消えるネオンサイン

　昔から“犯罪”はいつも普通の人の想像力の一歩先を行っていますが、それにしてもネット投稿でカンニングするなんて驚きました。ITがもたらした世の中の変化はこんなところにも出ているんですね。

　それはともかく、イギリスの新学期は9月なので周りにそういった雰囲気はなく、そうか、もう入試の時期が終わったのか、なんて改めて思った次第です。

　昔だとこの時期にはたくさんの日本人が観光で押し寄せて、ボンド・ストリートなんて通ろうものなら、有名ブランドの紙袋を幾つも両手に抱えた人達に出会いましたが、日本人の元気がなくなったのか、それとも、もうそういった有名ブランドの価値観に頼ることを卒業してしまったのか、今は東洋系の人を見かけても言葉が聞こえてくると大抵は中国人か韓国人ですね。

　ところでもうひとつ目に見えて減ったなと感じるのが日本の企業の広告です。
　最も有名な観光名所のひとつと言ってもいいと思いますが、ピカデリー・サーカスには巨大なネオン・サインがあって、そこで以前は多くの日本企業が広告を競っていたのですが、現在存在するのはTDKとSANYOだけ。



　そのSANYOの文字がここから消えるらしいのです。
　この広告、実はすごく目立ちます。というのも、他は全て動画表示のできるLED照明に変わっていて（その意味では正確には“ネオン”・サインではないですね）、時にはタイムリーな画像に対応したりもしているのですが、SANYOのみ昔ながらのネオン管方式なんです。

　三洋電機はパナソニックに吸収されて、とりたててブランド・ネームを強調する必要もなくなったのでしょうが、この広告のある建物を所有する会社が全て広告をLED方式に変える方針にしたのをきっかけに契約更新をしなかったという話もあります。

　これも進歩した技術がもたらした世の中の変化でしょうが、ピカデリーに当然のように存在したSANYOの文字が無くなるのは、少し寂しい気もします。この後どんなブランドの広告が入るのか興味もありますが。