SONY TC-4250SD
知人よりチェックの依頼を受けました。私も昔使用していたカセットデッキで1973年式当時の価格は59,800円でした。今から45年以上も前のデッキで「動かないだろうけどチェックしてみて」ということでした。
前面 汚れがあります。まだ水平式が多い時代でした。水平式はラックに納められないので使うのはレコードプレーヤーと同じように一番上に置かないといけないので使うのは不便でした。試しに電源を入れると電源は入るのですが案の定動作がおかしいです。操作はピアノ式なのでロジック回路による故障はありません。
裏側 シンクロナスモーターを使用しているので50Hz用と書いてあります。
裏蓋 埃が多いです。
裏蓋を取ったところ かなり古いですが錆が見られません
1モーター方式 この機種の上位機種にTC-6150SD(128,000円)がありこちらは3ヘッドのクローズドループ・デュアルキャプスタン方式を採用しています。
90mmの大型フライホイールを使用しています。 コマの原理で大きい方が安定して回るのですがそうすると水平式の方が理にかなっていているのかな。TC-K333ESLに見られたキャプスタンの錆はこちらには見られません
清掃とグリスアップ、ゴムベルトのクリーニングを行います。
録音・再生回路 四角い箱はドルビー回路(この時代は専用ICが無かった)コンデンサーの液漏れもないようです。
電源回路 こちらも特に劣化は無いようです。
モーターコントロール回路
各部の接点はクリーニングします。
フロントパネルを外しクリーニングとグリスアップ、F&Fヘッドのクリーニングをします。
調整及びチェック中 左右は少しレベルが合っていませんでしたが出力ボリュームのギャングエラーなのでそのまま。
再生波形 100Hz
再生波形 1KHz
再生波形 10KHz
終了 ワウ・フラッターは多少ありますが新品ではないのでそのまま。試聴では特に気になりませんでした。
CDからドルビーONでMAXELL UDに録音してFETヘッドフォンアンプ+AKG K240 Studioで試聴中 45年以上も前のカセットデッキですが特に不満は無く聴くことができます。この時代の製品の物づくりはしっかりと作ってあって日本の技術が高かった時代でした。この後の製品は消耗品的な製品が多くなって行った気がします。今はありませんがクロームテープなら高音ももっと力強いのかもしれません。