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ロンドンから徒然に

4人の笛吹きおじさん

2012-05-09 | 音楽
 海外でライヴをやるっていうのは、プロデュースする側から言わせてもらっても、本当に大変なことだと身に染みているけれど、彼らのスタンスはその音楽同様“のほほん”としていて素敵だな。
 栗コーダーカルテット。名前からして「くせもの」っぽいんですが、4人の(本人達が自ら言っているからこの表現でもいいよね)“笛吹きおじさん達”が奏でるそのユニークな音楽は一度聴いたら忘れられず、ちょっと中毒になってしまいます。

 昨年から始めた海外ツアー。今年もパリで4回、アムステルダムで2回の公演をこなした後ユーロスター経由でロンドンに乗り込んで来ました。
 諸事情あって初日のロンドンでは正式な公演というより、某スペースを借りてのプライベート・パーティ風な様相になりましたが、このライヴの雑用をちょっと手伝ってきました。

 彼らが日数の割に回数をこなせるのは、到着したその日にもう公演をやってしまうから。この日もロンドン到着が午後2時過ぎ。宿泊施設(このあたりも多分費用抑えているんだろうな・笑)にチェックイン後、会場入りしたのが4時半くらいだったかな?そしてリハもそこそこに6時半開場7時開演です。しかもセットリストも会場に入ってから決めるんだもの。

 招待したお客さん以外には無事入国(最近のUKは厳しいんですよ)確認後の告知になったため、そう大勢のオーディエンスを見込めるわけもなく、予定したこぢんまりした部屋をさらに小さな部屋に変更したのだけれど、これが大正解。大きな窓からリージェント・パークが望める上に、PAも使わずに生でやるのに丁度良い大きさ。



 しかもほど良いリバーブ感です。実は昨年僕が震災後の東京でPAも照明も使わない生楽器のライヴをプロデュースしたのですが、この時に会場とした使った教会が(通常教会だと音が響きすぎて困るのに)あまりにデッドな空間で苦しんだので、うらやましいくらいのバランスでした。

 さて、そのライヴ。以前お客さんのリストを見た時に“Universal Pictures”の会社名がありました。これって“Universal Music”の間違いじゃないの?と問いただしたんですが、実はこれでよかったんです。
 先月出した彼らの最新アルバムが《ウクレレ栗コーダー2~Universal 100th Anniversary》というタイトルで、文字通りユニバーサル・ピクチャーズの100周年を祝い、名画のサントラをカバーしているんです。

 『第三の男』、『ムーンライト・セレナーデ』、『ケ・セラ・セラ』、『シャレード』などの名曲も含まれていますが、もちろん彼らの演奏する曲のこと、普通のカバーであるわけがなく、タイトルが示すようにウクレレとリコーダーをフィーチャーした音楽は、どこか和やかでつい微笑んでしまいます。こういった編成で『ジョーズ』のテーマ曲までやるんですよ。想像できます?(笑)

 ライヴはその他にも『ピタゴラスイッチのテーマ』を含む彼らのオリジナル曲やクラシックのカバーを含めて2部に分けて行われましたが、どれもが全て彼らならではのオリジナリティに溢れていて素晴らしかったです。オーディエンスの顔が皆ほころんでいたのは言うまでもありません。
 ずっと冬のような寒さが続いていたロンドンで、ひとときほんのりと暖かかった時間でした。

 追記:翌日もロンドンのライヴハウスで公演した後、その翌日には朝早くからなんとタイに渡り、またも着いた当日にもう演奏したみたいです。その翌日の公演も含めてソールド・アウトの盛況だったらしく、しかもTVの生出演まで。いやいや世界的スターだな(笑)今日あたり日本に戻ったんですかね。

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2 コメント

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お世話になりました (shinomix)
2012-05-11 02:35:27
無事帰国しました~!
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Unknown (Max)
2012-05-11 05:35:25
いえいえ、本来ならもっと別方面でお役に立てなければいけなかったんですが...何しろ時間がね(笑)また近いうちにロンドン・ライヴを決行して下さい。
それにしても本当に皆たくましいですね、疲れ知らずで。コートの必要な国から半袖でも暑い国へ1日で移動というのも大変だったと思うんですが、ともかく無事に帰国できて良かったです。暫く休んだらまた次に向けて頑張って下さい。
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