MELANCOLICO∠メランコリコ!

ゆめと心理と占いのはなし
Por donde, amor, he de ir?
 Rosalia de Castro

「人を殺してみたかった」

2014-07-31 18:07:33 | 日記

小学校とか中学の先生をしたことないのでその大変さを分かっていないということが前提で言わせてもらうと、やはり先生たちはもっと心理を学んだ方がいい。これは介護などの業界でも同じように感じるんだけど、受験資格をとるための大学などの科目では、無意識はフロイトで、行動療法はワトソンで、自己同一性達成はエリクソン、認知行動療法は認知を変えて適切な行動ができるようにする心理療法、などと暗記すればそれで済んでしまう。それぞれの学説が具体的に何を示しているのかなんて分からなくてもOKなのだ。

テレビでは、生徒が生徒を殺害するとかいう事件が起きた学校の校長は「何しろ生徒たちのこころのケアに努めたい」と繰り返していた。この言葉はこれまでの教師や生徒の不祥事が起きるたびに多くの教育長や校長から聞いた言葉で、いつも「じゃあ具体的にどうケアするのですか」とツッコンでみたくなっていた。だいたいからして「こころのケア」とかいう曖昧模糊とした言葉は政治家の「遺憾の意」と同じで、これを平気で使う人間にまともなのはいないし、形だけで満足する人たちだという証しだ。こころなんて何も見えていない。

実際、殺した女子生徒は小学校のころに猫の解剖をしていて、そのことは中学や高校側も把握していたという。なんで把握した時点でその子に何らかの対応を継続しなかったのか。かつてのサカキバラもあの事件を起こす前に猫の解剖をしていたという。猫を解剖する子は人を殺す人になると決めつけるつもりはないけど、そこにある「心の闇」は家庭なり社会がきっちりと対応していかないとならない病理なんだと思う。「人を殺してみたかった」といった人へのカウンセリングはなかなか難しいというけど、心に寄り添うことで、リスクの軽減はある程度できるような気がする。社会でそれなりの資格を持ち、収入を保証されている立場の人たちにはそれなりのリスクテイクが求められているという意識があまりにも希薄なのではないか。

今日、東京電力の歴代トップ3人が起訴相当になったけど、あれだけの事故が起きてトップに責任がないなんてありえない。死刑にしろとは言わないけど、それなりの刑罰が社長や安全管理の担当取締役には課されていいはずだ。大阪府警も、犯罪件数を5年で8万件以上隠蔽していたことが判明したけど、誰もクビにならないみたいだ。まさに日本の社会はノーリスクハイリターンになっている。地位や給料が上がれば、それだけ何かあった時は責任取らされるということで、部下なり生徒なりにしっかり目配せしていく義務が生じるのではないか。世界を見れば、この考えがもっと希薄な国もたくさんあるんだろうけど、事件が起きてからの責任者の対応やコメントがあまりに型どおりで内容がないのは情けない。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿