オーストラリア戦は上出来だと思う。

確かに原口自身が言うように、PKを与えてしまったことは不用意だった。エリア内でのファウルは絶対避けなくちゃならない。本来ディフェンダーでない原口はあまりに露骨に後ろから体を当ててしまった。あそこは当たらなくても振り向かせなければOKだった場面で、悔やまれる。でも、試合後のインタビューで、元日本代表の解説者から「微妙でしたが」と訊かれ、「いや、あれは後ろから行ったしPKでしょう」ってにこりともせずに答えたのが好感だった。あれだけ重要な場面でのミスをはっきりと自分のミスと認める原口は肝が据わっている。今までの日本人選手には見られなかった受け答えだと思った。

じりじりとさせられる時間帯はあったけど、日本はボールを奪うと速いテンポで縦にボールが出せていた。縦に出したら、縦に走って、縦に来るボールを受ける。ぼくはその繰り返しが今の日本代表の活路だと思っている。かつてはボランチなりトップ下がいわゆるタメを作って攻撃陣みんなが前に出ていくのを待つのが日本のスタイルだった。アナウンサーの「タメ」ということばをつい最近までJリーグでいやってほど聞いてたけど、もうそんノロいサッカーをするチームはJにはいない。起点は常にボールを奪った所であって、少なくとも、高い位置でボールを奪ったなら速さ勝負を仕掛けなくちゃもう世界では戦えない。シャビ、イニエスタ、メッシがいるチームなら話しは別だけど、日本にはこれからもっと速く縦に切り裂く意識が絶対必要だろう。だから長く速く走れる選手がもっと登場してこなくちゃならないし、そこにボールを出せる選手をそだてなくちゃならない。