ミーロの日記

日々の出来事をつれづれなるままに書き綴っています。

好きな場所

2022-04-18 16:04:52 | 日記

最近よく図書館へ行く。

読みたい本があって行くこともあるけど、ほとんどは特に読みたい本を決めず、ただふらっと立ち寄るだけというのが多い。

図書館に着くと、まず椅子に座って新しい雑誌を読む。

それから当てどもなく本棚を見て歩き、興味のあるタイトルの本があれば、それを借りる。

借りる本はもう様々で、好きな推理小説の時もあれば、普通の小説もあり、エッセイ、健康関連、医学系、自然科学、植物や動物関係、料理本と、その時に興味を持った本を手当たり次第に借りることが多い。

こんなに色々な本を無料で読めるとは、なんて幸せだろうと思う。

六歳の時に病気になって、しばらく入院生活を送ることになった。

やっと退院しても体調が悪く学校を休むことが多かったのだが、この時、何もすることがなくて、、、というか出来なかった時に、唯一の楽しみが本を読むことだった。

たまに、本当にたまに、お見舞い人が持ってきてくれる本が、何より楽しみだった。

元気になってからも本を読むのは変わらず好きで、母が年に一度だけ、年末に大きな書店に連れて行ってくれて、「好きな本を一冊だけ買っていいよ」と言ってくれた時の嬉しさと言ったら、半世紀が過ぎた今でも忘れられない。

嬉しくてスキップしたいくらいの気持ちで、広い書店を隅々まで見て歩き、迷いながら時間をかけて選んだ一冊の本は、それから表紙が汚れるまで何度も繰り返し読んだ。

また小学校の高学年になると、少女漫画も好きになったが、新しい本は買ってもらえないので近所にあった貸本屋へ行っていた。

当時、たしか漫画本が一冊5円とか10円で貸してもらえたと思う。

今でこそ5円、10円は大した金額ではないが、その頃(昭和40年代)は、10円であっても、貸本に10円を払う余裕がウチには無くて、たまにしか借りることはできなかったが、その分、借りた時の嬉しさ、時間を忘れて漫画に没頭したことは、忘れられない思い出になっている。

でも大人になって、読みたい本は大体自分で買えるようになった。

読みたかった新しい本を手にした時の喜びはもちろん今でもあるが、あの頃のような湧き上がる爆発的な喜びはもう無い。

でも新しい本の匂いがする書店に入ると、爆発的喜びまでは無いものの、ワクワクするのは今も変わらずにある。

書店の本棚に並ぶ本は、みんな新しくてキラキラしているように見える。

ところで新しい本が売られている書店が、キラキラしてワクワクする場所だとしたら、図書館は、陽だまりの中でじんわりと幸せを感じる場所といったところだろうか。

どちらも大好きな場所。

今日も図書館に行き、椅子に座ったまま深呼吸をしたら、古い本の匂いがした。

その匂いが、本を読む喜びに溢れていた子どもの頃に連れて行ってくれたような気がした。

安心して、好きな場所で、好きな本を、好きなだけ読むことができる幸せに感謝の一日だった。

 

 

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