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ナイスな雑草氏 川内優輝さん

2018-05-14 07:15:00 | 編集手帳

4月21日 編集手帳

 

 いろいろな学会があるものだ。
米国には「雑草学会」という研究者の集まりがあって、
雑草は次のように定義されている。
<人類の活動と幸福・繁栄に対して、
 逆らい、
 妨害する植物>

『雑草はなぜそこに生えているのか』(稲垣栄洋著、ちくまプリマー新書)に教わった。
それにしても幸福論まで持ち出すとは随分な敵視ぶりだ。
受け取り方がちがう。
日本ではどの辞書にも「生命力が強いことのたとえ」といった説明がある。

いま雑草のような人といえば、
多くの方が浮かべる顔があろう。
埼玉県職員、
川内優輝さん(31)がボストンマラソンで優勝した。

百年以上の歴史を誇る大会で、
悪天を苦にする世界の一流どころをどんどん置き去りにした。
このたくましさは何だろう。
瀬古利彦さん以来、
日本人31年ぶりの快挙をなしたのは実業団などのエリート街道とは無縁の「走る公務員」だった。
ひとりでただ、
走り続ける人だった。

帰国後に勤務先の県立高校で記者会見し「来春に退職してプロになる」と語った。
来春とは職場の欠員への配慮だろうか。
どこまでも繁茂してほしいと思うナイスな雑草氏である。



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