MELANCOLICO∠メランコリコ!

ゆめと心理と占いのはなし
Por donde, amor, he de ir?
 Rosalia de Castro

散骨

2012-04-02 02:35:37 | 日記
ある友人の偲ぶ会に行ってきた。彼は、悪性腫瘍をかかえて10年近くがんばって、最後は自ら緩和ケアに入って、遺言八策を「信頼できる友人」に託し、自分の生きた世界を拒絶するかのようにして逝った。頭脳明晰でいい仕事も残したし、いい教え子も残した。

今日は、お互い知らないという取り合わせも多かった。だから、それぞれが思い出を語ると、知らなかった彼の姿が現れたり、やっぱりみんなおんなじこと感じてたんだということもあった。世の中を拒絶するように逝ったわりには、とても多くの人たちから愛されていたということがわかったことが、ぼくらにとってうれしかった。彼が嫌った「すぐ大勢になびく人たち」「あざとい人」からは最後まで煙たがられたけど、やはり、いまどき珍しい、彼の純なところにひかれた人たちは多かったようだ。

遺言を託された人は、彼の最後を病院でみとった。小難しい遺言を託されていたので、頻繁に見舞いというか、状況をみにいっていたという。何度か「遺言、書きなおしたら?」と進言したというが、彼の信念を曲げることはできなかった。煙草も最後まで止めなかった。メンタルなケアも最後まで断っていた。

遺言執行人の話では、何度か、看護師さんに背中をさすってもらって、涙をにじませながらじっと痛みに耐えてた時に出くわしたという。緩和ケアの世界の重さをずしりと感じさせられた。

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