける巣房は、受精卵(メスバチ)を産み付ける巣房より

      0.7ミリ(15%)大きいのですが、女王バチはその違いを読み取って、

      それぞれに、大きい巣房には無精卵、小さい巣房には受精卵を産んでいきます。

 8 と、いうことは、オスバチを産むか、メスバチを産むかを決めているのは、

      巣房をつくるハタラキバチだと思えます。

      しかし、本当に、産み分けを決定しているのは、個々のハタラキバチではなく、

      ミツバチの営みのすべてを司る、大きな、自然の意思のようなものです。

      メーテルリンクは「蜜蜂の生活」とい本を書いていますが、

      この中で、こうした不思議な力を「巣の精神」と呼んでいます。 

 

ミツバチの不思議は深まるばかりです。

 

今日は、桜の満開宣言。お花見日和の一日でした。