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“庶民の味”タコ激減 養殖技術を開発

2019-02-15 07:00:00 | 報道/ニュース

1月29日 おはよう日本


タコはかつてピーク時には国内で年間10万トン水揚げされていたが
ここ数年はその3分の1ほどに落ち込んでいる。
さらに世界的な需要の高まりで
価格は15年前の1,6倍と高級魚並みに値上がりしている。
こうしたなか広島県尾道市の国の研究機関が
タコの養殖につながる新たな技術を開発した。

タコ料理を専門にする広島県三原市の料亭。
生けすから取り出されたのは新鮮なマダコ。
刺身やタコ飯など
庶民の味として古くから親しまれてきたが
価格の高騰で最近は仕入れにくくなったという。
(料理長)
「5年前ぐらいから徐々に値が上がっていて
 最近はすごく高くなっている状況ですね。
 お客さんに間に合わせる量を確保するのが大変になってきています。」
瀬戸内海有数のタコの産地 三原市。
タコの漁獲量が年々落ち込み漁業者からは不安の声が上がっている。
(漁業者)
「もうだめ。
 例年の3分の1以下。
 やっぱりさみしい。」
こうしたなかタコを増やそうと養殖に取り組んでいるのが国の研究機関
瀬戸内海区水産研究所である。
プロジェクトの中心メンバー 山崎秀樹さん。
タコの養殖は昭和30年代からさまざまな研究機関が挑戦してきた。
しかしふ化直後のタコのほとんどが原因不明で死んでしまうため
養殖は不可能とされてきた。
山崎さんもエサの種類や水温を変えたりと試行錯誤を繰り返してきたが
毎回ふ化したタコの9割近くが死んでしまった。
O.研究をあきらめようと思ったことは?
「もうありましたね。
 正直言って何をやっても解決ができないということで。」
大量に死んでいくタコの水槽を眺めていたある日
水の流れにその原因があることを突き止める。
従来の水槽はエアポンプの泡の流れによって水が下に向かって流れていく。
この水槽でタコを飼育するとエサを食べるときに問題が起きる。
エサを捕まえたまま水槽の底に流されると
天敵の多い海底を嫌がる本能が働いてエサを離してしまう。
再び浮上してまたエサを捕まえるが同じことを繰り返し
エサを食べられないため衰弱して死んでいたことが分かった。
そこで改良したの水槽は
エアポンプを使わず酸素を十分含んだ海水を底の方から流すと上向きの流れが起きる。
その結果タコが底に流されることがなくなりエサを食べられるようになった。
この水槽でタコを飼育した結果
ふ化後20日まで生き残る割合は
当初の14%から77%にまで劇的に改善。
さらに山崎さんが注目したのがエサである。
タコの鉱物であるワタリガニの赤ちゃんにプランクトンをしっかりと与えて
エサ自体の栄養価を高めたのである。
その結果生まれてから20日後の体重を比べると
従来はおよそ2mgだったのが改良後は10mgと
一気に5倍に増えた。
水槽の改良にかかる費用は数万円程度。
エサの改良で成長速度も格段に上がったことで
岡山県や香川県それに民間企業もこの研究に加わり
養殖の実現に大きな期待が寄せられている。
(瀬戸内海区水産研究所 山崎英樹さん)
「50年間どうしても超えられなかった壁を今回超えられたと自負しております。
 5,6年
 少なくとも10年先にはみなさんの食卓に
 養殖したタコを安定的に供給できるようなシステムを作っていきたいと考えています。」
これまで難しいとされてきたタコの養殖。
半世紀にわたる研究者の努力が実を結ぼうとしている。

タコは養殖をするうえで共食いをするのが課題となっているということで
研究グループでは飼育装置を改良するなどして
数年から10年以内に商業ベースでのタコの養殖を実現したいとしている。




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