言語空間+備忘録

メモ (備忘録) をつけながら、私なりの言論を形成すること (言語空間) を目指しています。

おそらく最善の雇用対策

2010-09-21 | 日記
日本経済新聞」の「高卒求人倍率、7月末0.67倍 就職氷河期と同水準」( 2010/9/17 20:54 )

 来春、高校を卒業する就職希望者の求人倍率は今年7月末時点で0.67倍で、前年同時期より0.04ポイント下がったことが17日、厚生労働省のまとめでわかった。低下は2年連続。0.5~0.6倍台で推移した「就職氷河期」の2000~04年ごろと同じ水準で、1984年の調査開始以来、6番目に低い。

 厚労省は「リーマン・ショック後に大きく落ち込んだ昨年より一段と低下しており、深刻だ。景気は持ち直しつつあるとされるが、先行きの不透明感が企業の採用意欲を低下させている」と分析している。

 厚労省によると、全国の求職者数は約18万7千人で前年同時期より2.3%減ったのに対し、求人数は約12万5千人と7.6%減少した。

 都道府県別で求人倍率が1倍を超えたのは東京(2.23倍)、愛知(1.21倍)、京都(1.11倍)、大阪(1.4倍)、広島(1.06倍)の5都府県だけで、最低は沖縄(0.12倍)だった。

 来春、中学校を卒業する就職希望者の求人倍率は0.21倍で0.02ポイント低下。求人数は459人で13.9%減り、調査開始以来最低だった。


 高卒の求人倍率が 7 月末時点で 0.67 倍、中卒の求人倍率にいたっては 0.21 倍となった。沖縄県の高卒求人倍率は 0.12 倍である、と報じられています。



 大卒の求人状況も同じようなものだと思います。

 現状を打開する手立てとして、自衛隊に目を向ければよいのではないか、と思います。防衛予算を増やし、自衛隊員の募集を増やす、という政策です。

 私の主張は、「軍事的安全保障の限界と、その有効性」に述べた発想、すなわち、軍事力に頼ってばかりではいけないが、それでもなお、一定の軍事力は必要である、という思考が基礎になっています。また、「非武装防衛の具体的方法」をみるかぎり、非武装防衛は非現実的であることも考慮しています。



 私とほぼ同じことを考えていらしたジャーナリストがおられます。ブログを引用します。



櫻井よしこブログ」の「二番底懸念が高まる日本に雇用と安保を両立させる策

今、大卒者の就職内定率は過去10年間で最低の80・0%、高卒者は81・1%で2004年以来の低水準にある。就職難を乗り切るには、雇用者が雇用できる環境づくりを急がなければならない。

輸出に支えられる日本経済は、円独歩高で文字どおり、悲鳴を上げている。輸出産業の基盤を揺るがす緊急事態の前で、首相はいかにも無策で意欲の欠如だと見なされる言動を慎み、為替で日本の産業力を殺ぐ事態は受け入れないとの強い政治的意思を発信しなければならない。そのために日本銀行総裁とじかに会い、意思疎通を図るのだ。

自民党時代には日銀総裁も参加する経済財政諮問会議があった。民主党は同会議を廃止したが、経済閣僚と日銀総裁が意見交換する新たな場をつくっていない。もともと、経済も金融も苦手とされる菅首相である。自身の国際社会に向けての発言力を高めるためにも、首相を支える強い構えをつくり、その基盤に立って発信することだ。

こうして円高を是正し、企業の基盤を強化し、雇用の改善につなげるとともに、政府が雇用を進める方法もある。一例が定員不足に悩む自衛隊の新規隊員を増やすことだ。日本周辺諸国がこぞって軍事予算を増やすのとは対照的に、わが国のみ国防予算を削り隊員を減らし続け、全部隊がすでに定員割れを来している。にも拘らず、来年度の新規採用は陸海空合わせて1,935人、5年前の5分の1で史上最少の採用数にとどまる。

結果、自衛隊は「ワイングラス」と呼ばれる年齢構成に向かっている。若い隊員が、中高年の隊員に比べて極端に少なく、年齢が下にいくほど、ワイングラスの脚のように細くなるのだ。これでは自衛隊は機能しなくなる。

隊員の初任給は年額320万円。1万人を新規採用しても、320億円だ。政府は2兆3,000億円の子ども手当を、来年度さらに上積みする構えだ。この兆円規模のバラまきは防衛省など他省庁の予算を一律10%削減して充当する。そのごく一部の負担で自衛隊員を増やすほうが日本のためになる。

中国の軍事的脅威への備えを、少し強化できるのが第一の意義だ。若者たちの教育機関として実績を上げてきた自衛隊で、心身共に信頼に堪える若者たちを育てる効果もある。著しく厳しい地方の就職状況を緩和し、働き口も供給できると思うが、どうか。


 自衛隊員を増やせば、中国の軍事的脅威への備えにもなり、若者たちを育てる効果もある。そのうえ、働き口の供給にもなる、と書かれています。



 まず、雇用の確保という面で、自衛隊員を増やす政策が効果的なのはいうまでもありません。

 私のいう「雇用の確保」とは、たんに (目先の) 働き口の供給、というにとどまらず、その先を見据えています。日本の場合、新卒の段階で仕事がみつからなければ、一生、フリーターを続けることになりかねません。そこで、自衛隊が一種のバッファ (緩衝材) の役割を担い、履歴に穴 (あな) があかないようにする、という意味合いを込めています。

 一生、自衛隊員として過ごす気持ちのない者であっても、「とりあえず」としてなら、自衛隊を考えるのではないでしょうか。自衛隊員は立派な国家公務員ですし、「とりあえず」としては、十分すぎるほど魅力的だと思います。

 企業としても、自衛隊員としての厳しい訓練に耐えてきた者であれば、積極的に採用したい、と考えるのではないかと思います。すくなくとも、アルバイトをして過ごしてきた者に比べれば、はるかに魅力的な若者に映るはずです。

 この方法のいいところは、自衛隊員として採用する若者が、かならずしも「新卒でなくともよい」というところです。この方法には、新卒時の社会状況によって、

   フリーターとしての暮らしを強いられている人々に、
     「正社員になる道筋、ステップを提供する」

という意味合いがあります。



 次に、(彼らが一生、自衛隊員として過ごす場合はもちろん) 彼らが「いったん」自衛隊員として過ごした後、民間企業に職を得た場合を考えると、

   国民のなかに、自衛隊に理解を示す人が増える

効果が見込めます。日本ではなぜか、「反戦平和=自衛隊反対」といった考えかたをする人が多数、おられるのですが、そのような人々のなかに、徐々に、自衛隊に理解を示す人々、自衛隊に親近感を持つ人々が増えることが期待されます。上述のとおり、私は「自衛隊は国防上、必要である」と考えていますので、自衛隊に理解を示す人々を増やす政策は、ぜひとも、行うべきだと考えます。



 上記報道記事にあるとおり、基地問題に揺れる沖縄県の求職状況がとりわけ厳しいのであれば、この政策は、なおさら行うべきではないでしょうか。沖縄県の求職状況を劇的に改善する効果があります。

 また、いまは尖閣諸島沖漁船衝突事件をめぐって、中国の軍事的脅威に対する関心も高まってきていますし、この政策は、社会に受け容れられやすいのではないかと思います。

 ( さらに、中国の圧力に対する「牽制 (けんせい)」としての効果も見込める政策だと思います )