2021年2月15日 NHKBS1「国際報道2021」
タイを拠点にサッカー選手の代理人を務める真野浩一さん。
真野さんは
Jリーグにはいれなかったり解雇されたりした選手など
多くの日本選手がアジアに移籍するのを手助けしている。
2020年12月
タイで日本選手の契約交渉に臨む代理人の姿があった。
真野浩一さん(35)。
9年前からバンコクを拠点に活動している。
(サッカー代理人 真野浩一さん)
「1か月くらい前からリクエストは届いていて
何人かの選手を提案させてもらったのですけど
なかなかうまく折り合いがつかないところもあって
いま契約できるかなっていうところです。」
この日は大井川選手(24)を新たなクラブに売り込む。
「この選手は右サイドでも左サイドでも使えます。」
攻撃的な持ち味が評価され
シーズン終了までの契約合意に達した。
「4時からきょう練習。」
「行っていいんですか?」
「もちろん
逆に行かないと 行かないと!」
大井川選手にとってもこれまでよりレベルの高いクラブでの新たな挑戦となる。
(サッカー代理人 真野jさん)
「彼なりにしっかりとコミュニケーション取りながら
新しいチームメイトとあいさつを交わしていたので
“すごくいいな”って。」
真野さんはかつて自らもフットサルの選手としてタイのクラブとプロ契約を交わした。
しかし現役生活はわずか1年で終わった。
(サッカー代理人 真野さん)
「契約を取ることが大変すぎちゃって
契約を取ること自体がもう最終ゴールになってしまったんですよ。」
選手たちを支える存在の重要性を痛感した真野さん。
引退後もタイにとどまり
当時アジアにほとんどいなかった代理人になった。
これまでに移籍を手掛けた日本選手は126人。
アジアの19の国や地域に送り出した。
しかし新型コロナの感染拡大の影響はプロスポーツ界を直撃。
選手の国際的な移籍が停滞する事態となっている。
(サッカー代理人 真野浩一さん)
「プレーを直接 自分の目で見られないとか
直接会って人柄を見ることができないので
この状況だとすごく難しいですね。」
こうしたなか真野さんが力を入れているのが選手たちの生活を安定させることである。
この日は半年前に移籍を支援した小島選手(31)のもとを訪れた。
新型コロナによる所属クラブの経営悪化などによって
児島選手の収入は約3分の1にまで減少。
プレーに集中することも難しくなっていた。
そこで現在手掛けているのは
選手とファンを結ぶオンラインサロンの設立である。
会員になったファンが選手と交流できる新たな試みである。
(小島選手)
「こっちのほうに重点を置きすぎてサッカーがおろそかになっちゃうんじゃないかとか。」
(サッカー代理人 真野浩一さん)
「サッカー選手のときはサッカーしかしません。
それ以外のことにチャレンジするのは引退した後でという形で分けるのではなく
やっぱり今の時代
並行しながらできるというか。」
サイドビジネスが軌道にのれば
収入面の不安が解消するだけでなく引退後の生活も安定する。
真野さんは小島選手の挑戦を強く後押ししている。
(小島選手)
「やっぱりチャレンジしてみようかという気持ちになり行動に移せるので
ありがたいなと思いました。」
選手としての夢を諦めざるを得なかった真野さん。
いまの選手たちが少しでも長くプレーできるように支え
その経験をセカンドキャリアにも生かしてほしいと考えている。
(サッカー代理人 真野浩一さん)
「日本から海外に一歩を大きく踏み出すことによって
大きな結果を得るチャンスを得ていると思うので
最終的には成功をつかんでもらいたいと思います。」