夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『フローズン・ストーム』

2021年05月07日 | 映画(は行)
『フローズン・ストーム』(原題:Centigrade)
監督:ブレンダン・ウォルシュ
出演:ジェネシス・ロドリゲス,ヴィンセント・ピアッツァ
 
2020年のアメリカ作品をTSUTAYA DISCASにてレンタル。
「悪天候の中で何か起きるやつ」をまた借りてしまいましたよ(笑)。
絶対素通りできない私です。きっとB級もしくはそれ以下でしょうが。
 
原題は“Centigrade”、つまり「摂氏℃」。
これじゃ意味わからんから 『フローズン・ストーム』にしたのでしょうけれど、
これまた内容とおよそ合っているとは思えません。
確かに一面雪です。凍ってます。でも、なんかちゃうねん。
 
暗闇で女性が目を覚ますシーンから始まります。
何が起きているのかわからないオープニングはなかなか好みではある。
少しずつわかってくる状況はこんな感じ。
 
アメリカ人のマットとナオミ夫婦。
作家であるナオミのサイン会がノルウェーで催され、
ふたりして車で赴いたその帰り道、荒天に遭う。
視界が悪い中で運転するのは危険だと、少し休むことにするが、
思いのほかふたりともぐっすりと眠ってしまったらしい。
 
朝になり、先に目覚めたナオミがドアを開けようとするも開かない。
慌ててマットを起こすが、やはりドアは開かない。
眠っている間に雪が降り積もり、車内に閉じ込められたのだと気づく。
 
ここから1カ月近くに渡る車内生活が描かれます。
時折映し出される車外の俯瞰図に、
車がどこにあるか確認できないほど雪に埋もれていることがわかる。
あとは約90分間、ほかに登場人物もなく、なんと安上がりな作品。
 
ジャケットの惹き文句には「なぜ車内に閉じ込められたのか」とあるけれど、
んなもん、謎でもなんでもない(笑)。
冬のノルウェーの荒野で爆睡してしまったからにほかなりません。
ドアも窓も開かず、行き交う車もない道。なんでこんなところで寝ちゃったの。
 
携帯も使えないんですけれど、1週間ほど経過したときにナオミの父親から電話が入る。
でもナオミが「車から出られないの」と泣き叫ぶうちにバッテリー切れ。
横から「ホテルから80km走ったところだ」というマットの声は届かず、
マットは「最後のチャンスだったのに、どうして俺に電話を替わらなかったんだ」とぶちギレ。
 
ナオミが抗うつ剤を飲んでいたことや、
マットが仕事をクビになったのを黙っていたことなどが判明し、
埋もれた車中でふたりが罵詈雑言を浴びせ合う展開に。
 
さらにすごいのは、妊娠中のナオミが産気づいて出産。
ある意味、『ターコイズの空の下で』の出産シーンより衝撃的です。
 
ついでにこの後どうなるかまで書いちゃいますと、
無事に出産、生きるんだという想いを込めて赤ん坊にリヴと名付ける。
しかしマットはなんと数日後に死亡。
リヴを抱えたナオミはなんとか生き延びて、
太陽が照って雪が少しだけ解け始めた頃、車外へ脱出に成功。
外へ出てはみたものの、見渡すかぎり雪原で、
どないするつもりやねんと思ったら、遠くに建物が見えてニッコリ。
というオチになっております。
 
「絶体絶命の密室パニックスリラー」ってか。う~む。
『[リミット]』(2010)なんかには遠く及ばない。
 
で、実際の出来事に着想を得た作品とのことですけれど、どこまでが実話なんですか。
かなり実話に近いのならばそれは怖い。

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