まつお文庫からのご案内

仙台市若林区中倉3-16-8にある家庭文庫です。水・土の3時~6時(第2土は休み)どなたでも利用できます(無料)。

新しく買った本 5月

2018-05-22 12:27:20 | 文庫のページ
①『ぶどう畑のアオさん』 馬場のぼる こぐま社 2001
 黄緑の表紙が目をひきます。山吹色で縁取られた中央の枠の中に、前面にゆったり歩く青い馬と、後方にその馬を見ている猫が描かれ、配色も構図も興味深く、印象に残る表紙です。森の中で暮らす青い馬のアオさんの物語。
 アオさんが夢の中で見たぶどう畑は本当に実在し、一緒に行った猫も大満足です。次の日、森の動物たちも一緒に行くのですが、乱暴なオオカミがぶどう畑を独り占めにし、オオカミを恐れた動物たちは逃げ出してしまいます。アオさんはひとりオオカミに立ち向かいます。
 1980年に婦人之友社から出版された絵本ですが、絵をすべて描き直し、版型も大きくして、こぐま社から2001年に出版になりました。色校正が出た翌日、馬場さんはお亡くなりになったそうです。馬場さんの最後の絵本です。
②『巨人の花よめ スウェーデン・サーメのむかしばなし 菱木晃子/平澤朋子 BL出版 2018
 スウェーデンのラップランドを舞台にした昔話です。厳しい自然の中で、トナカイと共に生きるサーメ人の父と娘の物語。
 美しく賢い娘のチャルミをお嫁にほしいという人はたくさんいましたが、チャルミはいつも断っていました。ところが高い山に住む恐ろしい巨人がチャルミを嫁にほしいと父親に迫ります。チャルミと巨人の緊張の駆け引きが始まるのですが、チャルミはだんだん追いつめられ、とうとう結婚式の日を迎えてしまいます。最後まであきらめずに、巨人に立ち向かうチャルミの勇気と知恵の物語です。
 ラップランドの自然とそこに暮らす人々を描いた平澤さんの絵は美しく、心に残ります。チャルミたちの着ている民族衣装も色鮮やかで美しいです。一方、巨人は画面からはみ出すように、大きく恐ろしく描かれ、迫力があります。
③『おうさまのくつ』 ヘレン・ビル/ルイス・スロボドキン こみやゆう訳 瑞雲舎 2015
 「まるで王さまが履くようなすばらしい靴」と人々にほめたたえられ、ちょっとうぬぼれてしまった靴の物語です。
 靴屋さんが出かけたすきに、お城で暮そうと脱出を企てます。左足の靴が主導権を握り、右足の靴は遅れないようについていくのですが、靴の動きがコミカルで楽しいです。雨に降られてどろだらけになったり、やっとたどり着いたお城ではコックさんたちに追いかけられたり、さんざんな目にあって、靴屋に戻ってきたときには、ただの古びた靴になっていました。ところが靴屋さんのいきな計らいで、予想もしない奇跡が起き、物語は一気にハッピーエンドを迎えます。
 表情豊かな動きのある線とやさしい色づかいのスロボドキンの絵が物語をより楽しいものにしてくれます。
④『大人になるっておもしろい?』 清水真砂子 岩波ジュニア新書 2015
 『ゲド戦記』などたくさんの子どもの本の翻訳で知られる清水真砂子さんの、10代の若い人たちに向けた、人生についてに感動のエッセイです。
 若いKさんへの手紙という形で、語られます。教師として高校生や短大生と一緒に考えたこと、家族や夫婦のこと、子ども時代のこと、たくさんの映画や本・絵本・児童書のこと、友人のことなど、幅広い観点から、人と人のかかわりを模索し、生きるということは素晴らしく、やってみる価値のあることだと繰り返し語りかけます。
 清水さんの言葉は時に挑戦的で、刺激的でもあるのですが、深く心に響き、大きな感動と元気をもらえます。手紙は13通。特に11通目に感動できます。。中高生はもちろん、大人の方にもお薦めの本です。
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覚えて「夏の特別おはなし会」で語ってみませんか?

2018-05-22 12:09:37 | 文庫のページ
今日は朝から晩だった

今日は朝から晩だった
生まれたばかりのばあさんが
85,6の まごつれて
てくてく てくてく あるいてた
とうふのかけらにつまずいて
海からがけへおっこちた
見てないやつがはっけんし
あわててゆっくりでんわした
ひとりのけいかん ぞろぞろと
まがったみちをまっすぐに
まえへまえへとバックした


ぶたがぶたれた 村山知義

ぶたがぶたれた
ぶたにぶたれた
なぜぶたれた
1で いばって
2で にらんで
3で さわいだら
4で しかられて
5で ごつん
ぶたがぶたれた


あのつく話 松岡享子

あめりかうまれの ありのありすさんが
あるあきの あかるいあめのあさ
あたらしい あかいあまがさをさし
ありあわせの あおいあまぐつをはき
あつぼったい あめいろのあまがっぱをきて
あるところを あるいていたら
あいにく あしもとに あながあいていた
「あっ、あぶない!」と あわてて
あともどりしようとしたが もうまにあわぬ。
あれよ あれよというまに あしはすべって
あおむけに あなへとおちる。
ありったけのこえをはりあげて
あばれてはみたが すべてはあとのまつり。
あたまがあごにあたるやら
あきれすけんがあきれるやら
あとでみたら あちこち あざだらけ。
あせをかきかき あぱーとにかえり
あすぴりんをのむやら
あかちんをぬるやらしたけれど
あとあとまで あとがいたんで
あわれな ありさまだったって。
それほんとう?
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レンゲの会とおはなし会 5月

2018-05-22 11:09:27 | 文庫のページ
レンゲの会
💛💛💛月1回、子どもの本についておしゃべりしています。どなたでも参加できます。💛💛💛
      5月28日(月)10:00~13:00
 「大どろぼうホッツェンプロッツ」のシリーズを取りあげます。
                   プロイスラ― 中村浩三訳 偕成社
 プロイスラ―には『小さい魔女』『小さいおばけ』『小さい水の精』『クラバート』などの作品もあります。
     ♠♠♠♠♠   ♠♠♠♠    ♠♠♠♠    ♠♠♠♠♠
 次回は6月25日(月)10:00 絵本のよみきかせです。
 子どもに読んであげたい絵本、あるいは好きな絵本を1冊お持ちください。
 みんなで読みあって、よみきかせについておしゃべりします。

夏の特別おはなし会  7月7日(土)3:30
■□■年3回ある特別おはなし会です。子どもも大人も、初めての方も、ふだん文庫に来ていない方も、どなたでもおはなしを覚えて語ることができます。どうぞお話を覚えて語りにいらっしゃいませんか。お待ちしています。聞くだけの方も大歓迎です。■□■
 第1部は子どもの語り、第2部は大人の語りになっていますが、最近は語ってくれる子どもがどんどん少なくなって、残念に思っています。昨年は4年生の女の子が一人でした。どうぞお話を覚えて語ってみませんか。詩でもわらべうたでも短いお話でもかまいません。なにか覚えてみませんか。子どもたちの参加を待っています。
 ※語ってくれる人は、6月9日(土)までにお話の題名をお知らせください。
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5月・6月の文庫の日

2018-05-19 19:11:52 | 文庫のページ
5月19日(土)
 3:30 おはなし「あかりをくれ」 佐藤(和)
 4:00 牛乳パックの変身箱パズル
5月23日(水)
 緊急で申し訳ありませんが
   文庫をお休みします!

5月26日(土)
 3:30 おはなし「ひなどりとねこ」 松尾
 4:00 おりがみ(ねこの封筒・うさぎの封筒)
5月30日(水)
 3:30 おはなし「マーシャとくま」 佐藤(真)
 4:00 牛乳パックのこま
6月2日(土)
 3:30 おはなし「ヤギとライオン」 松尾
 4:00 牛乳パックのこま
6月6日(水)
 3:30 おはなし「犬のびょうき」 笹森
 4:00 おりぞめ
6月9日(土)
 第2土曜日は
   文庫お休みです


■今年度から新しく佐藤真弓さんに、おはなし会の担当をしていただくことになりました。
 真弓さんはこれまでも2年間、特別おはなし会で語ってくださっていました。どうぞよろしくお願いします。
 また、佐藤和子さんも今年度は2ヶ月に1度、担当していただけることになりました。昨年度はお仕事の都合で難しかったのですが、また担当していただけるということでありがたいです。
■3月のレンゲの会の時、レンゲの会のメンバーと文庫のお母さんたちが作った40周年記念のすてきなタペストリーをいただきました。絵本や物語の主人公たちが刺繍された、すてきなパッチワークです。10数人の方が3カ月かけて仕上げてくださったとのこと。本当にありがたく思いました。玄関に飾ってありますので、どうぞ文庫に来た時、見てください。
■文集「なかま」の原稿、まだ間に合いますので、子どもも大人の方もどうぞご協力ください。作業がまだそれほど進んでいませんので、5月末まで、よろしくお願いします。
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今月の詩 5月

2018-05-19 18:33:34 | 文庫のページ
  ごがつのそらは………
          薩摩 忠
 そらぜんたいが
 かわに なりました

 それは それは はばの ひろい
 みずいろの おびです

 はるの やまから
 なつの うみに むかって

 すきとおったかぜの みずが
 ながれます
 ゆったりと

 ひかりの うずまきや
 ふうせんの はなたばを
 いくつも いくつも
 うかべながら
       (『まっかな秋』薩摩 忠
            教育出版センター)
 新緑の美しい季節になりました。色さまざまな緑に、5月の季節を感じます。今月は「ごがつのそらは………」という詩を選びました。さわやかな5月の風にのって、空も大きな川のように気持ちがいいです。


新学期が始まって一ヶ月 いま、文庫では
 新学期が始まって、連休も過ぎ、5月も半ばになりました。早いですね。文庫はその間、6回ありました。カードの書き換えも進み、5月9日で登録は29人になりました。同じ時期、一昨年は31人、昨年は24人ですので、だいたい同じくらいの人が登録してくれたことになります。
 29人のうち子どもが16人、大人が13人です。新しく登録してくれた人も4人いました。年長さん、1年生、2年生、4年生。4人とも子どもです。うれしいです。
 最初の文庫の日、新学期も始まり、どんな子が来るのか楽しみにしていたのですが、子どもはけいた君ひとりでした。でも2回目からは子どもも増え、ほっとしました。28日の土曜日は元気な1年生の男の子が3人も集まって、おはなし会も手づくりも楽しんでくれました。
 4年生の男の子たちがまだだれも来ていないのが、ちょっとさびしいです。1年生から、この3年間、ずっと来ていた子たちです。6時間の日が増え、クラブ活動も始まって、文庫に来るのがむずかしくなっているのだろうと思いますが、落ち着いたら、顔を見せてください。待っています。
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