スペインのゼネスト

スペインでは29日にゼネストがあった。失業している友人たち、小さな店舗を経営している友人たちは怒っている。労働人口の20%が失業者で、かつ零細企業、零細商店が多くを占める産業構造の国でのゼネストは国を分断しかねない。仕事を求めて職安のある道に長い列を作る人たちがそれをどう見るか…。

GDPは世界8位だけど、日本と同様格差が広がっている。ゼネストで問題解決が進むと思う人より、不安を煽られる人の方が圧倒的に多いのに、スペインの労組は、市民戦争のときもそうだけど、いつも極端に走りがちで本当の弱者からは乖離してしてしまっているような気がする。

スペインには「闘う男」の元型がある。ユングには、この元型について考察してほしかった。名誉のために闘うこと、臆病だと言われないこと、それが至上の価値となって、結果は野となれ山となれだ。スペイン人は、普段、日本人なんかより親切で、生真面目で、人情に篤いところがあるけど、精神的、物理的葛藤が生じると、この元型からくるイメージに動かされてブレーキが利かなくなってしまう部分があるように感じる。