四国を旅して特に目を引いたのは「色」だった。
観光バスに乗って、まず目に飛び込んできたのはみかん畑の黄色と柿の実のオレンジ色。
窓ガラスに顔をくっつけるようにして外を見ていた人たちから「わ~みかんがなってる!」と歓声が上がった。
故郷の北海道では、赤い実のなるリンゴの木はあっても黄色やオレンジ色の実をつける木は無い。皆さん、めずらしそうに見ていた(私も・・)
そしてもうひとつ目を引いたのが、南国特有のエメラルドグリーンの海の色。
今の季節、北海道はすでに紅葉が終わり木々は茶色の幹や枝だけになってこげ茶色と常緑樹の深緑色が目立つ。
雪解けの春から楽しませてくれた色とりどりの花も見ることはできない。
そして、冬の海はだいたい鉛色だ。
四国(というか南国地方全般)では、みかんや柿の黄色やオレンジ色、そしてエメラルドグリーンの海の色から暖かさだったり明るさを感じさせてくれる。そのような色を見ているだけで、なんだか心まで明るく元気になれるような気がする。
「色の秘密」の著者、野村順一氏によると「色彩は光である」と書かれている。
紫外線は人体に当たると50%が身体に取り込まれ熱に代わり、ビタミンDを作る働きをする。色彩はどこで見ているのか。当然目であるが、皮膚でも色彩を見て感じている。(色の秘密より)
たとえば赤い部屋と青い部屋で過ごした場合、赤い部屋で過ごした方が体温や血圧、脈拍数が上がり、筋肉の緊張が高まり脳波はβ波(緊張から興奮した状態)が優勢となるそうだ。(青色の部屋はその逆)また時間の感覚さえも変えてしまうらしい。赤と青と言えば、某国の選挙戦を思い出すが、、、
つまり寒い冬には部屋のインテリアを暖色系にして、夏には寒色系にするとよいというのは理にかなっているということだ。
ところで今の季節は北海道と四国で色がまったく違うことを書いたが、これはおもしろいことに北と南では売れる服の色まで違うそうだ。
特にそれが顕著なのがネクタイで、北海道・東北地方では寒色系が、中国地方から四国・九州・沖縄では暖色系がよく売れるのだとか。(ちなみに私も洋服では寒色系を選びがちになる)
これは日照時間や気候といった光の違いで、色の見え方や好みが分かれるということで、野村順一氏によると「色彩嗜好は、太陽光線と空気の透明度に影響される」そうだ。
というわけで暖かそうな色が多かった四国から、焦げ茶色が多くなった場所へ帰って来た。
いつもは寒色系のブルーや水色を好んで身につけているのだが、なんだか急に暖色系を身につけたくなったのは旅行の影響かもしれない。
たまにはがんばって赤でも着てみるかな~
ちょっと自分が違和感を感じるような色を選ぶと、脳へのよい刺激になるそうなので・・・