ひとり気ままに

バツイチ女のひとりごと。離婚した人も、離婚を考えている人も、そしてこれから結婚する人も、「気ままな話」を聞いてください。

嫌われ松子の一生

2006-06-13 22:46:17 | 映画
今月の2本目。内容を書いています。知りたくない方は、読まないで。

嫌われ松子の一生

私は泣きました。
ストーリーは、とっても暗いのに、演出がとてもコミカルに作られていて、映像も明るく、流れる曲もテンポのよく、ジメジメした映画には仕上がっていません。
しかし、私は泣きました。

●いい子で育ってきた松子。
父親の希望通り、教員になり、順調な人生を歩んでいるように思えましたが、ちょっとしたウソ?というより、すべてを丸く治めるために取った行動が、人生を変えてしまいました。

★馬鹿だな・・・と思いながらも、いつも私がする行動では?と。
まだこの時点では、映画にのめりこめていなかったのです。つくり話ぽすぎて。

●教員をクビになり、家を出て、作家志望の男と同棲。暴力におびえながらも、尽くす。
しかし、目の前で、男に自殺される・・・

★このシーンでは、ボロボロ泣いてました。結婚生活思い出して・・・
宮藤官九郎が作家志望の男を演じていたのですが、旦那に感じが似ていたのです。

●その後、作家志望の男の友人と不倫。週に1度彼が来るのが待ち遠しい日々。
しかし、不倫がばれて「人の物が羨ましかっただけだ!」の言葉とともに破局。
不倫でも、一生懸命愛していたのに・・・

★この男は、私にとってセフレ。
彼も独身なので、不倫にはなりませんが、彼が私を抱くのも、「人の物が羨ましかっただけだ!」のような気がして。
セフレは旦那の上司でした。だから、セフレ以上には進めないのです。

●そして、ソープ嬢になり、店のトップに。
その後、やる気をなくした頃に現れた男と同棲。「もうどうでもよかった・・・」と松子。

★松子は、素がまじめで、一途だから、トップになるのも納得。
そして現れたヒモ男。「もうどうでもよかった・・・」の言葉に、ドキッ。
ヒモ男役の武田真治の演技が、私のヒモ男によく似ていて「ヒモ男はみんなこうなのね」と納得。

●ヒモ男は、若い女に、松子の稼いだお金をすべてつぎ込んだ。
裏切られた松子は、ヒモ男を殺害。

★私の思いまで一緒に・・・なんか「スキッ」としたシーン。
私も、もっと攻め立てればよかったのかしら?
でも、ヒモ男を真剣に愛そうとは思っていなかったからねぇ。

●逃走中に、理容店の男と同棲。これで落ち着いて幸せになれる。
そう思ったときに「逮捕」

★犯罪を犯していたから、逮捕されるのも仕方がないけど、「松子がこのまま幸せになるはずがない」と思ってしまう私。
男運が悪い女は、簡単に幸せになんかなれない。そうなのよ。
理容店の男って、係長なのかな?でも、まだ一緒にいたいとは思えないからな・・・

●8年間刑務所に服役。その間もまじめに過ごす。感情が無いかのように、同じことの毎日。
「出たら、待ってる男はいるの?」「いないわ」

★「待ってくれる男」つまり、自分のことを思っていてくれる男。
私にも「いないわ」。だって、待っていてくれるほど、私が愛する人がいないのだから、しかたないわね。
これって寂しいことなのよね・・・

●出所後、教え子と再会、彼はヤクザになっていた。彼が原因で、教員を辞めることになった。
「なぜウソをついたの?」「先生が好きだったから」の告白。
松子の気持ちが動く。
一度は自分のアパートに入ったものの、外にいる彼に対して「ここにいても地獄、出ても地獄」。
そして、同棲が始まる。
再び、暴力の日々。それは、松子がヤクザを辞めさせようと思ったから、でも、そんなことを聞かない彼に対して、「それなら、ヤクザの女になる」

★このヤクザの教え子とのシーンでは、もう涙が止まらなかった。
松子の心の葛藤が、辛かった。
好きになったら、それがいけないことだとわかっていても、行動してしまう。
「人を好きだ」と思った瞬間のパワーって、すごいものだと思う。
私も一緒。だから、安心しきった恋愛って苦手なのかな?

●ヤクザの彼が服役。4年間、彼のことだけを思い、待ち続ける。
出所はしたが、彼はまた服役する。
そして松子は、「もう人とはかかわりたくない」と、引きこもり生活を始める。
松子40歳。

★「もう人とはかかわりたくない」そう思ったときが私にもあった。
でも、一人になることが怖かったし、辛さは増すばかり。
だから、できるだけ人と一緒にいたい。とバイトを続けた。
セフレやヒモ男も周りから見れば、厄介な男達だけど、私の精神的な面を救ってくれた、ある意味恩人なのかもしれない。
40歳の私。松子にはなりたくない。と涙・・・

●53歳になった松子。やっと人生をやり直すきっかけがつかめたとき、荒川の河川敷で死体で見つかった。



なんて一生なんだろう。男に振り回され続けた一生。もっと自分で目的を持って生きれば、違った人生を歩めたのか?
服役中に理容師の資格も取り、それで食べていくこともできたのに、ヤクザの男と暮らすために仕事も辞めた。
でも、それはその時々で、相手の男をキチッと愛していたからできること。
自分をささげることの愛情。
男から見れば、嬉しい反面、すごく重荷になっていたような気がする。


短い時間に松子の一生が、そしてその時々の松子の気持ちがわかってしまうのも、映画に使われているものすべてが、私に伝えてくれるからだと思った。特に音楽。すべて印象に残りました。

もう一度、見たい映画です。






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