年が明けて令和3年が始まった。
新しい年になったと言っても日常生活に変わりない。やるべき事をやって、時々外の鳥たちを眺めては癒されている。
そういえば今年はシジュウカラやゴジュウカラ、ヤマガラといった小型の鳥が少ない。
例年なら庭に置いた餌をひっきりなしに食べに来ていたが、今年はほとんど来ていない。まさか鳥の世界もコロナで外出を控えているわけでも無いだろうけど、、、
外出を控えていると言えば、家に閉じこもったまま出てこない人がいる。
日が暮れて暗くなっても灯りがつかない。夕方から朝になるまで真っ暗な家。
二、三日くらいなら何処か出掛けているのかなと思うが、それが1ヶ月以上も続くと流石に心配になる。
ましてや一人暮らし。倒れているのではないかと気が気じゃなかったが、雪が降った日、見ると家の前が綺麗に除雪されていた。よかった、生きてると胸を撫で下ろした。
彼女は私と同じ歳だが、数年前にご主人を亡くし、子どもたちが巣立ってから一人暮らしをしている。
ずっと働いていたが、今は仕事をしていない。
辞めた理由はわからないが、彼女と同じ職場だった知人から「話し相手になってあげて」と言われたことがあった。
彼女から悩みを打ち明けられたことはなかったが、会えば他愛のない話をしていた記憶がある。
仕事をやめて5年あまり。その間、仕事を探していた様だが、なかなか自分の希望に沿った職が見つからないと言っていた。
冬になる前に会って話した時、なんとなくお金が厳しそうなのかなと思っていた。
他人のお財布のことをあれこれ心配しても仕方がないのだが、ずっと電気のつかない家を見るとやはり心配になる。電気代を節約しているのだろうかと余計な想像をしてしまう。
一度、彼女の真似をして家の中の灯りを全部消してカーテンを開けてみた。月の光が積もった雪に反射して夜でもわりと明るかった。
これはこれでたまにするなら楽しいが、月明かりだけでは何かの作業をすることは難しい。
何より夕方から夜明けまで、毎日毎日この暗さの中で誰とも会わず会話もせずに暮らしていたら病んでしまいそうだ。
もしや落ち込んでいたら、、、と思ったら余計に心配になってきた。
とはいえ一人で過ごすことが好きな人もいるので、意外と明るく元気で過ごしているかもしれないし、、、(日本人的考え方かな?)
ところで英国では孤独担当大臣という方がいるのだとか。
日本では孤独というのはネガティブな意味ばかりではなくて、孤独のグルメという番組まである様に孤独を前向きな意味でも使う。
ところが英国は孤独を社会問題として国をあげて取り組んでいるのがすごいと思う。
今はコロナ禍によって、世界中で孤独を感じる人が増えている。
日本でもコロナ禍で二人に一人が孤独を感じているそうだ。
孤独は高齢者だけではなく、経済的な困窮でも生まれる。
いつまで続くのかわからないコロナ禍で、ますます孤独を感じる人が増えるかもしれないと考えると、お節介でも気になる人に声をかけるようにした方が良いのだろうかと思う。
まずは身近な人から。閉じこもっている彼女に声をかけて来ようと思う。