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ロンドンから徒然に

山崎蒸留所の見学

2009-08-29 | 旅・イベント
 23日のブログに「続きはまた後日」と書いておきながら、(大山崎山荘のことは書いたのに)山崎蒸留所のことが書かれていないとの指摘があったので、約束通りその続きを。

 と言っても、僕はウイスキーに詳しいわけでもなく、以前からこの蒸留所の佇まいが気になっていたので内部を覗いてみたいくらいの軽い気持ちだったので、そんなに熱心に話を聞いたわけではありません(ガイドさん、ごめんね)。目で見て印象に残ったことのいくつかを。



 まずは特注で作られるという巨大な蒸留釜。形が微妙に異なる釜が多様な原酒を造り出すわけです。そしてその原酒を熟成させるオークで造られた樽。その熟成の有り様は当然同じわけでなく、ひとつひとつが異なる味わいに育ちます。
 もちろん商売としては、同じ銘柄は同じ安定した味を持たなければならず、これら無数の樽をブレンドして理想の味を造り出すわけです。これを行うブレンダーの鼻や舌の繊細さにはただただ感心します。



 長年寝かされた樽の中の酒は、熟成の段階でアルコールや水分が蒸発し、最終的な製造量が目減りします。この無くなった分量を、空に上がるイメージからか『天使の取り分』と呼ぶのはご存じの通りです。
 年齢を重ねる毎に失うものも多いけれど、こうして人間として熟成していっているんだと信じたいものですね(笑)



 ガイドツアーの最後には試飲です。ひたすらこれを待っていた参加者も多かったようで(笑)顔がほころんでいました。
 当然ながら水の配分も上手で、イギリスのウイスキーに比べても繊細な感じのする日本製のウイスキーの微妙な味加減を引き出していました。

 さて、見学とは直接関係ないながら、僕がかねてから感じ入っていたのは創業者の次の言葉「やってみなはれ」
 これって単純に英語に訳すならTry it .だと思うのですが、もしこれが「やりなはれ」だったらDo it ! そうすると何だか重たすぎる言葉に感じません?
 決して前者が軽い意味というわけではないのですが、僕みたいなプランナーの立場からすると、色んな思いつきをすぐに実行に移せそうな前者の言葉はすごく有り難く感じます。

 そんなサントリーが取り組もうとしているキリンビールとの合併話。こういったトライアルの社風が失われなければいいがと、他人事ながら気になります。