MAYU CLUB ~学校司書まゆみの絵本棚~

子ども達が小さい頃から、絵本の読み聞かせを続けてきた、本について学び続ける学校司書MAYUの絵本リビング育児★

子どもは忘れない!絵本の読み聞かせの記憶

2021年07月04日 | 絵本・児童書の読み聞かせ
最近は下の子(娘)も小4となり、一人で本を読む時間も増えたため、
寝る前に絵本や児童書の読み聞かせをしていませんでした。

寝る前の儀式がなくなり、仕事が忙しい今だからか、寂しいというよりは、
正直言って、楽になったという気持ちの方が強かったりします。
(娘の反抗期が来たら、グッと寂しく感じるのでしょうが)

児童書ばかり読むことが増えたので、
絵本リビングの絵本を少し整理して、勤務校の図書館に寄贈をしようかなと思っていました。

しかし、昨日今日と、絵本リビングの床に、絵本が何冊も落ちているではありませんか!

娘が一人で絵本を読み、そのまま床に置きっぱなしにしたのです。

「また読んだら読みっぱなしにして!!」

と思ったのと同時に

「まだ絵本を絵本棚から取り出して読むんだ・・・」

と思いました。


絵本リビングの左端にある、この絵本のコーナーが娘のお気に入り。ここからよく絵本をとって読んでいる。

この日の夜、娘がぽつりと言いました。

「そういえば最近、絵本読んでもらっていないな~」

と・・・

「読もうか?」

と私が答えると、嬉しそうに

「これ読んで!!」

と『かぞえうたのほん』(1)を持ってきました。

「ママの横に座って読むのでもいい?」

と聞いたところ

「もうママのお膝には座れなもんね。お膝に座ったら、足痛くなっちゃう!(笑)」

と昔を思い出しながら言ってくる娘に

「そうだね。足の骨が折れちゃうかも(笑)」

と笑いながら言いました。

そう、娘はママのお膝の上に座って、絵本を読んでもらっていたことを
ちゃんと覚えていたのです。

絵本を座いすに座って読む私の横に、娘がやって来て
一緒に絵本を楽しみました。

絵本を読んでいると、隣の部屋にいた中3の息子が

「おっ!懐かしい!!」

と言ってくるではありませんか!

そう、息子もこの絵本のフレーズを覚えていたのです。

部屋の中に和やかな空気が流れます。

子ども達は私が絵本を読み出すと、
声の調子から、ワクワクしながら聞いた当時の思い出や
絵本の楽しさが、一緒によみがえってくるようです。

中3の息子まで、あんなに嬉しそうに反応してきたので、
よっぽど絵本の読み聞かせが楽しかったのだと、改めて感じました。

楽しかった絵本の読み聞かせの記憶は、まだまだ子供たちの中に残っているようです。

この記事を書いた二日後、息子が鉄道の絵本を読み返してみるのを見て、
中3の息子ですら、まだ昔読んだ絵本を手に取ることがあるのか!
と驚きました。

あまり意識していなかったのですが、少し気にして見ていたら、
子ども達は私が思っている以上に、
絵本リビングの絵本を手に取っていることがわかりました。

もうすぐ夏休みですし、子ども達は家で過ごす時間が長くなるので、
コロナ禍といういこともあり、部屋で過ごすことが増えることは予想できます。

リビングで心地いい時間が過ごしてほしいので、
絵本リビングの絵本の整理は、先送りしようと思います。

【注】

(1)岸田衿子 作、スズキコージ 絵『かぞえうたのほん』 福音館書店、1990年。
   岸田衿子のユニークな詩に、スズキコージの斬新な絵がマッチした、読み聞かせに向いている絵本。

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