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“本土の買い物客”香港で反発も

2015-03-03 07:45:00 | 海外ネットワーク

2月22日 NHK海外ネットワーク


中国の春節の時期 香港にも中国本土から大勢の買い物客が詰めかけている。
しかし歓迎ムードとは程遠い動きも出ている。
「香港を荒らすのはやめろ!」
2月15日 中国本土との境界に近い町で行われたデモ。
ショッピングセンターを占拠したデモ隊が本土からやってきた買い物客を取り囲み激しく抗議した。
「香港はあなたたちを歓迎しない。
 中国本土に帰れ!」
警察が出動し逮捕者が出る騒ぎに。
本土から大勢の買い物客が押し寄せることに香港市民の間で反発が広がっている。
(デモ参加者)
「本土からどんどん人が入ってきて香港の文化と価値観が損なわれている。」
世界の有名ブランド店が軒を連ねる香港。
2003年に中国本土からの個人旅行が解禁になり訪れる人は年々増加。
去年1年間の訪問者数は4,700万人と香港の人口の6倍以上にものぼった。
化粧品や粉ミルク、食品などを大量に本土に持ち帰る。
(本土からの買い物客)
「粉ミルクが無くなると香港に買いに来る。」
「本土のものは質が悪い。
 香港に来て買うのは当然。」
これに対し香港市民からは様々な不満の声があがるようになった。
(香港市民)
「本土の客が買ったものを広げるので通路が狭くなりうんざり。」
「本土からの買い物客が香港の物価を引き上げている。」
ここ数年 物価上昇率が年間4~5%と高い水準が続く香港。
本土からの買い物客の急速な増加が物価上昇の一因になっているとの見方も出ている。
香港の人たちが中国本土に抱く不信感は去年表面化した。
香港の学生らが中国の決定に反発し抗議活動を展開。
座り込みは2か月余にも及んだ。
くすぶり続ける本土への不満はいま買い物客に向けられている。
香港の人たちが快く思っていないのが転売目的で商品を買い占める人たちの存在である。
中国本土のシンセンでは香港からの列車が到着すると
あちらこちらで香港で買ってきた品を売る光景が見られる。
組織的な買占めも横行している。
香港の街角で男たちが袋に詰めているのは購入した大量のiPad。
中国本土に持ち込めば1~2割以上高く売ることが出来る。
大勢の運び屋を雇い手分けして本土まで運ぶ。
通常の買い物客を装って本土の税関の目をくぐり抜けるためである。
こうした運び屋は1万3,000人以上いるとされる。
買占めを取り締まろうと香港当局は対策を強化した。
本土に向かう人たちが出発する香港側の駅の入口では
買い物客の荷物の重さなどのチェックが行われている。
列車に持ち込める荷物は一昨年から1人23キロまでに制限された。
基準を満たさなければ列車に持ち込むことはできない。
商品によっては持ち出せる数にまで制限が設けられている。
増え続ける本土からの買い物客。
香港市民からはもっと踏み込んだ対策を求める声も上がっている。
(香港市民)
「香港当局は本土から来る人の数をコントロールすべきだ。」
中国本土とともに経済発展を遂げてきた香港。
本土との距離が急速に近づく中で新たに生じた摩擦をどう解消していくのか問われている。





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