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ロンドンから徒然に

大女優の予感

2010-09-24 | 映画・演劇
 凄い円高が続いていますね。輸出中心の企業なんて本当に大変でしょうね。もちろんイギリスにも多くの日本製品が出回っています。車や家電などはもちろん、洋服や雑貨もあります。
 ユニクロなんかはその代表でしょう。街を歩いていてもあちこちに広告が目立ちます。最近の駅貼り広告はいつものように変に凝ってなくて(失礼!)シンプルなんですが、逆に目を惹かれてしまいます。それもそのはずシャーリーズ・セロンですもんね。



 初期はその綺麗さばかりが目立っていた彼女も「モンスター」の汚れ役でアカデミー主演女優賞を取るなど、今やすっかり大女優の貫禄ですね。
 ロンドンに来て3年足らずの間に映画で彼女を見た回数を数えてみたら既に4本。その中で僕が一番気に入っている映画が『The Burning Plain(邦題 :あの日、欲望の大地で)』です。

 でも、この映画で彼女よりもさらに印象に残った女優がいたんです。撮影時には17歳だったというジェニファー・ローレンスJennifer Lawrence。
 実はこの映画、脚本がすごくうまく構成されていて、どんな役だったと言ってしまうとそれをぶちこわしてしまうので避けておきます。もしこれから見ようとする方は、予告編も見ない方がいいと思います。(と言っても、これ昨年封切りの映画です。DVDか何かで見るしかないと思いますが)
 また、この映画は前年第65回ヴェネツィア映画祭に出品され、ジェニファー・ローレンスは新人賞に当たるマルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞しています。それほど素晴らしい演技だったんです。

 その彼女の新作が『Winter’s Bone』。直訳すれば『冬の骨』というこのタイトルを読んで、既に暗い映画だと感じる人がいるでしょう。そうなんです。この手の映画を薦める時は何となく人を選んでしまいます。
 ミズーリ州の片田舎が舞台です。一目見ただけで感じるこの地方の貧しさと冬の寒さは、それだけで見ている側にある種の緊張感を強いてしまいます。そこにさらに良質のミステリーっぽい要素も加わって、身体がこわばる感じさえします。それでもその中で彼女の演じる17歳の娘の健気さがいじらしくなってきます。



 1990年生まれと言いますからまだ20歳そこそこ。出演作も少ないですが、僕は彼女が将来演技派の大女優になるような予感がしてなりません。
 この映画の素晴らしさとも相俟って、次のオスカーの候補に挙がるかもとさえ密かに思っています。でも、ゆっくりと大きく育ってほしいです。