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アフリカ“刑務所バンド” グラミー賞候補に 

2016-02-14 07:30:00 | 報道/ニュース

2月13日 おはよう日本


アメリカ音楽界で最高の栄誉とされるグラミー賞。
海外の音楽を対象とした最優秀ミュージックアルバム部門には5つの作品がノミネートされている。
そのなかの1つ 
アフリカ南部の国マラウイで生まれたユニークなバンドの作品に世界が注目している。

人口1,600人余のマラウイ。
農業以外に目立った産業はなく
世界で最も貧しい国の1つとされている。
南部の都市 ゾンバ。
ここで世界が注目する音楽バンドが活動している。
その拠点は分厚い塀で閉ざされたゾンバ刑務所である。
バンドのメンバーは受刑者と刑務官たち。
窃盗や殺人など様々な罪を犯して服役している人たちが音楽活動をしている。
3年前アメリカの音楽プロデューサーの目に留まり
20代~70代までの受刑者60人が参加して音楽アルバムを製作した。
“I Have No Everything Here(ここには何もない)” 
ZOMBA PRISON PROJECT
アフリカ音楽特有の軽快なリズム
そして自らの罪に向き合う受刑者だからこそ発することが出来る強いメッセージが評価され
グラミー賞にノミネートされた。
突如脚光を浴びたこの町では受賞への期待が高まっている。
(ゾンバ市民)
「マラウイの文化や刑務所の様子を歌っているのがいいですね。」
「バンドの音楽は進歩し続けているので
 マラウイ初のグラミー賞を期待している。」
定員が340人のところ2,000人以上が収容されているゾンバ刑務所。
刑務所では厳しい服役生活が続く受刑者のストレスを和らげ
更生させるプログラムの一環として音楽活動を進めてきた。
活動に参加する女性受刑者たち。
彼女たちは身内を死なせた罪で終身刑などを言い渡された。
歌には「子どもに会えない」という絶望的な気持ちが込められている。
♪ わたしはたったひとり
  大きな川のほとりに立つ
  この大きな川を渡るために神に導いてほしい
窃盗の罪で服役しているチコンティー・サランジェ受刑者(33)。
ボーカルを務めるバンドの中心メンバーである。
入所した直後は将来を悲観していたサランジェ受刑者。
別の受刑者から犯罪にかかわるよう誘いを受けたこともあったという。
しかし4年前にバンドに参加。
刑務官たちに励まされ音楽に没頭する中で
将来はミュージシャンになりたいと夢を抱くようになった。
(チコンディー・サランジェ受刑者)
「刑務所に入ったときは音楽を学べると思っていなかった。
 貴重な機会に感謝してこの時間を過ごさなければならない。」
サランジェ受刑者は音楽活動に専念することで模範囚として認められた。
8年だった刑期は5年に軽減され
今年7月に出所できることになった。
自らの過ちを反省するとともに
子どもたちには正しい道を歩んでほしいというメッセージを歌詞に込めた。
♪ 娘よ 
  忍耐強くしていればきっと成功する
  忠告を聞かないと
  不幸な出来事に巻き込まれてしまうよ
長い服役を得た後も社会の厳しい現実が待ち受ける元受刑者たち。
音楽が彼らの心の支えになっている。
殺人の罪で21年間服役し
去年出所したクリタス・チムウァラさん(39)。
これまで仕事の経験のないチムウァラさんにとって
貧しいこの国で仕事を見つけるのは容易ではない。
チムウァラさんがいま最も気にかけているのが72歳の母親のことである。
周囲からの厳しい目にも耐え
ひとりで待ち続けてきた。
母のためにも再出発を誓った歌詞は100曲を超える。
♪ 空を見上げ 虹が出た
  神は太陽や月の光を与えてくれた
チムウァラさんは今後は地元の若者に音楽を教えるなどして生計を立て
母親を支えようとしている。
(クリタス・チムウァラさん)
「音楽が私の人生を変えてくれた。
 収入を得て生活を立て直し
 大好きな音楽を続けていきたい。」
厳しい人生の中から紡ぎ出される受刑者たちの音楽。
世界に彼らのメッセージが届けられようとしている。


 


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