言語空間+備忘録

メモ (備忘録) をつけながら、私なりの言論を形成すること (言語空間) を目指しています。

消費税増税についての考えかた

2012-12-06 | 日記
毎日.jp」の「衆院選:3党増税連合にノー…共産・志位委員長の第一声」( 2012年12月04日16時02分 )

 日本の歴史を変える衆院選がやってきた。米国言いなり、財界中心の二つの政治のゆがみをただし、本物の改革に踏み出せるために全力を挙げて戦い抜く。

 消費増税法は成立したが、国民は一度も賛成してない。民主、自民、公明の3党増税連合に厳しい「ノー」の審判を下そう。富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改革を実行する。国民の所得を増やし、経済改革を実行し、経済成長させ税収を増やせば、年金、医療を充実させ、財政危機打開の道が開ける。消費増税中止法案の成立に全力を挙げる。

 比例で650万票以上の得票と、現有9議席の倍増を目指して頑張る。(東京都新宿区で午前10時20分)


 今回の選挙の (隠れた) 最大の争点は、消費税増税だと思います。

 民主党の候補者は地元で、「嘘つき」と有権者から非難されているとの報道もありますが、それは「解散すると約束したのになかなか解散しなかった」ということではなく、「増税はしないと約束したのに増税した」ということを言っているはずです。

 そこで今回は、消費税増税について、私の考えかたを記します。



 財政再建のためには「政府の収入増」は必要ですが、その手段は「増税」と「経済活性化」の2通りがあります。

 増税によってモノの値段が上がれば消費は落ちると考えられますし、過去、増税のあとで消費が減少したという経験則があることからすれば、デフレ下の増税は最悪の選択だといえるでしょう。

 そもそも、増税によってかえって消費税収入が減ってしまえば、何のための増税なのかわからなくなります。

 とすれば、「経済活性化(景気回復)」を優先し、それでも税収に不足があれば「増税」する、というのが適切だと思います。



 しかし財政再建優先派は、早く財政再建しないと国債が暴落する、通貨(円)の価値が暴落する、大変なことになる、などと主張するわけです。

 国債の暴落とはすなわち、金利の急騰にほかなりませんが、現在、異常なまでに金利が低い現状で、国債の暴落(金利の急騰)を心配するのは「おかしい」のではないか、という感じがします。

 このような心配をしている人々は、おそらく、「デフレ不況の痛み」を感じていない人々なのだと思います。( 実際、財務省の役人は国家公務員ですから、倒産・失業の心配もなく、デフレだろうが不況だろうが給与が保証されています )



 したがって私は、基本的には増税に反対です。

 いま、私は「基本的には」と書きました。次に、「基本的には」の意味を説明します。



 正しいか正しくないかはともかく、財政再建優先派がいて、「増税が必要だ」と主張し続けているわけです。

 したがって、景気が回復しないかぎり、いつまでたっても、「増税の是非」が論点として浮上してきます。同じ議論が延々と続くわけです。

 しかも財政再建優先派は、財政再建のために、デフレ脱却のために必要な公共事業に反対します。

 ということはつまり、
  1. 財政再建が必要だ
  2. →デフレ脱却のために必要な公共事業に反対
  3. →デフレは終わらない
  4. →景気が回復しない
  5. →税収が増えない
  6. →財政再建が必要だ
の無限ループが続きます。状況はまったく改善しないわけです。



 そこで私は、「もうこんなことはやめよう」「そのためには何をすればよいか」を考えるべきだと思うのです。

 ではどうすればよいか?

 「条件付で増税を認める」のが最もよいのではないか、と私は思います。つまり「デフレが終わることを条件に増税する」ことを「デフレが終わる前に」決めてしまえばよいのです。

 そうすれば、増税したい人々(財政再建派)も、デフレを終わらせるにはどうすればよいか、景気を回復させるためには何をすればよいか、を真剣に考えるはずです。言いかたを変えれば、財務省の役人も「デフレ脱却のために必要な公共事業」に積極的になるだろう、ということです。

 その結果、デフレは終わり、景気も回復する。財政再建も実現する。延々と続くムダな議論も終わる。

 いいことづくめではないか、と思うわけです。



 これがさっき、私の書いた「基本的には」増税に反対である、の意味です。

 私の意見をまとめると、「基本的には」増税に反対だが、この際「条件付で」増税に賛成する。以上です。

 最後に、国会で成立した法律を引用します。



財務省」の「第180回国会における財務省関連法律

「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律」

法律
http://www.mof.go.jp/about_mof/bills/180diet/tk20120330h.pdf

概要
http://www.mof.go.jp/about_mof/bills/180diet/tk20120330g.pdf

附則第18条 消費税率の引上げに当たっては、経済状況を好転させることを条件として実施するため、物価が持続的に下落する状況からの脱却及び経済の活性化に向けて、平成23 年度から平成32 年度までの平均において名目の経済成長率で3%程度かつ実質の経済成長率で2%程度を目指した望ましい経済成長の在り方に早期に近づけるための総合的な施策の実施その他の必要な措置を講ずる。
2 この法律の公布後、消費税率の引上げに当たっての経済状況の判断を行うとともに、経済財政状況の激変にも柔軟に対応する観点から、第2条及び第3条に規定する消費税率の引上げに係る改正規定のそれぞれの施行前に、経済状況の好転について、名目及び実質の経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認し、前項の措置を踏まえつつ、経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる。


 この法律には、私の主張する「条件」が「あいまいに」書かれています。つまり「条件」を満たさなくても増税してよい、という法律です。

 この「条件」を必ず守る、デフレが終わらなければ増税しない、と明確に主張しているのは自民党です。この観点からも、私は自民党が「最もよい」のではないかと思います。



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