くるりぴょん、くるりこぴょん

忘れっぽいわたしのための記録。何年か先に、振り返ることのできる思い出を貯めるために。

親の沽券

2016-02-19 22:56:16 | お母さん
こんなところに泊まりたくないだろうに、悪いね。

別に週に一回くらい、いいよ。

週に一回は多いよ。あんたもマイケルちゃんとミルキーがいるんだ。自分の家で寝たいだろうに。いつも病院付き添ってくれてありがとうね。

どうしたの?

お母さんだってわかってるんだ。みんなに迷惑かけてることくらい。もう一人前じゃない、半分壊れてる。

そんなことないよ。最近のことは覚えていられないけれど、それは病気だし。でも、自分でお風呂も入れる、お手洗いも行ける、食事もできる。

でも、昔みたいになんでもできないから半人前だ。

まあ、いいじゃないよ。できないことがあったら、誰かに手伝ってもらってやれば。甘えればいいと思うよ。

そうかな。

そうだよ。

でもあんたに迷惑かけてる。本当は腹の底では感謝してるんだ。

お母さん、感謝してくれてるんだー!言ってくれてありがと。

いつも思ってるけど、照れくさいし、親の沽券に関わるから言わない。


…憎まれ口ばかりの母が、わたしに礼を言う。明日の朝、死んでるんじゃないかと思った。

親の沽券。人に、それが例え自分の子供に対してであっても、沽券が邪魔をして感謝の気持ちを伝えられないなんて。
なんてくだらないものだろう。

メンツやプライドが大切な場面もあるだろうけれど。

血が繋がっていたって、言葉にしなければ伝わらないことがたくさんある。
他人ならもっと言葉を尽くさなければ伝わらない。

お母さんは頑張ってわたしに伝えてくれた。ありがとう。

デイサービスセンター

2016-02-19 22:35:52 | お母さん
夕方から頭痛がして、今日も実家には泊まらず明日の朝早く行けばいいかと思ったのだけれど、弟Yが今日は体調が悪いというので、仕方ない、行くか…という感じで来た。

相変わらずベッドで横になり大音量でテレビを見ていたけれど、わたしが顔を出すと、あれ?なんで来たの?と。

お薬をカレンダーに貼りに来たんだよー
で、どう?デイセンター?

うん、まあ、いいよ。今日もブローチ作って来た。(←本当は昨日なのだけれど…)
この間は石鹸作ってきたし。

そう言うと部屋から出て来て、作ってきた物を見せてくれた。

デイサービスでやりたい人は作品制作というのがあるらしく、固形石鹸に押し花を貼り付けてみたり、あらかじめできているパーツをまとめてスズランのブローチにしてみたり。そんなことをしてきたらしい。

こんなのももらった…と小さなファイルを見せてくれた。保育園の連絡帳みたいなもので、母のその日の体温、血圧、脈拍、ご飯を全部食べたか、午前中は何をして午後は何をしたか。それから責任者の人がコメントを書いてくれている。

「カラオケで素敵な歌声を披露していただか、ありがとうございました。スズランのブローチ作りました。」

お母さん、カラオケ歌ったの?

わかんない、忘れた。

こんな調子だけれど、とりあえず、楽しい時間を過ごしているらしい。安心した。