言語空間+備忘録

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尖閣諸島への自衛隊配置は当然である

2010-09-29 | 日記
日本軍事情報センター」の「日本政府 尖閣周辺の中国監視船 中止要求 漁業監視船2隻が活動

記事の概要

仙谷官房長官は27日午後の記者会見で、尖閣諸島沖の日本領海周辺で中国の漁業監視船2隻が24日夕から活動していることを明らかにした。

自国船漁船の警護などが目的と見られる。

同海域での侵犯行為の既成事実化を図り、日本を揺さぶる狙いがあると見られ、政府は警戒感を強めている。

(中略)

コメント

この中国警戒船の派遣目的は、自国漁船の警護目的は半分ぐらい当たっていても、同海域での侵犯行為の既成事実化を図る狙いというのは完全な間違い。

この警戒船は、中国漁船が日本の領海侵犯を侵して、海保の巡視船に検挙されないように警戒しているのである。

私は一刻も早く中国が警戒船を同海域に派遣し、中国漁船の違法操業を取り締まることを求めていた。24日からでは遅いのである。

それを日本政府が誤った認識で、中国監視船の中国漁船の監視中止を求めるのは、本末転倒である。

中国政府としては、このような問題が二度と起きては欲しくないのである。日本政府に厳しく対応するのは、自国民の怒りや不満が自分たち(中国政府)に向かってこないためである。

(中略)

また、長島前防衛政務官など民主党議員の43人の代表が27日午後、仙谷長官を訪ね、8項目の要望を盛り込んだ「建白書」を提出したという。別に民主党の松原議員ら12人も、尖閣列島に自衛隊常駐の検討を求める声明を連名で発表した。(読売新聞 9月28日 朝刊)

これらの中に、同海域での米軍と自衛隊の共同演習の実施を求めるものがあった。(産経新聞 9月28日 朝刊)

これも大きな間違いである。

今回の事件は、中国漁船が日本の領海内で違法に操業し、海保の巡視船の停船命令に従わず、逃走中にわざと船体を巡視船にぶっけた「公務執行妨害罪」の容疑である。

明らかに警察(海保)が対応する事案で、自衛隊や米軍という軍事組織が対応する事案ではない。

街の暴走族の取り締まりに、自衛隊や米軍の戦車や装甲車の派遣を求めるようなものである。

これも軍事と警察の違いが理解できていない民主党議員の基本的なミスとなる。

同時に、同海域で、中国海軍が軍事演習するチャンスを与えるようなものである。よく考えて行動や発言をして欲しい。

民主党議員は頭を冷やし、基本的な国際常識に従い、また軍事的なことも考えた上でこの問題に取り組むこと。

尖閣諸島に自衛隊を1個大隊派遣(常駐)して、孤立した彼らの安全をどのように守るというのか。深夜に、北朝鮮の特殊部隊が中国漁民に偽装して自衛隊・駐留部隊を襲撃してきても、自衛隊の駐留部隊を助けることができないのである。

中国製の武器や弾丸が島内に残っていても、中国軍が自衛隊を襲撃したことの証明にはならない。北朝鮮という国は、日本と中国の関係を劇的に悪化させるためなら、その程度のことは平気でやる国なのである。

これでまた、民主党の軍事常識のなさを露呈させてしまった。

今回の漁船の衝突事件で、日本で安易な軍事問題に転化させないで頂きたい。ーーーと、警告します。


 中国の漁業監視船には尖閣諸島沖「海域での侵犯行為の既成事実化を図り、日本を揺さぶる狙い」があるというのは完全な間違いで、「中国漁船が日本の領海侵犯を侵して、海保の巡視船に検挙されないように警戒している」のである。「日本政府に厳しく対応するのは、自国民の怒りや不満が自分たち(中国政府)に向かってこないため」にすぎない。「尖閣列島に自衛隊常駐の検討を求める」動きについては、「孤立した彼らの安全をどのように守るというのか」と批判されています。



 まず、漁業監視船についてですが、この認識は甘いと思います。中国は東シナ海のガス田「白樺」の掘削を始めた可能性が高いと考えられる以上、「日本政府に厳しく対応するのは、自国民の怒りや不満が自分たち(中国政府)に向かってこないため」にすぎないと考えるのでは、筋が通らないと思います (「日本は対中政策を変更すべきである」参照 ) 。

 まさかとは思いますが、中国側は、「自国民の怒りや不満が自分たち(中国政府)に向かってこないため」にガス田の掘削を始めたにすぎない。したがって、いたずらに中国を刺激し、問題を大きくしてはならないので、日本は対抗措置をとるべきではない、とお考えなのでしょうか?

 この「軍事ジャーナリスト」さんの状況理解は、甘いと思います。



 次に、今回の事件は「公務執行妨害罪」の容疑であり、「明らかに警察(海保)が対応する事案で、自衛隊や米軍という軍事組織が対応する事案ではない。街の暴走族の取り締まりに、自衛隊や米軍の戦車や装甲車の派遣を求めるようなものである」とのお考えについてですが、

 たんなる漁船ではない可能性が取り沙汰されている以上、この状況理解も、甘いと思います。

 また、議員らは、海上保安庁の出る幕ではない、と言っているわけではないと思います。海上保安庁が初期対応をすることが前提になっているはずです。したがって、この「軍事ジャーナリスト」さんの発言は、どこかズレていると思います。



 さらに、「尖閣諸島に自衛隊を1個大隊派遣(常駐)して、孤立した彼らの安全をどのように守るというのか。深夜に、北朝鮮の特殊部隊が中国漁民に偽装して自衛隊・駐留部隊を襲撃してきても、自衛隊の駐留部隊を助けることができないのである。」とのお考えについては、

 夜、駐留部隊は全員寝ているわけではないと思います。どこかの特殊部隊が襲撃してくれば (接近してくれば) 、司令部に連絡をとり、場合によっては救援部隊を送ればよいのです。

 「軍事ジャーナリスト」でありながら、どうしてこのようなことも「わからない」のでしょうか?



 「これでまた、民主党の軍事常識のなさを露呈させてしまった。」と書かれていますが、どちらかといえば、この「軍事ジャーナリスト」さんが、「自分の常識のなさを露呈させてしまった」と考えるのが、自然ではないかと思います。

 なお、この件について、自衛隊の司令官も務められた専門家の見解は、次のとおりです。



軍事評論家=佐藤守のブログ日記」の「これでもまだ“憲法”を信じるか?

国家基本問題研究所が、中国人船長釈放事件に関する次のような「緊急提言」を出した。


1、政治家は今回の事件をもって戦後の国防体制を根本的に再考する機会にせよ。

2、政府は中国船による意図的衝突の証拠となるビデオ映像を公開せよ。

3、政府は尖閣諸島に自衛隊を配置せよ。

4、政府は「白樺」など東シナ海のわが国排他的経済水域内の天然ガス田の試掘を開始せよ。

5、国会は外国船の違法活動を罰する法律を制定せよ。

世界の常識から読めば、どれも当たり前の内容に過ぎないが、これがわが国では新鮮な?呼びかけに聞こえるから不思議である。


 「世界の常識」からみて、尖閣諸島への自衛隊配置は「当たり前の内容に過ぎない」と評されています。