まつお文庫からのご案内

仙台市若林区中倉3-16-8にある家庭文庫です。水・土の3時~6時(第2土は休み)どなたでも利用できます(無料)。

寄贈本と新しく買った本 3月’17年

2017-03-13 17:20:02 | 文庫のページ
寄贈本 ありがとうございます。
■内田麟太郎さんからいただきました。
①『ともだちなんかいらない』
 内田麟太郎/喜湯本のづみ 小学館 2017.2
 友だちなんかいなくても平気と言うおばけのギザギザ。同じ考えのおばけのイガイガに出会い、だんだん彼のことが気になります。
■児童図書館研究会からいただきました。
②『子どもの本から平和を考える』
 児童図書館研究会編 児童図書館研究会2017.2
 山花郁子さんの講演記録「子どもの本から平和を考える」と機関紙「こどもの図書館」で特集した戦後70年関連の記事をまとめたものです。
■広野多珂子さんからいただきました。
③『ぼくのもものき』
 広野多珂子 福音館書店 2017.3
 ベランダで鉢植えの桃の木を育てる男の子の話。花が咲き、実がなり、熟すまでの経過が、絵と文で丁寧に語られます。花びらも葉っぱも1枚1枚、細部まで丁寧に描かれた美しい絵本です。完成まで5年かかっています。実際にベランダで桃の木を育てながら描いた絵本です。

新しく買った本
①『シノダ! 指切りは魔法のはじまり』 富安陽子/大庭賢哉 偕成社 2016.11
 シリーズ10巻目。人間のパパとキツネのママを持つユイとタクミとモエは、それぞれキツネ一族の不思議な力を受け継いでいます。今回は魂よせの口を持つ3歳のモエが活躍する物語です。
 幼稚園で出会った男の子と「うそついたらカエルの口になぁれ」と約束の指きりをしてしまったモエは、家族に男の子のことを話してしまい、心配になります。心配は的中しモエにキスされたキツネの鬼丸おじいちゃんがカエルになってしまいます。キツネのイツキおばあちゃんまで人間界にやってきて、緊迫した中で物語は展開します。男の子は竜神さまの使いで、300年前石にされたカエルの呪いを解くためには、どうしてもモエの力が必要だったのです。
 8匹の色さまざまな竜たちが天を飛び回る光景は壮大な眺めです。
②『水の森の秘密』 岡田 淳 理論社2017.2
 シリーズ12巻目。ウニマルに住むスキッパー、湯わかしの家に住むトマトさんとポットさん夫婦、木の上の屋根裏部屋に住むトワイエさん、ガラスのびんの家に住むスミレさんとギーコさんの姉弟、巻き貝の家に住むふたごなどこそあどの森に住む個性豊かな人々の織りなす物語です。
 森に異変が起きます。9月なのにコスモスが咲かず、湿地帯に咲く花が咲きだします。そのうち森が一面水びたしになり、どんどん水位が増していくのです。ヨットに乗って原因究明に乗り出すスキッパーたち。水の精や水に住む生きものたちのおかげで原因が次第に明らかになります。
 カエル語やイモリ語、サンショウウオ語が飛び交います。森が元に戻った時、スキッパーはカエル語をマスターしようと考えます。動物の言葉がわかるドリトル先生のようで、今後が楽しみです。
③『森の石と空飛ぶ船』 岡田 淳 偕成社2016.2
 姿を変えることのできるカメレオンのレオンを覚えていますか。これまでレオンの物語は2冊出ています。桜若葉小学校とレオンの住む国は1枚の絵の表と裏のようなものだとレオンは言います(『カメレオンのレオン』)。いくつかの通路があって、これまでの物語では、レオンはいつも中庭の大きなクスノキを通路にしてこちらの世界に来ていました。
 この物語では裏庭のプラタナスの幹を通ってレオンの国(サクラワカバ島)と行き来する少年が登場します。6年生のシュンです。島でカメレオンの少女エリに出会い、島の危機を救うため、「森の石」を守る「キノコのひと」をかくまって、石を奪おうとするロボットと闘います。3年前レオンがあったアミとトモロー(『小学校の秘密の通路』)もこちらの世界に来て、やっとレオンの船が空を飛ぶ場面は感動的です。
 前2冊もあわせて読むと一層楽しめます。300ページを超える長編の物語で、読みごたえがあります。
④『生きる 劉 連仁の物語』 森越智子 童心社2015.7
 戦争中、国内の労働力不足を補うためたくさんの中国人が強制連行され、日本の各地の鉱山で働かされました。その数は38,935人といわれています。その中の一人が劉連仁(リュウ リェンレン)です。この本は戦争中日本政府によって踏みにじられた劉さんの、長く困難な人生を描いたノンフィクションです。
 1944年11月、31歳の彼は北海道の沼田町にある昭和鉱山で石炭採掘の仕事をさせられます。連日の疲労と飢えと寒さと暴力の中で、1945年7月、たった一人脱走を試みます。途中、同じ日にたまたま逃げ出した4人と会い、5人で逃げることに。北海道の西から北へ、東へ、そして西へと、その距離は1400キロといわれています。しかも闘争の途中で4人の仲間を失い、たった一人で12年間も逃げ続けます。中国に残してきた家族に会いたいという思いと、こんな理不尽なことは二度と起こってはいけないという思いが彼を支えます。彼が石狩郡当別町の山中で見つかったのは1958年の2月のことです。彼の闘いはその後も続いていきます。
 茨木のり子さんは「りゅうりぇんれんの物語」という長い詩を書いています。松谷みよ子さんも『私のアンネ=フランク』で劉さんのことを取りあげています。あわせて読んでみてください。
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レンゲの会とあそびの学校 3月

2017-03-12 18:31:25 | 文庫のページ
レンゲの会 3月13日(月) 10:00~13:00
  *月1回、子どもの本についておしゃべりしています。どなたでも参加できます。
 今月は『銀河鉄道の夜』宮沢賢治 を取りあげます。
 ♦♧2017年度の計画を立てますので、取り上げたい作家・作品をお持ちください。♡♠
 ♦♧2017年度は5月から始めます。詳しくは4月の文庫だよりをご覧ください。♡♠

あそびの学校 3月18日(土)10:30~12:30
  <大人向けの講座>年8回の講座です。 *参加費200円
 今月は 紙ひもの帽子を作ります。
        あやとりは「あみ→こと」「ひとりあやとり」です。

 ♦♧毎回15分、詩やわらべうた、手遊び、絵本の紹介をしています。♡♠
 ♦♧2017年度は6月から始めます。詳しくは4月の文庫だよりをご覧ください。♡♠

お願いします! 文集「なかま」39号に原稿をお寄せください。
 みんなの声をたくさん載せたいと思っていますのでご協力ください。
 <子どもたちへ>  〆切は3月末(4月の最初の文庫の日まででもいいです)
 ①この1年に出会った本で、おもしろかった本を5冊教えてください。
 ②「文庫で楽しかったこと」という題で自由に書いてください。
   ※※文庫に用紙があります。
 <大人の方へ> 〆切は4月末
 「ひろば ―お母さんたちのページ― 」に原稿をお寄せください。
 長さは自由です。子どものこと、本のことなど、なんでもかまいません。
 あそびの学校やレンゲの会に参加の方も、どうぞ原稿をお寄せください。
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3月・4月の文庫の日 ’17年

2017-03-12 17:44:05 | 文庫のページ
3月15日(水)
 3:30 おはなし「ババヤガーと白い鳥」 武田
 4:00 あやとりであそぼう
3月18日(土)
 3:30 おはなし「美しいワシリーサとババヤガー」 佐藤
 4:00 あやとりであそぼう
3月22日(水)
 3:30 おはなし「りこうなおきさき」 松尾
 4:00 しゃぼん玉(クリスタルドロップ)・さくらもち
  文庫の春休み
    3月25日(土)~4月8日(土)

4月12日(水)
 3:30 おはなし「ちいちゃいちいちゃい」 松尾
 4:00 紙テープのしおり
4月15日(土)
 3:30 おはなし「三びき匹のくま」 松尾
 4:00 おりがみ(三段組みの花ごま)
◆文庫は3月22日(土)までやっています。18日と22日は15冊まで借りることができます。
◆3月25日~4月8日(土)は文庫の春休みです。4月は12日(水)から始めます。


もうすぐ春休み! 
   ふだん読めない長い本にも挑戦してみませんか。

 『ニルスのふしぎな旅』  (セルマ・ラーゲルレーヴ 菱本晃子訳 福音館書店)は上下2冊、合せて1000ページを超える長い物語ですが、この時期おすすめの物語です。
 妖精のトムテに悪さをして小人にされたニルスが、がちょうのモルテンの背中に乗って思いがけず旅に出ることになったのが、3月20日のことです。1章ごとに日付がついていますので、今、何月何日で、旅に出てからどのくらいたったか、いまどこを旅しているかなど、スウェーデンの地図を確かめながら楽しむことができます。
 ニルスが無事家に戻って来れたのは11月9日のことです。約8ヶ月近い旅をしてきたことになります。ニルスがどんな旅をしてきたのか、スウェーデンという国がどんな国か、ニルスと一緒に旅をしてみませんか。きっとすてきな旅が楽しめると思います。
 1000ページは長いと思う方には、絵本版もありますので、まずそれから読んでみてはどうでしょう。6冊シリーズ(菱沼晃子訳 福音館書店)で、平澤朋子さんの美しいさし絵が魅力です。物語は55章からなっていますが、その章だけ取り出しても楽しめるお話も多く、そういう物語を6つ選んで絵本化したものです。抄訳ではありませんので、絵本版といってもどれも40~50ページの長さになります。このシリーズを読んだら、きっと物語全体を読んでみたくなることは間違いありません。
 小学校を卒業するまでにぜひ出会ってほしい物語の1冊です。
 <ニルスが出会った物語1~6>
 ①『まぼろしの町』 ②『風の魔女カイサ』 ③『クマと製鉄所』 ④『ストックホルム』
 ⑤『ワシのゴルゴ』 ⑥『巨人と勇士トール』


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今月の詩 3月 ’17年

2017-03-11 18:04:14 | 文庫のページ
  さよならの歌
           北川幸比古

 楽しいことが いっぱいあった
 春だったっけ 夏だったっけ
 悲しいことも ちょっぴりあった

 秋だったっけ 冬だったっけ

 そして そうして さよならだ
 そして そうして さよならだ
 だけど ぼくたち わたしたち
 きっと もう一度 あうだろう
 きみを忘れはしないから
 きっと もう一度 あうだろう
 いつか どこかで きっとだよ
        (『貝がらをひろった』
            北川幸比古 らくだ出版)

 福寿草も梅も咲き出し、春の日差しがうれしいです。三月は卒園、卒業の季節ですね。転校するお友だちもいるかもしれませんね。一緒に過ごしてきたお友だちとの別れはちょっぴり悲しいです。でも忘れない、会いたいという気持ちがあれば、きっとまた会えるかもしれません。
 今月は北川幸比古さんの「さよならの歌」を選びました。別れる友へのすてきなメッセージです。

 あやとり検定! 挑戦した人すべてに賞状が出ます!
 1月から始めたあやとり検定ですが、今年もたくさんの人が挑戦してくれて、楽しい2ヶ月を過ごしました。春休みまであと3回文庫がありますので、どうぞがんばってください。何度も文庫には来れず、6級どまりの人もいるかもしれませんが、挑戦した人すべてに賞状が出ますので、文庫に来た時もらってください。毎年同じ賞状で申し訳ないのですが…。
 今年挑戦した人は15人、子どもが10人、大人が5人です。2月の文庫だよりの時より4人増えています。1級に合格した人は2月の時には子どもが4人だけでしたが、その後、大人の方が2人、1級に合格しました。おひとりは昨年も1級まで行っていますので、ほとんどを覚えていて、短時間で30の技をクリアしました。もう一人の方は、この2ヶ月、何度も文庫に足を運んでくださって、すごい集中力でマスターしました。
 今1級目指して頑張っているのは、名取から来ている4年生のひなのちゃんと2年生のけいすけ君姉弟です。4日に二人とも4級・3級に合格しました。土曜日しかこれませんので、あと1回で1級までいけるといいですね。頑張ってください!

  3100回目の文庫の日! 3月22日(水)
 3000回目の文庫の日を迎えたのは2015年10月21日でした。お祝いをしたばかりと思っていましたが、あれから1年半。ふと数えてみたら、3月22日でちょうど100回目になります。おそらく4000回目の文庫の日はないと思いますので、100回ごとに小さなお祝い会をしてもいいかなと思っています。今回はみんなで作ったさくらもちをいただきながらお祝いしましょう!
  3:30~ おはなし会
  4:00~ 手作り しゃぼん玉(クリスタルドロップ)・さくらもち
  4:50~ お茶の会(お茶とさくらもち)。お家の方もどうぞ一緒にお祝いしてください。
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