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ゆめと心理と占いのはなし
Por donde, amor, he de ir?
 Rosalia de Castro

文化依存性集合的無意識

2012-11-07 16:14:22 | 日記
まだ、詳しい数字は見ていないけど、オバマが再選されたニュースでアメリカ人独特な集合的無意識を感じてしまった。これが日本だったら、今のアメリカの経済状況では若者は棄権で、それなりの年齢の人たちはみんな保守的な政党に投票し、右旋回が起こったはずだ。

でも、ニュースでは投票者の女性の55%以上、20代の人の60%以上がオバマに入れている。もちろん黒人の8割はオバマだ。この数字は、いわゆる社会的に周辺にいるとされる人々が、選挙活動中に同性愛者の権利まで明言するというオバマの‘反伝統性’‘新しさ’‘サブカル性’に動かされ、惹きつけられ、接戦であったがゆえにより強く明確な結果がでたのではないか。

アメリカにはエスタブリッシュ階層が存在し、彼らが世界の経済を左右しているという構造がある。で、それはアメリカ人の誇りでもあり、アメリカのいわゆる‘中華思想’のよりどころとなっている。少し表現が乱暴だけど、彼らのおこぼれをもらってそれなりに豊かな生活をしている中間層がいて、さらにそのおこぼれが自分にも来るんではないかと思う人たちがいる。でも、今回の選挙では、そうした人々に反発した人たちが最後に腰を上げた。たぶん、反発した人たちもアメリカのエスタブリッシュの重要性というか、エスタブリッシュがいて初めてアメリカなんだということは強く認識し、これからも彼らとの共存を望んでいると思う。ただ、アメリカが移民の国だという原点の認識までは失っていないということだ。

もちろん、ブッシュが当選した歴史もあるわけで、これで上手くすべてを説明できていないとは思うけど、イラク、アフガン、そして「アラブの春」で大きな犠牲を払って、さらにはEUや中国といったライバルの台頭によって、政治的にも経済的にもかつてのような独善的な政策が通用しなくなっているという現実を思い知らされている中で、よりアメリカ的な価値感が強まっているようなことは感じる。今後、日本の研究者たちによる投票への詳細な分析もいろいろと出てくることを期待したい。

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