言語空間+備忘録

メモ (備忘録) をつけながら、私なりの言論を形成すること (言語空間) を目指しています。

台湾の朝まで生テレビ

2009-07-21 | 日記
台湾の朝まで生テレビ、これ (↓) を見ると、「なぜ、台湾には親日の人が多いのか」 がわかります。

http://www.youtube.com/watch?v=eCDznjqGauQ&feature=PlayList&p=FF3A748701E25474&index=0&playnext=1


長いですが、よろしければどうぞ。勉強になります。



私も、恥ずかしくないよう、努力したいと思います。

すくなくとも当面は、景気は回復しない

2009-07-19 | 日記
高橋洋一・長谷川幸洋 『百年に一度の危機から日本経済を救う会議』 ( p.26 )

高橋  物価連動国債のマーケット自体が壊れかかっている。ただし、その「壊れているという情報」にこそ意味がある。壊れはじめているということ自体が、大きな情報になるわけです。ちなみに、日本の場合、十年債しか発行されていませんが、他の国はいろんな年限のものが出ていますから、それでマーケットが考えている未来が読めるのですけどね。

(中略)

高橋  二〇〇九年度の国債発行計画では、物価連動国債は、前年度から二・七兆円減のわずか〇・三兆円。これはデフレ傾向が続いて物価連動国債の人気がないためで、事実上の発行停止措置です。
 問題なのは、これが麻生政権が自画自賛する経済政策と必ずしも整合的とはいえないことです。というのは、麻生政権は、日本は世界でいちばん早く不況から脱するとか、三年で回復とか言っていますが、もしそうであれば、十年間もデフレが継続するはずがない。であれば、物価連動国債の人気は上がるはずです。それなのに、財務省が物価連動国債の発行を事実上取りやめたことは、経済政策の効果を疑問視していることを自ら告白しているようなものです。


 日本では、物価連動国債に人気がない。そのこと自体が、日本の景気が回復しない証拠である、と書かれています。



 当面は、景気が回復する見込みはないと思われます。

 ただ、「麻生政権は、日本は…(中略)…不況から…(中略)…三年で回復とか言っていますが、もしそうであれば、十年間もデフレが継続するはずがない」 の部分には、すこし、疑問があります。

 「デフレは終わらない」 に引用した部分で、高橋さんは 「十年間で平均二%で、十年後に二〇~二五%下がるというより、初めの三~五年間で半減して、その後回復するとみるのが、現在の日本においては妥当」 だと述べられています。この考えかたは、麻生政権の 「日本は不況から三年で回復する」 という考えかたと、合致しているのではないかと思います。

 また、「財務省が物価連動国債の発行を事実上取りやめたことは、経済政策の効果を疑問視していることを自ら告白しているようなものです」 の部分も、必ずしもそうとばかりは言えないと思います。財務省は、「たんに、需要不足に対応しただけ」 とも、考えられます。

 このあたりはやはり、「日本の場合、十年債しか発行されていません」 、「物価連動国債のマーケット自体が壊れかかっている」 ( =流動性が低い ) といった事情を、多面的に考察する必要があると思います。



 問題は、果たして三年程度で景気が回復するか、ですが、それについては今後の動き ( 対策 ) にも左右されます。すくなくとも 「当面は」 回復しない、と考えておけば間違いないと思います。

デフレは終わらない

2009-07-19 | 日記
高橋洋一・長谷川幸洋 『百年に一度の危機から日本経済を救う会議』 ( p.25 )

高橋  バーナンキに関しては、彼は金融恐慌のプロですから、このゼロ金利政策は序の口であり、これから世界中がさらにあっと驚くような政策を打ち出してくる、そう思っています。
 ところが、日本では折からのデフレ政策の影響なのか、物価連動国債を見ていると、驚くべきことに今後十年間の予想インフレ率が二〇〇八年末時点では二%以上のマイナスになっている。つまり、今後十年間二%程度のデフレが継続すると市場は見ていることになるのです。大恐慌クラスの場合でも、十年間悪いということはなく、初めの三~五年間の落ち込みがすごいもので、その後は立ち直る。ということは、十年間で平均二%で、十年後に二〇~二五%下がるというより、初めの三~五年間で半減して、その後回復するとみるのが、現在の日本においては妥当でしょう。ということからすれば、国民の生活レベルでは、初めの三~五年間で、物価半減、売り上げ半減、給与半減という姿が十二分に現実味を帯びてくる。
 だから、「百年に一度の危機」なのです。ちなみに、このペースは一九三〇年代の大恐慌と比べても最大級の悪さです。つまり、現実として日本はアメリカ以上の危機的状況なのですが、それにしては政府や官僚にいまいち危機感がない。百年に一度の危機的状況であるということを十二分に認識して、「百年に一度の政策」を打ち出さなくてはならないのに、そうしていない。


 日本では、今後十年間、2 %程度のデフレが継続すると市場はみている。したがって、「国民の生活レベルでは、初めの三~五年間で、物価半減、売り上げ半減、給与半減という姿が十二分に現実味を帯びてくる」 、と書かれています。



 説得力があります。

 この予測が的中すれば、日本では、「 ( 今後 ) 三~五年間で、物価半減、売り上げ半減、給与半減」 になる、というのですから、大変なことになります。

 直近の予想インフレ率も、対談がなされた時点と、さほど変わっていません。

 ということは、「 ( 今後 ) 三~五年間で、物価半減、売り上げ半減、給与半減」 になる可能性は、十二分にある、といえます ( もっとも、いまでは 「日銀のCP引受」 など、「百年に一度の政策」 が実施されていますので、状況が変わってくる可能性はあります ) 。



 ところで、ここで問題にすべきは、日本では、( 外国に比べて) 物価も給与も高すぎるので、「物価半減、給与半減」 が本当に悪いことなのか、だと思います。

 ものは考えようで、今後 「三~五年間」 辛抱すれば経済状況はよくなる、とも考えられます。もちろん、これは可能性であって、実際にどうなるかはわかりませんが、

 あと 「三~五年間」 の辛抱ですむのであれば、「さらにあと数年、構造改革を徹底すべき」 なのかもしれない、とも思います。

日銀のCP引受

2009-07-18 | 日記
高橋洋一・長谷川幸洋 『百年に一度の危機から日本経済を救う会議』 ( p.22 )

高橋  ところで長谷川さん、日銀がCPを買うのと政投銀が買うのとでは、どう違うかわかりますか?
長谷川  日銀がCPを購入した場合はお金が市場に供給される、つまりハイパワードマネーが増えるわけですが、政投銀ではハイパワードマネーは増えません。

(中略)

高橋  日本ではなぜ日銀がCPを購入しようとしなかったのかと思われるでしょうが、じつは、その裏には政投銀の民営化阻止という思惑があったと私はにらんでいます。政投銀は、二〇〇八年十月にようやく民営化を果たしたのに、現在またもや大量のCP購入を行なっています。

(中略)

 このCP購入を投政銀にやらせるように画策してきたのは、財務省です。CPを自ら購入すると言わない日銀も情けないけれど、裏で画策する財務省はさらに性質(たち)が悪い。でも最終的には、日銀はすべて引き受けるようになるだろうと私は確信しています。そして、最後に財政政策と金融政策のあわせ技として「ヘリコプター・マネー」へと繋げていけばいい。


 財務省も日銀も、日銀のCP引き受けには消極的であるが、最終的には、日銀がCP引き受けを行うはずである、と予測したうえで、「最後に財政政策と金融政策のあわせ技として『ヘリコプター・マネー』へと繋げていけばいい」 と述べられています。



 「景気対策としての金融政策」 に引用した部分からみて、高橋さんは 「財政政策は 『まったく』 効かない」 と思っておられるはずです。すると、「なぜ、財政政策と金融政策とのあわせ技」 へと繋げていけばよいとお考えなのかが、わかりません。



 それはともかく、日銀がCP引き受けを行うはずである、と予測されていますが、


FujiSankei Business i.」 の 「日銀政策決定会合でCP購入解除論 緊急措置の出口戦略模索」 ( 2009/5/28 )


日銀は27日公表した4月30日の金融政策決定会合の議事要旨によると、金融危機を背景に日銀が実施しているコマーシャルペーパー(CP)や社債買い入れといった異例の措置について、ある政策委員が、解除の検討に言及していたことが明らかになった。

 同委員は会合で「経済が回復に向かうことになれば、どのような方法で解除していくか検討する必要が生じ得る」と指摘。また、複数の委員が「経済の本格回復には時間を要するものの、緩やかに持ち直す」と主張。景気に下げ止まりの兆しが見られるなか、本格回復を前提に危機対応からの“出口戦略”を探る動きも出始めた。

 同会合でまとめた「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)は、2010年度にかけて景気が緩やかに持ち直し、物価の下落幅が縮小していくと想定している。このシナリオを前提に複数の委員は「現時点で金融面の追加的な措置を講じる必要はない」と述べた。

 一方で、何人かの委員が「市場環境や企業金融環境が想定以上に厳しさを増した場合は、追加的な措置を検討することが適当」と主張。景気の下ぶれに強い警戒感を示し、経済情勢に応じた柔軟な対応が求められるとした。政府の追加経済対策については、多くの委員が高く評価したが、複数の委員は「効果に不確実な面があり、幅を持ってみる必要がある」とした。

 また、新型インフルエンザの影響も議論され、数人の委員が「大きな広がりをみせた場合、人の移動や生産、販売、金融活動を制約する可能性がある」との懸念を示した。

 日銀はCP、社債の買い入れなどの措置をめぐって、「追加」と「解除」を両にらみにしながら、経済情勢を慎重に見極めることになる。(石垣良幸)


その予測は的中しています。



 「景気対策としての金融政策」 に書いた私の懸念は、( どこかの時点で ) 金融政策を解除すれば、発生しないことになります。したがって、解除は、必要不可欠だと思われるのですが、

 問題は、上記報道にあるとおり、「いつ、どのようにして」 解除するかです。解除のタイミングが早すぎれば、すべてが水の泡になってしまいかねません。逆に遅すぎれば、問題がややこしくなってしまいます。ただ、どちらかといえば、「早すぎるよりは、遅すぎるほうがマシ」 かとは思います。

 これは日銀の腰が引けている、というよりは、「早目に検討・準備しておく姿勢の現れ」 かとは思いますが。。。

景気対策としての金融政策

2009-07-16 | 日記
高橋洋一・長谷川幸洋 『百年に一度の危機から日本経済を救う会議』 ( p.20 )

長谷川  オバマは、予想以上に経済知識人が好きですね。クリスティーナ・ローマーを起用するあたりは私も驚きました。まさに玄人受けの人事でしょう。
高橋  そうなんです。…(中略)…
 バーナンキFRB議長にローマーCEA委員長というコンビは、金融恐慌の時代には最強コンビでしょう。ローマーは大恐慌のときには「財政政策はまったく効かなかった」とまで、はっきりと論文で書いている。日本では「アメリカが世界大恐慌から抜け出したのはニューディール政策の公共投資のおかげだ」なんてことが、いまだに教科書には書いていますが (引用者註: 原文ママ) 、本当に馬鹿げた話です。これだけ金融政策の重要性を認識しているコンビが、アメリカ経済の舵取りを行なうのだから、これは強力ですね。
長谷川  そういえば、バーナンキは二〇〇二年十一月八日にミルトン・フリードマンの九十歳の誕生日を祝う席で「ミルトンとアンナには次のように述べたい。大恐慌については、あなたがたが正しかった。それは私たちFRBが引き起こしたものだった。とても申し訳ないと思っている。しかし、私たちは同じ過ちを二度と繰り返すことはしない。それはあなたがたのおかげである」と言ったのでしたね。
高橋  その話は私が翻訳したバーナンキの本に書いてあります。フリードマンには『Monetary History of the United States 1867-1960』というアンナ・シュワルツとの共著があるのですが、このなかで大恐慌の話に触れていて、FRBの政策の批判を行なっている。それに対して、FRBは猛烈に反発してものすごい論争になっていたのですが、バーナンキは自分のFRBでの権限を行使したいといって、フリードマンに謝罪したのです。そういう美談なんですね。私はそのフリードマンの著作はいくつか目を通しましたから、すごく実感が湧きます。


 景気対策には、財政政策は 「まったく」 効かない、金融政策を行うべきである。バーナンキはそのつもりである、と書かれています。



 その 「金融政策」 とは、金利を下げてお金を大量に供給することだと思います。バーナンキは金融政策を行うべきである、と考えていて、現に行っていると思われるので、「カネ余りは加速する」 と考えられます。

 ところで、そのお金はどこに向かうのでしょうか。もともと、今回の金融危機前に、すでにカネ余りの状況になっていたのであり、資金の行き場がなかったからこそ、今回の金融危機が発生したのだと思います。とすれば、( 大量に供給された ) お金は、おなじところに向かう可能性が高い、と考えられます。

 したがって、「おなじことを、さらに大きな規模で繰り返す」 ことになるのではないか、と予想されます。



 これでは、状況を改善する政策によって、問題の原因が大きくなってしまいます。それでは、状況は改善するのでしょうか。それとも、悪化するのでしょうか。おそらく、状況は

   目先的には改善するが、長期的には悪化する

のではないかと思います。それがすこし、気がかりです。



 なお、「私は資本主義者」 で紹介した竹森先生の予測、「バブルの頻発を阻止する制度に変えられる」 によれば、「おなじことを、さらに大きな規模で繰り返す」 ことにはならない ( お金は別のところに向かう ) と考えることになり、上記懸念は不要になると思います。